土曜日の英国

昨日のヨーロッパ競馬の話題は恐らくアスコット競馬場の「シャーガー・カップ」でしょうか、あれは言わば余興のようなもの。全て条件戦ですから当ブログの範疇には入りません。
でも全く触れないのも何ですから最後にチラっと書くことにして、ここでは2場で行われたG戦2鞍から行きましょう。

時間的に早かったヘイドック・パーク競馬場のローズ・オブ・ランカスター・ステークス Rose of Lancaster S (GⅢ、3歳上、1マイル2ハロン95ヤード)。good の馬場に2頭が取り消して7頭立て。メンバー中唯1頭参戦の3歳馬で、ダービー7着、前走エクリプス・ステークスは5着とGⅠに連戦してきたトゥルー・ストーリー True Story が9対4の1番人気に支持されていました。

しかし結果は波乱。最も人気の無い(14対1)アムララー Amralah が逃げ切ってしまいました。1馬身4分の1差で2番人気(3対1)のヒルスター Hillstar が又しても2着(これで4戦連続2着!)に終わり、更に4分の3馬身差でトゥルー・ストーリーは辛うじて3着。
ミック・シャノン厩舎、ジョー・ファニング騎乗のアムララーは、確かこれがG戦初挑戦となる4歳馬。前走ニューバリーのリステッド戦をやはり16対1の人気薄で逃げ切っていました。2戦連続の逃げ切り勝ちで、次はある程度の人気を集めることになるでしょうが、陣営はアイリッシュ・チャンピオンを目指すとか。流石にGⅠ戦では人気になることは無いでしょう。

もう一鞍はニューマーケット競馬場のスイート・ソレラ・ステークス Sweet Solera S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)。こちらは雨のため soft 、所により good to soft と早くも秋の気配を感じさせる馬場となり、何と5頭が取り消しての7頭立て。これで専門家の予想も大幅に変わることになりました。
結局15対8で1番人気に上がったのは、1戦1勝、前走も同じような馬場で新馬勝ちしたゴドルフィンのウインターズ・ムーン Winters Moon でした。このレースは去年もそうであったように、ゴドルフィンの好成績が目立ちます。サンダウンのリステッド戦を含めて2戦2勝のアロンソア Alonsoa が2番人気(7対2)、前走ニューマーケットでダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ)に勝ったためペナルティー(5ポンド)を背負ったアラビアン・クィーン Arabian Queen が3番人気(11対2)で続きます。

しかしこちらも波乱の結果。前走ニューマーケットのリステッド戦に勝ったものの6番人気(10対1)と人気の無いカリプソ・ビート Calypso Beat が快調に逃げましたが、これを捉えたのは人気のトリオではなく、5番人気(7対1)だったムラーカバ Muraaqaba 。逃げるカリプソ・ビートに1馬身4分の3差を付けていました。1馬身差で漸く本命のウインターズ・ムーンが3着に入り、アロンソアは4着、アラビアン・クィーンも5着と敗退。
マーク・ジョンストン厩舎、デーン・オネイル騎乗のムラーカバは、ニューマーケットの6ハロン(ジュライ・コース)で新馬勝ち、前走アスコットのプリンセス・マーガレット・ステークス(GⅢ)では4着していた馬。これが未だ3戦目で、7ハロンは初挑戦でした。

以上が昨日のG戦ですが、冒頭にも書いたようにアスコットのシャーガー・カップに付いても簡単に紹介しておきましょう。
これは馬単位ではなく、騎手のオリンピックみたいなもの。12人のジョッキーを4チームに分け、6レースの着順をポイントに換算して点数を競うという競技。4チームとは、英愛チーム、ヨーロッパ・チーム、その他の国チーム、女性騎手チーム。

結果は、ヨーロッパ・チームが69ポイントで優勝し、2位は僅かに1ポイント差で女性チーム。以下英愛が52ポイント、その他51ポイントという結果。
一方個人部門(シルヴァー・サドル)もあって、こちらはフランスのオリヴィエ・ペリエが42ポイントで優勝。第2位は二つのレースを制した女性騎手エマ・ジェーン・ウイルソンが40ポイントで2位でした。

因みに日本からは福永祐一がその他チームで参加しましたが、個人部門では11ポイントで10位。第2レースの4着が最高位でした。
別にこれで落胆することも無いでしょう。ヨーロッパ・チームとして参加したイタリアのランフランコ・デットーリは個人部門では3ポイントで最下位。それでも最後の表彰式ではシャンパンを振り撒いて大騒ぎしていましたからね。

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