一晩でプロコフィエフを全部!!

昨日は名古屋に出掛けていたためプロムス中継はお休み。今日から改めて続きを始めます。これからも留守にする予定があるので連鎖的に遅れていくことになりますが、プロムス中継は去年から1か月間視聴可能なので、余り気にせずに順序を追って行くことにしました。

と言うことで今回は7月28日に開催された大変珍しいコンサートです。以下のもの。

7月28日 ≪Prom 14≫
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第1番
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番
     ~休憩~
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番
     ~休憩~
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第4番
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第5番
 ロンドン交響楽団
 指揮/ヴァレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev
 ピアノ/ダニイール・トリフォノフ Daniil Triffonov 、セルゲイ・ババヤン Sergei Babayan 、アレクセイ・ヴォロディン Alexei Volodin

今年はピアノ協奏曲が集中的に取り上げられていますが、ベートーヴェン5曲の余韻が覚めない内にプロコフィエフの5曲。モーツァルトを別にすれば、ピアノ協奏曲を5曲以上作曲したのはベートーヴェンとプロコフィエフ、あと高名な作曲家ではサン=サーンスくらいのものでしょう。
今回はプロコフィエフの5曲を、二度の休憩を挟んで全部聴いちゃおうと言う企画で、前代未聞。一人のピアニストではなく、3人で弾き分けるのも聴き比べになります。但し伴奏はゲルギーとロンドン響が全曲を担当。

その弾き分けは、1番と3番がトリフォノフ、2番と5番はトリフォノフの先生(クリーブランド音楽院での)に当たるババヤン、残る左手協奏曲でもある第4をヴォロディンという布陣。
トリフォノフは2011年、第14回チャイコフスキー・コンクールの優勝者で、去年秋に来日したイケメンです。聴いた方も多いでしょう。ヴォロディンも何度か来日していて、日本ではすっかりお馴染み。

プロコフィエフでは何と言っても第3が断トツで有名、私も何度もナマを聴いてきましたから、特別な発見はありません。次いでは2番が良く取り上げられ、私も少なくとも二度は聴いた覚えがあります。
1番も時々プログラムに登りますが、滅多に演奏されないのが4番と5番。私はナマで聴いた記憶がありません。あったとしても全く記憶に残っていない2曲。ということもあって、今回の中継では4番と5番が圧倒的に面白く聴きました。これからはもっと真面目に接したい作品ですね。

実はプロムスでも4番と5番は初登場だそうで、共にプロムス初演。4番は有名なヴィットゲンシュタインのために書かれましたが、難しかったのか献呈者は演奏できなかった曰く付の協奏曲。今年のプロムスではラヴェルの左手も取り上げられますが、ヴィットゲンシュタインの初演(CD化されてます)は酷い演奏でした。
また5番はプロコフィエフ自身のソロ、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルで初演された作品で、録音が残されていないのが真に残念。フルトヴェングラーはこの曲をチャンと振れたんでしょうか。
今回の5番も、第5楽章でピアノが出を間違えて混乱する場面も(練習番号85から89まで)。やっぱり難曲には違いないんでしょう。ソリストとゲルギーは何とか取り繕い(言葉は悪いけれど)、最後は盛大に喝采を浴びていました。

ところでベートーヴェンの5曲は全て3楽章制ですが、プロコフィエフで伝統的な3楽章作品は3番だけ。1番は単一楽章ですし、2番と4番は4楽章。5番に至っては5楽章もあり、プロコフィエフはこの面でもベートーヴェンを意識したのかも。

 

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