お正月に見た音楽番組(3)

大阪センチュリー交響楽団・12月定期

 

5日の日に、珍しくBSフジでクラシック音楽番組が放送されました。大阪センチュリー交響楽団の12月定期がそっくり全部。チェロに趙静を迎えドヴォルザークのチェロ協奏曲と、メンデルスゾーンの「宗教改革」交響曲です。指揮は来シーズンからこのオケの首席客演指揮者に就任する予定の沼尻竜典。

この秋に関西の各オーケストラの来期プログラムが発表されてから、ミクシィの日記でも、「これからは関西の時代だッ!!」 と言い続けてきました。東京のオーケストラのほとんどは、外国人指揮者をトップに据えて脇を日本人指揮者が固め、プログラムは一部を除いてほぼ名曲路線。集客競争の弊害かもしれませんね。
それに対し関西は、ほとんどのオーケストラが日本人指揮者、それも働き盛りのバリバリを監督に据え、実に意欲的なプログラムで競い合っています。どうやら大阪財界人の“大阪にはオーケストラは一つで充分、皆合併してしまえ”という発言が切っ掛けだったようで、関西各団体が一致協力して独自色を出そうと意欲的になってきているのだそうですね。

関西と言っても大阪だけに限ったことではなく、京都、滋賀、兵庫、名古屋も含め、お互いライヴァルと認め合っている俊英が並んでいます。今日、10日には京都市響の年間予定が発表されました。新監督・広上淳一は初年度ということもあって2回しか登場しませんが、年末の第9と2009年春の東京公演を指揮します。

その他の人選は「広上色」が強くなっている、ということで、私としても期待しているマエストロがズラリ名前を揃えていますね。前監督・大友直人、元監督・井上道義は別格としても、高関健、沼尻竜典、下野達也、尾高忠明と。私としては沼尻のショスタコーヴィチ第8(8月)とか下野のベートーヴェン第5(11月)なんか食指が動きます。

 

ということで前置きが長くなりましたが、その関西のオケの一つ、大阪センチュリーの演奏会が放送されるのも、この流れを象徴しているように思えてなりません。この定期でも、誤魔化しの一切ない、真摯なドヴォルザークとメンデルスゾーンでザ・シンフォニーホールを沸かせていました。楽員の表情が実に生き生きしていたのが印象的です。

このオーケストラはコントラバスが2プルトしかないらしく、やや低音に物足りなさは感じられましたが、レヴェルの高いオーケストラですね。関西活性化によってオーケストラの規模も拡大し、更に意欲的なプログラムに挑戦していかれることを願います。
番組ではリハーサルの一部が紹介されたり、沼尻氏へのインタヴューも含まれていました。その中でマエストロは、びわ湖ホールでの「バラの騎士」にも言及。このオペラを日本人だけで演奏する機会はまだまだ少ないけれど、大阪センチュリーは2003年にも演奏、今回が二度目になるそうですね。
更にセンチュリーでの定期では、びわ湖ホールのプロ合唱団とのコラボレーションも実現、メシアンとモーツァルトというプログラムも紹介されていました。

 

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