アンドレ・クリュイタンス指揮ニューヨーク・フィル
ニューヨーク・フィルのプログラム紹介。モントゥー、ミュンシュを取り上げたので、フランス系の指揮者をあと3人やりましょうか。1940年代半ばから60年代にかけて登場したマエストロたちです。
登場した年の古い順に、まずアンドレ・クリュイタンス。この人は1957年の11月に1度だけニューヨーク・フィルを振っています。
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1957年11月7・8日 カーネギーホール
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
ブラームス/交響曲第4番
オネゲル/交響曲第2番
ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲第2番
指揮/アンドレ・クリュイタンス
1957年11月9・10日 カーネギーホール
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
バッハ/ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調
バルトーク/ヴァイオリンと管弦楽のためのラプソディー第1番
ブラームス/交響曲第4番
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ヴァイオリン/ヨハンナ・マルツィ
1957年11月14・15日 カーネギーホール
ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
モーツァルト/交響曲第35番
オネゲル/ピアノ小協奏曲
フランク/交響的変奏曲
ムソルグスキー/歌劇「ホヴァンシチーナ」前奏曲
ドビュッシー/「選ばれた乙女」
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ピアノ/アルド・チッコリーニ
ソプラノ/ビドゥー・サヤオ
コントラルト/モーリーン・フォレスター
女声合唱/ウェストミンスター合唱団(指揮/ジョン・フィンレー・ウイリアムソン)
1957年11月16日 カーネギーホール
ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
モーツァルト/交響曲第35番
ボンドヴィル/抒情交響曲
ドビュッシー/「選ばれた乙女」
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ソプラノ/ビドゥー・サヤオ
コントラルト/モーリーン・フォレスター
女声合唱/ウェストミンスター合唱団(指揮/ジョン・フィンレー・ウイリアムソン)
1957年11月17日 カーネギーホール
ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
モーツァルト/交響曲第35番
オネゲル/ピアノ小協奏曲
フランク/交響的変奏曲
ドビュッシー/「選ばれた乙女」
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ピアノ/アルド・チッコリーニ
ソプラノ/ビドゥー・サヤオ
コントラルト/モーリーン・フォレスター
女声合唱/ウェストミンスター合唱団(指揮/ジョン・フィンレー・ウイリアムソン)
1957年11月21・22日 カーネギーホール
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」
ショパン/ピアノ協奏曲第2番
デュリュフレ/アンダンテとスケルツォ 作品8
デュティユー/交響曲(第1番)
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ピアノ/アンドレ・チャイコフスキー
1957年11月24日 カーネギーホール
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」
シャブリエ/ハバネラ
シャブリエ/歌劇「いやいやながらの王様」~祝祭ポロネーズ
デュリュフレ/アンダンテとスケルツォ 作品8(スケルツォのみ)
デュティユー/交響曲(第1番)
指揮/アンドレ・クリュイタンス
1957年11月28・29日 カーネギーホール
ビゼー/交響曲
シューマン/ピアノ協奏曲
ムソルグスキー=ラヴェル/組曲「展覧会の絵」
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ピアノ/ギオマール・ノヴァエス
1957年12月1日 カーネギーホール
ベートーヴェン/「エグモント」序曲
シューマン/ピアノ協奏曲
ムソルグスキー=ラヴェル/組曲「展覧会の絵」
指揮/アンドレ・クリュイタンス
ピアノ/ギオマール・ノヴァエス
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以上、大雑把に言えば4種類のプログラムですね。クリュイタンスだからと言ってドビュッシーやラヴェルに集中しているわけでもなく、モーツァルト、ベートーヴェンやワーグナーもあり、現代フランスの作品もありと、中々ヴァラエティに富んだプログラミングです。
ボンドヴィル Emmanuel Bondeville (1898-1987) はルーアンに生まれてパリで亡くなったフランスの作曲家。作曲家としてよりも歌劇場の監督として手腕を揮った人で、1937年から1945年はラディオディフュシオン・フランセ、1945-1949はモンテカルロ歌劇場、1949-1952がパリ・オペラ・コミック、1952年から1970年まではパリ・オペラ座と、夫々芸術監督や音楽監督の地位にあった人です。フランス音楽界のドンみたいな存在でしょうか。
作品には歌劇「ボヴァリー夫人」(1951)、抒情喜劇「亭主たちの学校」(1935)、舞踏交響曲(1965)、「アントニーとクレオパトラ」 (1974)などがあります。クリュイタンスがニューヨーク・フィルで取り上げた抒情交響曲は1957年の新作。これがアメリカ初演でした。
デュティユーの交響曲。記録ではただ「交響曲」となっていますが、デュティユーが第2交響曲を作曲するのは1959年のこと。従ってここでは「第1番」を括弧書きで記しておきました。
クリュイタンスとニューヨーク・フィルの演奏、私はチッコリーニとのオネゲルとフランクを放送で聴いた覚えがあります。何日の録音かは判りませんが、現在のFM東京がまだFM東海として実験放送を行っていた時代、ニューヨーク・フィルのライヴをオンエアする時間がありました。私はそれをオープンリールのテープにエアチェックし、その後も繰り返し聴いたものでした。もちろん現物は既にゴミ。これらの音源が残されていることは間違いないでしょう。
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