ゲルギエフのロシア・バレエ・シリーズ

8月22日のプロムスは、ゲルギーとロンドン響によるロシア・バレエ全曲でした。

≪Prom 52≫
プロコフィエフ/バレエ「シンデレラ」全曲
 管弦楽/ロンドン交響楽団
 指揮/ワレリー・ゲルギエフ

ゲルギエフもプロムスの常連ですが、ここ何年かはロシア・バレエの全曲を紹介するシリーズに取り組んでいるようです。去年は私も実際にアルバート・ホールで「白鳥の湖」を聴くことが出来ました。
2008年には「眠りの森の美女」で、今回のプロコフィエフが3作目だと思います。本当にシリーズなのか、この先も続くのかは不明。
「白鳥の湖」はマリインスキー版を使用し、オケもマリインスキーから客演してきましたが、今回は首席指揮者を務めているロンドン響との共演。「シンデレラ」全曲はプロムス初登場だそうです。

第1幕と第2幕が続けて演奏され、20分の休憩を挟んで第3幕が演奏されました。シンデレラの全曲演奏は日本でも珍しいはず。後にプロコフィエフ自身が組曲を3種類作っていますが、前曲と組曲はかなり違います。日本でも全音から組曲のスコアが出ていますが、参考になるのは極く一部でした。
第1幕は有名なワルツで閉じられ、ここで一旦拍手が起きます。第2幕は「三つのオレンジへの恋」の有名なマーチも顔を出し、真夜中12時の鐘の描写で幕を閉じます。

休憩時間にゲルギーへのインタヴューが流れていましたが、プロコフィエフはメロディーが豊かで、モーツァルトに匹敵する作曲家と紹介していたのが面白かったですね。これって、日本フィルのマエストロ・サロンで力説していたラザレフの意見と全く同じでしょ。
ゲルギエフの指揮も分厚いオーケストレーションを強調するのとは正反対で、繊細な響きを大切にしたもの。これはナマで聴いたチャイコフスキーとも共通していましたっけ。

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