プロムス@ドバイ

アラブ首長国連邦のドバイと言えば何を連想しますか?

私など真っ先に頭に浮かぶのは競馬。先週の土曜日もドバイ・ワールド・カップをメインとする国際レースの祭典が行われたばかりで、当ブログではほとんど触れませんでしたが、スポーツ界では世界的に大きな話題になっていました。
ところで小生のもう一つの関心事がクラシック音楽で、今年は競馬に合わせるように大きなイヴェントが開催されています。それが、首題のプロムス@ドバイ。

プロムスと言えばBBC主催の英国夏の音楽祭ですが、今年はドバイでも一夜だけですが、プロムスが行われました。もちろんプロムスの海外公演は史上初のことで、競馬の祭典の前々日、これを盛り上げるように3月23日の夜、去年9月にオープンしたばかりのドバイ・オペラ・ハウスが開場です。
今年1年だけの特別な企画なのか、これから毎年開催されていくのかは知りませんが、その音源が英国時間3月27日からBBC3のクラシック・チャンネルで配信されています。本場プロムス同様、放送開始から30日間は何時でも視聴可能ですから、興味ある方はチャンネルを合わせてみては如何?

http://www.bbc.co.uk/programmes/b08k4xkd

私も早速聴いてみましたが、こんなプログラムです。

ヨハンナ・マーシュ Joanna Marsh /フレア Flare (世界初演)
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
     ~休憩~
メンデルスゾーン/序曲「静かな海と楽しき航海」
エルガー/エニグマ変奏曲
 BBC交響楽団 BBC Symphony Orchestra
 指揮/エドワード・ガードナー Edward Gardner
 ピアノ/ベンジャミン・グロヴナー Benjamin Grosvenor

ドバイ・オペラ・ハウスは、世界一高いビルで知られるブルジュ・ハリファの隣に建設され、船首を模したデザインが特徴的。BBCの番組ホームページに掲載された写真を見ると、どうやら1階平土間は客席を取り払い、アルバート・ホールと同じように立席で鑑賞するスタイルのようですね。
この日はBBCのコメンテイター、ペトロック・トレローニー氏の司会でプログラムが進行していました。

冒頭に演奏されたヨハンナ・マーシュは、ドバイ在住の英国人女流作曲家。その5分半ほどの新作が世界初演されました。作曲家のホームページはこちら↓

http://www.joannamarsh.co.uk/

2曲目からはオーケストラ・レパートリーの定番。劇的に改善されたパソコン音楽環境で、スコアを見ながら楽しみました。

モーツァルトの二短調ピアノ協奏曲、カデンツァは第1楽章、第3楽章共にベートーヴェン版を演奏。各楽章の間に盛大な拍手が起きるのは、英国と同じスタイル。日本では有り得ません。
グロヴナーはアンコールを2曲披露。最初はモシュコフスキーのエチュード変イ長調作品72-11、続いてニコライ・カスプーチンのトッカータ第3番作品40。どちらもアンコールとしては珍しい作品で、特にカスプーチンは大受けに受けてました。

休憩が入り後半。メンデルスゾーンとエルガーにはテーマ的に繋がりがあるのは、プロムス常連には周知の事実でしょう。トレローニー氏が、“エニグマ変奏曲がプロムスで演奏されるのは、今回が100回目です”という所で大きな拍手。
もちろんオーケストラもアンコールを準備しており、ムソルグスキーの歌劇「ソロチンスクの市」からホパックが取り上げられました。

ところで今年のプロムスは123年目のシーズン、詳しいプログラムは4月20日に発表されます。

 

 

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