南米産馬、悲願のG制覇

昨日の火曜日、フランスの平場シーズン最後となるG戦、フィーユ・ド・レール賞 Prix Fille de l’Air (GⅢ、3歳上牝、2100メートル)が行われました。フランスのローカル競馬となるトゥールーズ競馬場、馬場は good to soft 。
ヨーロッパの主要競馬国ではフランスが最も遅くまでシーズンが続きますから、このレースが当ヨーロッパ競馬日記の最終号でもあります。

8頭が出走、G戦に勝ったことのある馬はダクシャ Daksha 1頭(4月のアレ・フランス賞 GⅢ)のみということで、この馬だけがペナルティーを背負っていました。21対10の1番人気に支持されたのは、主にローカル競馬を舞台にして来た3歳馬で、3着以下になったことがない堅実なビーティフル・ヒロイン Beautiful Heroine 、前走もここトゥールーズのリステッド戦に勝っての参戦です。
レースは5番人気(43対5)のプテートル Peut Etre が逃げ、ダクシャは2番手の外を追走。しかし負担重量が堪えたのか直線では伸びず、替って追い上げたのは同じく2番手の内で機を窺っていた3番人気(4対1)のガガ・エー Gaga A の方。粘るプテートルを半馬身捉えての優勝です。2馬身差の3着には中団5番手から追い込んだ2番人気(39対10)のハーティリー Heartily が入り、ダクシャは7着敗退。

デヴィッド・スマガ厩舎、アレクシス・バデル騎乗のガガ・エーは、去年のフロール賞(GⅢ)で2着した時に詳しく紹介(10月30日の日記)したように、南米出身の5歳芦毛馬。ブラジル・オークスで2着した実績があり、南米で培われてきた牝系にアメリカの芝長距離戦(サン・ファン・カピストラーノ・ハンデ)を2連覇した父(ティー・エイチ・アプルーヴァル T.H.Approval)を配合したウルグァイ産という血統です。
今年の夏にクレールフォンテーヌのリステッド戦で欧州初勝利を挙げた後もG戦に挑戦し続け、ジャン・ロマネ賞(GⅠ)9着、クープ・ド・メゾン=ラフィット(GⅢ)6着、リヨンのアンドレ・バボアン賞(GⅢ)は3着、そして今年も参戦したフロール賞では5着と結果が出ずに来ていました。シーズン最後のG戦を制し、念願のタイトルを獲得したことになります。

 

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