プロムス・ダブルヘッダー

8月17日、土曜日のプロムスはマチネーと夜、オーケストラの2公演が行われました。所謂ダブルヘッダーはプロムスではよくありますが、オケで2公演というのは余り例が無いように思います。
最初は午後3時開演のバーミンガム市響、首席指揮者ネルソンスで以下のもの。

≪Prom 46≫
ドヴォルザーク/交響曲第8番
     ~休憩~
ヴェルディ/歌劇「オテロ」柳の歌、アヴェ・マリア
チャイコフスキー/歌劇「エフゲニ・オネーギン」ポロネーズ、手紙のアリア
ヨハン・シュトラウス/皇帝円舞曲
ヨハン・シュトラウス/ポルカ「雷鳴と電光」
 バーミンガム市交響楽団
 指揮/アンドリス・ネルソンス
 クリスチーネ・オパライス(ソプラノ)

この回は何故か後半しか聴くことが出来ません。何か不都合でも生じたのでしょうか。BBCではプロムスの音源は全ての音符を放送すると宣伝していますが、看板に偽りありですね。
尤も聴けないのはドヴォルザークの8番ですから、聴かずとも一向に構いません。何とも名曲ばかりズラリと並べた会で、ミューザ川崎のサマーフェスタに良くあるプログラムみたい。

で、後半ですが、ネルソンスは小澤の代役でウィーン・フィルの日本公演を振った由。既にナマ演奏を聴かれた方も多いでしょう。私は同じコンビを去年のプロムスでショスタコーヴィチ、メットのトゥランドットなどで接していましたが、余り印象には残っていません。
ラトビア生まれで、来年からボストン響の音楽監督に就任するそうな。同オケの監督には史上最年少(36歳)での抜擢だそうですから、余程才能があるのでしょう。

またソプラノ歌手のオパライスという美人(写真で見ると)はネルソンス夫人だそうです。女性歌手と旦那の指揮者による共演は、サザーランド、グルベローヴァ、マティス、コジェナーなど何例か聴いた覚えがあります。日本人でもあったような記憶がありますが誰だっけ…。
どうもこの逆、男性歌手を夫人の指揮者が伴奏するというのは聴いたことがありません。私が知らないだけかな。
オパライスはロイヤル・オペラで蝶々夫人を歌い、メットでマノン・レスコーなどが予定されているそうですから、夫婦で大活躍となりそう。

特に感想などはありませんが、シュトラウスを聴く限りではネルソンスという人は表情がコッテリ系で、ともすると音楽の流れが阻害される傾向にあります。私の好みではなさそう。

続いては夜7時半から開始されたエイジ・オブ・エンライトンメント管弦楽団の演奏会、女性指揮者オルソップ登場で、こちらも散々聴いてきた名曲が並びます。

≪Prom 47≫
ブラームス/悲劇的序曲
シューマン/交響曲第4番
     ~休憩~
ブラームス/ドイツ・レクイエム
 エイジ・オブ・エンライトンメント管弦楽団
 指揮/マリン・オルソップ
 エイジ・オブ・エンライトンメント合唱団
 レーチェル・ハーニッシュ(ソプラノ)
 ヘンク・ネヴェン(バリトン)

ピリオド楽器のオケですが、それらしくは聴こえません。
オルソップは読売日響きーに客演した時に聴きましたが、評判ほどには感心しなかった記憶があります。今回も印象はほぼ同じで、何となくシックリ来ませんね。全体に肩の力が入り過ぎているような感じ。

シューマンは初稿ではなく、通常演奏される改訂版。繰り返しは全て実行していました。

ブラームスのバリトン・ソロは、往年のディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウそっくりの声質と歌い回し。
私は古楽器系は好みじゃありませんが、それにしてもこの団体は技術的にも今一つ物足りない印象。終演後の客席の熱狂は凄まじいものでしたから、実際にナマで聴けばまた感想は違ってくるのかも。

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