お正月に見た音楽番組(4)

ロス・アンジェルス・フィル定期演奏会

 

6日朝のハイビジョンでは、何故かロス・アンジェルス・フィルの定期演奏会を放映していました。2006年10月のもの、指揮はエサ・ペッカ・サロネン。かのイケメン氏ですな。まだまだ若い!!
最後には製作者の名前としてNHKしか出てきませんでしたから、わざわざロスまで出張したんでしょうか。当然再放送なんでしょうねぇ。

曲目は二つ。ハイドンの第82番交響曲「熊」とムソルグスキー=ラヴェルの「展覧会の絵」。実際のコンサートではこの間に何か演奏されたはずで、協奏曲があったのか、現代作品が取り上げられていたのか。
並びは典型的な対抗配置です。コントラバスが第1ヴァイオリンの後に並んでいます。ハイドンでは12型という小編成ながら、古楽やその奏法とは無縁。アメリカの大オーケストラでは古楽スタイルは無視されているようですね。
サロネンはどちらも楽譜をシッカリ見て指揮しています。暗譜主義者じゃないみたい。

このホール、ウォルト・ディズニー・コンサートホールというそうですが、物凄く良く響きます。ハイドンでも編成が小さい割には豊かに鳴っていましたが、展覧会で大太鼓が出てくると部屋が振動したほど。現地でナマで聴けば圧倒されるんでしょうね。
後半の始まる前、客席で大きなクシャミを数発放った人がいて、笑いが起こり、遂には拍手が沸いていました。ほぼ同時に登場したサロネン、コンマスに“何があったの?” という感じで話しかけ、事情を知ってニコニコしています。この辺はいかにもアメリカですね。
終わってからもそう。ベルリンではサッカーの応援みたいでしたが、ロスはまるでフットボールの声援。指笛は鳴るは、大喝采は起きるは・・・。

正直言って、この程度のアンサンブルでこうも客席が沸くのは不思議な感じがします。レヴェルは東京の水準よりやや下。それでも大声援を送るアメリカの聴衆は羨ましいです。
真似をしろ、というのではありませんが、我々ももっと地元を声援すべきでしょ。演奏家も励みになるし、現在の捩れた「舶来崇拝」は解消されるのじゃないかな。

 

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