ミンコウスキのパリ・プログラム

プロム6のゴスペルはパス、ネット中継で20日の水曜日に行われたBBC交響楽団の演奏会を聴きました。

7月20日 ≪Prom 7≫
フォーレ/シャイロック
ストラヴィンスキー/「プルチネラ」組曲
     ~休憩~
プーランク/スターバト・マーテル
 BBC交響楽団 BBC Symphony Orchestra
 指揮/マルク・ミンコウスキ Marc Minkowski
 ソプラノ/ジュリー・フックス Julie Fuchs
 テノール/ジュリアン・ベール Julien Behr
 合唱/BBCシンガース BBC Singers

この回はパリ生まれの指揮者ミンコウスキの指揮でフランス作品、パリに縁の音楽が3曲取り上げられています。ミンコウスキの人気はロンドンでも抜群、未だ何もしないのに登場しただけでブラヴォ~が掛かる盛況ぶりでした。
最初はプロムス今年のテーマ、シェークスピア繋がりの作品。「ヴェニスの商人」を題材にした劇付随作品で、1889年にパリで初演されました。
6曲を組曲に編んだ版が演奏されましたが、出版されているスコアとは曲順を入れ替え、最初にファンファーレで始まる第2曲「間奏曲」で始め、続いてテノール・ソロが歌う第1曲「シャンソン」。次も第4曲「祝婚歌」に飛び、第3曲「マドリガル」で再びテノールのソロ。後は第5曲「ノクチュルヌ」、第6曲「フィナーレ」と続けて全曲終了。

前半の2曲目はストラヴィンスキーがバレエ・リュスのために書いたバレエで、1920年にパリ・オペラ座でバレエ・リュス公演で初演されたもの。
声楽を伴う全曲ではなく、純粋器楽のみによる組曲が演奏されましたが、楽員は起立して演奏。題材となったペルゴレージ時代の慣習に従った、とコメンテイターが紹介していました。

最後は、プーランクが友人で画家のクリスチャン・ベラールの死を悼んで作曲されたソプラノのソロを伴う宗教作品。1951年にストラスブール音楽祭で初演されました。
全部で12の楽章で構成されていますが、11ある楽章間のパウゼがいくつかに分類できるのが特徴。即ち「短い沈黙の後アタッカで続ける」、「とても短い沈黙」、「短い沈黙」、「アタッカでそのまま続ける」、「長い沈黙」という具合。
この辺りの機微はCDなどで聴いていても判らない所で、ナマ演奏で体感するか、今回の様に演奏会の中継音声で味わうしかないでしょう。尤もミンコウスキがこれらの指定を厳格に守ったか、と言われれば必ずも明確では無かったかも。それでもプロムスの聴衆は大喝采を浴びせていました。

 

 

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