ハーザンドのダービー・ダブル
昨日はイギリスよりもアイルランドが気になるでしょう。もちろん競馬の話。カラー競馬場では先に枠順を紹介したアイルランド・ダービーを含めて2鞍のG戦が行われましたが、先ず後で行われたダービーからレポートしましょう。
レース前の経緯は既に紹介したように、今年のアイリッシュ・ダービー Irish Derby (GⅠ、3歳牡牝、1マイル4ハロン)は good to yielding の馬場に9頭立て。残念ながらダービー2着のユーエス・アーミー・レンジャー Us Army Ranger が欠場しましたが、エプサムの勝馬と3着馬が参戦。人気、実力とも2強の様相を呈していました。
もちろんダービー馬ハーザンド Harzand が4対6の断然1番人気で、逆転を期す3着のアイダホ Idaho がライアン・ムーアを迎えて11対4の2番人気。
ウェルド師はこのレースのためにエベディーン Ebediyin (最低人気、50対1)をペースメーカーとして用い、スタート・ダッシュが良かったオブライエン厩舎のペースメーカー役ショーグン Shogun (6番人気、33対1)を1ハロン地点で交わして先頭に立ち、強いペースを作ります。
3番手を進んだハーザンドが抜け、これを4番手でマークしたアイダホが追って期待通りのマッチレース。2頭とも全力を出し切りましたが、110%で臨んだというハーザンドが、アイダホを半馬身抑えて二冠達成です。3馬身4分の3差で6番手から伸びた無欲の6番人気(33対1)ステラー・マス Stellar Mass が3着。
追加登録料を支払って英国から唯1頭挑戦した3番人気(10対1)レッド・ヴァードン Red Verdon が4着に入り、5番人気(14対1)のポート・ダグラス Port Douglas が5着。
もちろんエプサムと同じパット・スマーレン騎乗のハーザンドは、デルモット・ウェルド調教師にとっては3度目の愛ダービー。エプサムとカラーのダービーを連覇したのは、ハーザンドが史上18頭目となります。
今年の3歳牡馬の頂点に立ったハーザンド、キングジョージには5対1、凱旋門賞には6対1のオッズが出されました。どちらも現在の2番人気で、本命は共にポストポーンド Postponed 。去年のキングジョージ馬ポストポーンドは連覇にイーヴン、凱旋門は5対1で、早ければ来月下旬に行われるキングジョージで2頭の対決が見られるかもしれません。
もちろんアイダホとの着差から逆算すれば、今回は欠場したユーエス・アーミー・レンジャーも差は無い筈。3強揃い踏みが見られることを期待しましょう。
さてカラー競馬場のもう一鞍は、アイルランドではシーズン最初の2歳G戦となるレイルウェイ・ステークス Railway S (GⅡ、2歳、6ハロン)。1頭が取り消して8頭立てとなり、ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)で4着したオブライエン厩舎のピース・エンヴォイ Peace Envoy と、前走ヘイドックの新馬勝ちが目立ったドリーム・オブ・ドリームズ Dream Of Dreams が7対4で並ぶジョイント1番人気。
ジョイント3番人気(6対1)のキング・エレクトリック King Electric が逃げ、スタンド側を4番手で追走していたピース・エンヴォイが抜け出した時には同馬の楽勝かと思われましたが、鞍上ムーアが追い出しに掛かると馬場の中央に向かって寄れ、ここに5銀手で真ん中を真っ直ぐに追走していた逃げ馬と同じ厩舎、同じオッズ(6対1)のメディシン・ジャック Medicine Jack が並び掛け、最後はピース・エンヴォイに半馬身差を付けて優勝。更に1馬身半差で3番手を進んでいたドリーム・オブ・ドリームズは3着でした。
勝ったメディシン・ジャックはゲール・ライオンズ厩舎、コーリン・キーン騎乗。レパーズタウンの6ハロンでデビューして3着し、イギリスのヘイドックに遠征して6着。ライオンズ師はこれが判断誤りだったと反省し、3戦目のネイヴァンで5ハロン戦で初勝利。今回初めてのトップクラス挑戦で見事GⅡ戦を射止めました。
来年の2000ギニーに33対1のオッズも提示されています。
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