フランスに新たなGⅢ戦

9月下旬のヨーロッパ競馬の見どころと言えば、木曜日から始まるニューマーケット競馬場の9月開催ですが、その前にフランスから。

昨日、9月21日にはメゾン=ラフィット競馬場でG戦が2鞍行われています。馬場は good to soft 。先ず紹介するのは、ベルトラン・ド・タラゴン賞 Prix Bertrand de Tarragon (GⅢ、3歳上牝、1800メートル)。余程の海外競馬通でも耳にしたことのないレース名と思われますが、実は今年まではリステッド戦だったものが、からGⅢに格上げされた一戦です。
未だペディグリー・オン・ラインのサイトでもレース史が登録されておらず、創設年も過去の勝馬も判りません。G戦としては今年が第1回となりますが、12頭の出走馬の中に、去年の勝馬ペルソナ・グラータ Persona Grata が含まれていました。しかしこの5歳馬は19対1の8番人気でしかありませんでしたから、G戦に格上げされたことで参加馬のレヴェルが上がったのは確かでしょう。
12対5で1番人気に支持されたのは、3歳馬のシャルトルーズ Chartreuse 。ここ2戦クロエ賞(GⅢ)、ドーヴィルのリューレー賞(GⅢ)と何れもGⅢ戦で2着している顕実味が評価されていました。

10番人気(25対1)の3歳馬ダブル・ドリーム Double Dream が逃げましたが、2ハロン地点からは2番人気(3対1)で去年の仏1000ギニー2着馬アイリッシュ・ルーキー Irish Rookie と、前走ジャン・ロマネ賞(GⅠ)に挑戦(8着)した3番人気(39対10)のサヤナ Sayana が替わって逃げ争い。これを見るように先行していた6番人気(145対10)のエイム・トゥー・プリーズ Aim To Please が抜けて前2頭を捉えると、サヤナに1馬身半差を付ける快勝でした。半馬身差でアイリッシュ・ルーキーが3着に入り、シャルトルーズは中団のまま伸びず5着まで。連覇を狙ったペルソナ・グラータは4着と人気以上の走りで健闘しています。
勝ったエイム・トゥー・プリーズも今年の仏1000ギニーに出走して10着となった3歳馬で、フランソワ・ドゥーメン厩舎、ジェラール・モッセ騎乗。ギニーのあとはサンドリンガム賞(GⅡ)3着、本命馬が2着だったリューレー賞でも1馬身差の3着しており、6番人気は評価が低過ぎたと師え言えそうです。

続いては2歳馬の短距離戦、エクリプス賞 Prix Eclipse (GⅢ、2歳、1200メートル)。このレースは通常シャンティー競馬場で施行されてきましたが、今年は何故かこの時期にメゾン=ラフィット。ロンシャンの改築に伴うスケジュール変更とは無関係のようです。いずれにしても来年のクラシックというより将来のスプリンター探しの一戦と言えるでしょう。
出走馬は7頭。ロベール・パパン賞(GⅡ)2着、モルニー賞(GⅠ)4着と2戦路線の最前線を戦ってきたアル・ジョーラー Al Johrah が4対5の断然1番人気。

先ず飛び出したのは、ボア賞(GⅢ)勝馬ながらその後の2戦で凡走し6番人気(16対1)と評価を下げたコサチョープ Cosachope 。しかし直ぐに人気のアル・ジョーラーと2番人気(47対10)のファス Fas が加わる逃げ争いとなり、更に先行から迫る5番人気(14対1)のキング・オブ・スペーズ King of Spades 、中団から伸びる3番人気(49対10)のサン・エキヴォーク Sans Equivoque も加わって大混戦。3頭が横一線の写真判定は、サン・エキヴォーク1着、頭差でキング・オブ・スペーズ2着、更に頭差でファスとなりました。アル・ジョーラーは勝馬からは1馬身チョッとの5着に終わっています。
ディディエ・ギルマン Didier Guillemin 厩舎、ティエリー・ジャルネ騎乗のサン・エキヴォークは、芦毛の牝馬。ボルドーで2戦1勝し、ボア賞が3着。続く前走ドーヴィルのリステッド戦(ヴァレー・ドーグ賞)に勝って6戦3勝となります。前走までは全て1000メートル戦でしたが、初の1200メートルでG戦初勝利。それでもスプリント路線を歩むと思われます。
ところでエクリプス賞、これで3年連続で牝馬が制したことになりますが、勝馬もその父も、頭文字が「S」で始まる馬の3連覇という隠れジンクスが生まれたことにもなりました。

 

 

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