2013グローリアス・グッドウッド4日目

プチ旅行から帰ってきましたので、不在の間に溜まった競馬レポートを続けます。最早速報性はありませんので、確認の意味も籠めて・・・。

グッドウッドの4日目、8月2日はG戦が4鞍、この開催では1日のG戦の数では最も多い一日でした。馬場は good 、所により good to firm という状態です。
最初はグローリアス・ステークス Glorious S (GⅢ、4歳上、1マイル4ハロン)。1頭が取り消して6頭が出走。5対2の1番人気に支持されたマスターストローク Masterstroke は去年の凱旋門賞3着馬で、当時はフランスのアンドレ・ファーブル師が管理していました。今年からはゴドルフィンの新しい調教師となったアップルビー厩舎に転じての初戦。凱旋門以来の休み明けとなりますが、ドーヴィル大賞典の勝馬でもあり、ここは格が違うという人気でしょう。

レースはミジュハー Mijhaar とモンテイザー Montaser の逃げ、マスターストロークは後方待機策。しかし本命馬は意外にも伸びず、優勝は2番人気(3対1)の8歳馬フォーゴットゥン・ヴォイス Forgotten Voice 。2着は本命馬と同じゴドルフィンの馬で3番人気(10対3)ロスト・イン・ザ・モーメント Lost in The Moment で半馬身差、更に1馬身半差で前が塞がる不利があったシェイクザイドロード Sheikhzayedroad が続き、マスターストロークは5着敗退です。
ニッキー・ヘンダーソン厩舎、ジョニー・ムルタが騎乗したフォーゴットゥン・ヴォイスは、2009年のサセックス・ステークスでリップ・ヴァン・ウィンクル Rip Van Winkle の4着した実績のある馬。ドバイのワールド・カップにも出走しましたが、その後負傷して一線級からは遠ざかっていました。その後は障害戦にも出走し、今年初めには障害のGⅡ戦にも勝って平場にも復帰、前走はアスコットのリステッド戦も快勝して再びG路線に復帰してきた強者。平場のG戦勝利はドバイのGⅢに続く2勝目ですが、ヨーロッパでは初めてのことになります。

続いてサラブレッド・ステークス Thoroughbred S (GⅢ、3歳、1マイル)。去年は同着優勝となった一戦ですね。1頭が取り消しての7頭立て。ジャージー・ステークス(GⅡ)2着で、前走ニューマーケットのリステッド戦もシッカリ勝ってきたモンティリッジ Montiridge が5対6の圧倒的1番人気。

2000ギニー2着、セント・ジェームス・パレス・ステークスでドーン・アプローチ Dawn Approach の夫々2・5着したグローリー・アウェイツ Glory Awaits が逃げましたが、ゴドルフィンのタウヒード Tawhid にぶつけられて後退、これを後方待機から残り1ハロンで外に出して追い込んだ本命モンティリッジが楽に交わして1馬身4分の1差で快勝。更に2馬身4分の1差でこれもゴドルフィンのスノーボーダー Snowborder が3着。グローリー・アウェイツは4番手で入線しました。
このアクシデントが審議となりましたが、入線通りタウヒードは2着で確定。但し、同馬に騎乗したシルヴェストル・デ・スーザには、不注意騎乗の廉で4日間の騎乗停止処分が言い渡されました。スーザ騎手は第1レースでも不注意騎乗により2日間の騎乗亭となっており、合計6日間もの厳しい処分を受けています。

モンティリッジを管理するリチャード・ハノン調教師は、これがグッドウッドでの250勝目となる記念の勝利。ハノン師は2番人気(9対2)のバルチック・ナイト Baltic Knight も出走させていましたが、こちらは7着敗退。勝馬にはリチャード・ヒューズが、また2番人気にはライアン・ムーアが騎乗していました。
このあとモンティリッジはGⅠを目指すことになるでしょう。来期も現役に留まる予定で、古馬となる来年もその動向から目が離せない1頭です。

この日唯一のGⅡ戦、キング・ジョージ・ステークス King George S (GⅡ、3歳上、5ハロン)は、1頭の取り消しがあったものの17頭と多頭数の一戦となりました。レディー・セシルの調教馬で、前走サンダウン・スプリント(GⅢ)を制したティックルド・ピンク Tickled Pink が3対1の1番人気。
逃げたのはマサーマー Masamah 、ティックルド・ピンクは先行しましたが他馬にぶつけられる不利もあって7着敗退。優勝は、後方から追い込んだ2番人気(5対1)のムーヴィエスタ Moviesta 。1馬身半差で勝馬にぶつけられながらも怯まなかったスイス・スピリット Swiss Spirit が入り、頭差でブービー人気(40対1)のジャスティネオ Justineo が飛び込んでいます。何頭かが接触の憂き目にあったことで審議になりましたが、多頭数の短距離戦、結局は入線通りで確定しました。また2010年の勝馬で、一旦引退したものの現役に復帰したボーダーレスコット Borderlescott の参戦も注目されていましたが、11着に終わっています。

ブライアン・スマート厩舎、ポール・マルレナン騎乗のムーヴィエスタは、3走前にヨークのハンデ戦に勝ち、その後もヨーク、ニューマーケットのハンデ戦で2着、今回がG戦初勝利となりハンデ・クラスを卒業した3歳馬。ヨークのナンソープ・ステークスでGⅠを狙います。
なお、この馬のオーナーはハリー・レッドクナップ氏といい、サッカー・チーム(QPRという名称だそうです)の監督を務めている方の由。私はこの分野は全く不案内ですが、レースレポートで紹介されるほどですから、スポーツ界では話題の人物なのでしょう。

最後はオーク・トゥリー・ステークス Oak Tree S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。ここも多頭数で14頭立て。1000ギニー4着、前走もウォーリック競馬場のリステッド戦に勝ったウイニング・エクスプレス Winning Express が2対1の1番人気。
ウイニング・エクスプレスは積極的なレースで先頭に立ちましたが、後方から鋭く追い込んだアネクドート Annecdote が4分の3馬身での差し切り勝ち。半馬身差で12番人気(40対1)の伏兵インスタンス Instance が3着に入ってファンを驚かせました。

ジョナサン・ポートマン師が管理するアネクドート、ここ4戦で3勝と絶好調の3歳馬で、G戦はこれが初勝利となります。これでこの日のG戦は、全てが初勝利の馬という結果に。また珍しい記録としては、最後の13着争いが2頭のデッドヒート(同着)となったことも書いておきましょう。
勝馬に騎乗したリチャード・キングスコートは、3日目のグッドウッド・カップをブラウン・パンサー Brown Panther で制したジョッキー。これが開催2勝目で、二つ目のG戦勝ちとなります。
一方人気で負けたウイニング・エクスプレス陣営、マクマホン調教師はノートン騎手の騎乗に対し、“ハナに立つのが早過ぎる。この開催では早く先頭に立った馬は尽く差されているじゃないか。”と、おカンムリでした。

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