シャーガー・カップ
ヤフーのスポーツ・ニュースなどにも出ていますが、土曜日のシャーガー・カップに出場する騎手が決まったようですね。
何それ? という人がほとんどでしょうから、少し解説。と言っても、私もルールなんか良く知りません。多分こういうことやろ、ということで勘弁してちょうだいな。
ま、これは英国競馬の一種のお祭りイヴェントで、通常の平場競走のシステムから外れています。世界中から選ばれた騎手が地域に分かれてポイント制で競う、ということらしいですね。
地域は四つに分かれていて、①イギリス ②アイルランド ③ヨーロッパ ④その他 という何ともイギリス中心の大雑把な区分け。笑ってしまいますけど、そうなんです。で、四つの地区を代表する騎手が夫々3人づつ。
今年選ばれたのは、
①イギリス・チーム セブ・サンダース、ランフランコ・デットーリ、ハーレイ・ターナー
②アイルランド・チーム ジェイミー・スペンサー、ケヴィン・マニング、リチャード・ヒューズ
③ヨーロッパ・チーム ジェラール・モッセ(フランス)、ミルコ・デムーロ(イタリア)、ハリス・カラタス(トルコ)
④その他・チーム 武豊(日本)、ラッセル・ベイズ(北米)、ホルへ・リカルド(南米)
日本から武豊が参戦するので、日本のマスコミもニュースにしているだけのことです。武くんは日本代表じゃなく、その他地域代表。
武とコンビを組むアメリカ大陸の二人、二人ともこれまでに1万勝以上しているのだそうで、勝数が5桁というのは、世界でもこの二人だけだそうです。
もちろん「賭け」は地域別に行われていて、1番人気は7対4でアイルランドとヨーロッパが並び、地元イギリスは3対1、その他地域は7対1の最低人気になっています。右回りは経験がないとか、直線のレースは初めてという騎手もいますからね。
当日アスコットまで観戦に行きたい方、どうやら雨の予報で、傘を忘れないように、ということです。
それはそれとして、ザッと出場選手の顔ぶれを見ても判るとおり、必ずしも夫々の地域のトップ・クラスの騎手ばかりというわけでもありません。特にイギリスやアイルランドはその感が強いですね。
アスコット競馬場で行われるのですが、この日イギリスでは同時にヘイドック・パーク、ニューマーケット、レッドカーの3場でも競馬があります。いや、ヘイドックもニューマーケットもパターン・レースが組まれていますから、主力騎手はむしろそちらで乗ってます。もちろんデットーリやサンダースが騎手として格下、という意味じゃありませんよ。基本は招待ですからね。
全部で6レースあり、どれも10頭立てで、各騎手は5レースに騎乗する。騎乗回数は平等です。
出走する馬はもちろんイギリスの各厩舎から選ばれていますが、能力のランクは「クラス2」ということで統一されています。Aクラスの馬は出ませんが、それに順ずる程度の能力。それでも各馬に能力差がありますから、全てのレースがハンデ戦で、理論上は馬の能力は結果には反映しないことになりますな。あくまでも騎手の腕比べが建前でしょ。
出馬表を見ると、どのレースも12頭の名前が挙がっています。想像するに、直前に何らかの事情で取り消す馬が出た場合の予備として各レースに2頭づつの予備登録があるのだろうと思います。
次に6レースの内訳。
①ダッシュ・ハンデ(3歳上、5ハロン)
②ディスタッフ・フィリーズ・ハンデ(4歳上牝、7ハロン)
③スプリント・ハンデ(3歳、6ハロン)
④ステイヤーズ・ハンデ(4歳上、2マイル)
⑤チャレンジ・ハンデ(4歳上、1マイル4ハロン)
⑥マイル・ハンデ(4歳上、1マイル)
何とも味気ないレース名ですが、様々な距離でバラエティに富んでます。
どのレースもスポンサーの名前の後に「シャーガー・カップ」というタイトルが続き、各レースのレース名が記載されています。
第1レースなら、Barclays Shergar Cup Dash Handicap という具合。
「シャーガー」って何だ、という人もいるでしょう。Shergar は馬の名前で、1981年に英ダービーを10馬身差で圧勝した名馬です。ダービーの10馬身というのは未だ破られていない最大着差なんですね。
この馬の名前が冠されている理由はそれだけじゃなく、シャーガーは種馬になって2年目だったかに誘拐されたんですよ。オーナーに莫大な身代金が要求されたんですが、オーナーはこれに応じず、結局シャーガーは行方不明のままです。もちろん殺されたはずですが、遺体は見つかっていません。ですから未解決のはず。
「シャーガー・カップ」というのは、彼の思い出のために付けられた命名でしょう。
さて、
武豊は第5レースのチャレンジ・ハンデには騎乗しません。その他のレースで乗る馬は、
①ダッシュ → ストライク・アップ・ザ・バンド Strike Up The Band
②ディスタッフ・フィリーズ → ナンズ・ジョイ Nans Joy
③スプリント → サドン・インパクト Sudden Impact
④ステイヤーズ → マダウィン Mudawin
⑥マイル → ケイ・ジー・ビー Kay Gee Be
要するに、これは騎手のオリンピックでしょうね。五輪というよりは四輪でしょうか。正に時を同じくしてアジアの大国でも五輪運動会が行われるようですが、イギリスの馬競べ四輪大会が一般の人の関心を集めることは絶対にありません。
私は五輪運動会の方には全然興味がありませんので一切見ません。ですから馬版四輪大会の方は、結果が入ってくる日曜日の朝、この日記のコメントで簡単に報告する積りです。
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