テーマは親子関係?

気のせいでしょうか、今年のプロムスは声楽を伴う会が例年以上に多いようです。英国人の合唱好きは承知していますが、これまで聴いてきたコンサートは全て何らかの形で「声」が登場していたと思います。
で、23日に行われたBBCウェールズ・ナショナル管のプロムも声を中心にした作品の2本立て。

7月23日 ≪Prom 11≫
ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」最後の場面
     ~休憩~
ティペット/オラトリオ「我らの時代の子」
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 BBC National Orchestra of Wales
 指揮/マーク・ウイグルスワース Mark Wigglesworth
 ソプラノ/タマラ・ウイルソン Tamara Wilson
 メゾ・ソプラノ/スーザン・ビックリー Susan Bickley
 テノール/ピーター・ホアー Peter Hoare
 バス/ジェームス・クレスウェル James Creswell
 合唱/BBCウェールズ・ナショナル合唱団 BBC National Chorus of Wales

前半のワルキューレは第3幕の冒頭、即ち「ワルキューレの騎行」から始まり、最初の一頻りが終わった所、つまりオルトリンデが登場する直前から第3場の直前に繋げ、第3場を最後まで全曲演奏するという形を採っています。
ブリュンヒルデのウイルソン、ヴォータンのクレスウェルによる感動的な親子の告別の場面。

後半はティペットの最高傑作で、確か2012年のプロムスでもロバートソン指揮BBC響が演奏していました。英国の合唱作品には欠かせない名曲です。2012年にも書きましたが、日本で演奏されないのが不思議。
当初メゾ・ソプラノはパメラ・ヘレン・ステファン Pamela Helen Stephen という人がクレジットされていましたが、当日はビックリーに交替したようです。

ティペットに付いては繰り返しませんが、ユダヤ人の少年が起こした射殺事件がテーマ。母親と子供の葛藤が感動的に歌われていきます。ワルキューレと共通するのは「親子関係」ということでしょうか。
世界の各地でテロ事件が絶えない中、音楽を聴きながら色々考えさせられるプロムスではあります。

 

 

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