ケンタッキー・ダービーへの道(２)
続いて４月１日に行われたルイジアナ州フェア・グラウンズ競馬場の４鞍。
第８レースのニュー・オーリーンズ・ハンデキャップ New Orleans H (ＧⅡ、４歳上、９ハロン)は、fast の馬場に１頭が取り消して９頭立て。一昨年のスティーヴン・フォスター・ハンデ(ＧⅠ)の覇者ノーブル・バード Noble Bird が、前走ペガサス・ワールド・カップは６着ながらイーヴンの１番人気。
レースは２番人気(４対１)のブレイキング・ラッキー Breaking Lucky の逃げで始まり、ノーブル・バードは４番手から。しかし前半は５番手で待機した５番人気(８対１)のオノラブル・デューティー Honorable Duty が徐々に順位を上げ、逃げ粘るブレイキング・ラッキーを首差捉えて優勝。２番手を追走した６番人気(９対１)のアイアン・フィスト iron Fist が５馬身差の３着に残り、ノーブル・バードは精彩を欠く６着に沈んでしまいました。
ブレンダン・ウォルシュ厩舎、ジェームス・グレアム騎乗のオノラブル・デューティーは、去年去勢された５歳せん馬。前々走フェア・グラウンズの一般ステークス(テナシアス・ステークス)、前走同じフェア・グラウンズでマインシャフト・ハンデ(ＧⅢ)に勝ってステークス３連勝、Ｇ戦も２連勝としました。
第９レースのミュニッツ・メモリアル・ハンデキャップ Munitz Memorial H (芝ＧⅡ、４歳上、９ハロン)は、 good の芝コースに１１頭立て。アルゼンチン出身で前走タンパ・ベイ・ステークス(芝ＧⅢ)で２着惜敗のカサキー Kasaqui がイーヴンの１番人気。
最低人気(８７対１)のスカイ・フライト Sky Flight がレースを引っ張りましたが、６番手を進んだ４番人気(６対１)のエンタープライジング Enterprising が内からスルスルと足を伸ばし、後方２番手から猛追する本命カサキーを首差抑えての逆転劇。更に４番手から伸びた２番人気(３対１)のオスカー・ノミネイテッド Oscar Nominated がハナ差で３着に入る大接戦でした。
マイケル・メイカー厩舎、タイラー・ガッファリオーネ騎乗のエンタープライジングは、前走２月２５日にフェア・グラウンズ・ハンデ(芝ＧⅢ)を制しており、Ｇ戦２連勝。２０１４年にはラ・ホヤ・ハンデ(芝ＧⅢ)にも勝っており、３つ目のＧ戦タイトルとなった６歳せん馬です。
続く第１０レースが、ケンタッキー・オークスの１００ポイント対象となるフェア・グラウンズ・オークス Fair Grounds Oaks (ＧⅡ、３歳牝、８．５ハロン)。２頭の取り消しがあって６頭立てとなり、このレースのトライアルとなるレーチェル・アレクサンドラ・ステークス(ＧⅡ)の覇者ファレル Farrell が２対５の圧倒的１番人気。
３番人気(６対１)ダリアズ・エンジェル Daria’s Angel の逃げを３番手でマークしたファレル、ここは人気・実力通りに抜け出すと、４番手を追走した５番人気(１４対１)のウイッケド・リック Wicked Lick に３馬身４分の１差を付ける圧勝で貫録を見せ付けました。２番手を進んだ２番人気(３対１)のヴェクサシアス Vexatious がハナ差の３着。
ウェイン・カタラーノ厩舎、チャニング・ヒル騎乗のファレルは、去年をゴールデン・ロッド・ステークス(ＧⅡ)勝ちで締め括り、今期も１月のシルヴァーバレット・ステークスから３連勝で、通算でも４連勝。１００ポイント獲得も併せ、オークスの中心となる１頭となることは間違いなさそう。
最終１１レスが、愈々ルイジアナ・ダービー Louisiana Derby (ＧⅡ、３歳、９ハロン)。もちろんダービー１００ポイントのトライアル戦で、９頭立て。オークスと同様トライアルのリズン・スター・ステークス(ＧⅡ)を制したガーヴィン Girvin がイーヴンの１番人気に支持されています。
逃げたのは最低人気(９８対１)のホットフット Hotfoot でしたが、４番手で待機したガーヴィンが実力通りの走りを見せ、５番手追走の３番人気(４対１)パッチ Patch を１馬身４分の１差抑えて堂々人気に応えました。３番手追走から一旦は先頭に立った４番人気(４対１)のローカル・ヒーロー Local Hero が１馬身４分の３差で３着。
元マイケル・メイカー師のアシスタントを務めていたジョー・シャープ厩舎、ブライアン・ジョセフ・ヘルナンデス騎乗のガーヴィンは、これで４戦３勝。去年１２月にフェア・グラウンズでデビュー勝ちし、今期初戦の一般ステークスが２着。そして前走リズン・スターからＧ戦２連勝でケンタッキーに向かいます。これまでフェア・グラウンズ競馬場でしかレース経験が無いだけに、遠征競馬が課題と言えるかもしれません。
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