アンジェのアンドレ・バボアン賞

フランスのG戦カレンダー、毎年10月の中旬になるとアンドレ・バボアン賞 Prix Andre Baboin (GⅢ、3歳上、2000メートル)というレースが目に入ってきます。いわゆる中央場所の重賞ではなく、別名プロヴァンス大賞典 Grand Prix des Provinces とも称され、地方競馬の凱旋門賞とでも表現したら良いのでしょうか。
このG戦はボルドー、リヨン、マルセイユの三つの競馬場が持ち回りで開催するのが原則。一度だけトゥールーズ競馬場で開催された年(2001年)もあるりましたが、今年は10月12日の月曜日に初めてアンジェ Angers 競馬場で開催されました。
恐らく当競馬ブログでも初めて取り上げるこの競馬場は、パリの南西部に位置するメーヌ・エ・ロワール県の県庁所在地アンジェにある由。アンジェについて、より詳しいことはウィキペディアにお願いしちゃいましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7

ということで今年のアンドレ・バボアン賞は good to soft の馬場に9頭立て。前走ボルドーのリステッド戦に勝った3歳馬のエリザ Helisa が5対2の1番人気に支持されていました。
レースは4番人気(68対10)で2年前にはミュゲ賞(GⅡ)に勝ったこともある8歳馬のドン・ボスコ Don Bosco が逃げましたが、これを2番手の内でマークしていた5番人気(7対1)のビューティフル・ヒロイン Beautiful Heroine が残り1ハロンで捉えると、中団から伸びたブービー人気(10対1)のファイヴ・フィフティーン Five Fifteen に4不戦の3馬身差を付けて優勝。ドン・ボスコが短頭差で3着に粘りました。人気のエリザはスタートで出遅れ、中団のまま8着惨敗に終わっています。

もちろんこれがG戦初勝利となるビューティフル・ヒロインは、フランシス・グラファール厩舎、ピエール=シャルル・ブードー騎乗の4歳牝馬。3歳時は6戦2勝2着2回3着1回と、入着を逃したのは唯一度だけ。その1回がシーズン終戦のフィーユ・ド・レール賞(GⅢ、トゥールーズ競馬場)での4着で、これがG戦初体験でした。
今期はこれが4戦目。初めての中央場所となったサン=クルーの条件戦で4着、続くシャンティーのリステッド戦では8着と大敗しましたが、前走ル・マン競馬場のル・マン大賞典に勝っての連勝。地方競馬の凱旋門賞を勝つ資格は充分だったと言えるかもしれません。シャンティー以降の3戦は、全てブードー騎手とのコンビです。

 

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