オペラシティの東京交響楽団

今日はピンチヒッターで東京交響楽団の東京オペラシティシリーズを聴いてきました。
私は東響の定期会員になったことはありません。大友直人のイギリス・シリーズは小まめに行きますが、一つ訴えるものが不足しているように感じているのですね。

今日はこのシリーズ通算37回目、新シーズンのスタートでもあります。指揮は桂冠指揮者の秋山和慶氏。曲目は最初がシュトラウスのティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら。続いて2005年にミュンヘン・コンクールで第1位を得た岡崎慶輔をソリストにハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲。
休憩を挟んでコダーイの組曲「ハーリ・ヤーノシュ」というもの。
コンサートマスターは、この4月1日付けで就任したばかりの高木和弘という若手です。

普段聴いていないオケなので、聴いてきました、という程度の感想です。
とに角このホールでこの曲目ですからね、耳が麻痺していくような感覚に襲われます。

演奏を一言で言えば、岡崎くんのハチャトゥリアン共々、折り目正しい音楽、ということになりましょうか。
このヴァイオリンも、感情を顕にぶつけるというのとは正反対。演奏スタイルもキチンと背筋を伸ばし、余計な動きはありません。端正、と言ってもよいでしょう。やや線が細いという印象もありましたが、期待の男性ヴァイオリニスト登場を喜びましょう。
今回の演奏では、ハチャトゥリアン自身のものではなく、オイストラフのカデンツァが演奏されたのが興味を惹きました。

シュトラウスとコダーイ。おとぎ話繋がりですが、これはもうマエストロの練達な指揮、気心の知れたオーケストラで会場も大いに湧いていました。特にコダーイではソロを担当したメンバーにも盛んに声が掛かります。

歓声に応えて、アンコールはベルリオーズのラコッツィ行進曲。ハンガリー繋がりですね。
折り目正しい、と言いましたが、秋山氏も東響も特別なサプライズはありません。それがこのコンビの魅力なのでしょうね。定期会員はこれを楽しみにして来られる方が多く、名曲の穏やかな演奏に満足していくのです。
私が定期会員にならない理由は実はその辺にあるので、今回も妙に納得し、大いに満足してホールを後にしたのでした。

 

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