2017ドンカスター・セントレジャー開催2日目
9月第2週の英国競馬は、三冠レースの最後となるセントレジャーが行われます。クラシックは土曜日のメインですが、それを頂点とするドンカスター競馬場のセントレジャー開催が13日の水曜日に開幕しました。
しかし初日にはG戦は無く、当欄が最初にレポートするのは9月14日の二日目、レディース・デイからです。この日のG戦は2鞍。
馬場は回復気味とはいえ重く、この日は直線コースが good to soft 、所により soft 。周回コースは soft 、所により good to soft ということで、最初に紹介するメイ・ヒル・ステークス May Hill S (GⅡ、2歳牝、1マイル)は直線コースで行われます。
8頭が出走し、3頭のG戦勝ち馬を抑えて11対4の1番人気に支持されたのは、前走ドーヴィルでカルヴァドス賞(GⅢ)で2着したローレンス Laurens でした。
プリンセス・マーガレット・ステークス(GⅢ)勝馬で並んだ2番人気(4対1)のナイアレティ Nyaleti が逃げてギリギリ粘りましたが、先行した6番人気(14対1)ダーク・ローズ・エンジェル Dark Rose Angel と本命ローレンスが伸びて際どいゴール。写真判定の結果、ローレンスが頭差ダーク・ローズ・エンジェルを抑えて人気に応え、ナイアレティも頭差の3着に粘っていました。
勝ったローレンスはカール・バーク厩舎、ピージェイ・マクドナルド騎乗で、7月20日にここドンカスターの7ハロンでデビュー勝ちし、前走がドーヴィル遠征でのGⅢ戦2着。これで3戦2勝となり、1000ギニーに25対1のオッズが出されました。
次走は追加登録料を支払ってマルセル・ブーサック賞(GⅠ)を狙うか、1週待ってフィリーズ・マイル(GⅠ)か、という選択になるようですが、ローテーションを考えれば後者になる可能性が髙そう。来年のギニーは英愛仏全てに登録がありますが、真の狙いは仏オークスとのこと。陣営はフランスに拘っているようでした。
続いてはパーク・ヒル・ステークス Park Hill S (GⅡ、3歳上牝、1マイル6ハロン115ヤード)。かつては牝馬のセントレジャーと呼ばれていましたが、1991年に古馬に解放されてからはレースの性格も牝馬の長距離戦に変わってきました。
10頭が参戦し、人気は混戦で3頭が9対2の1番人気に並びます。即ち前走ヨークのイボア・ハンデで3着したナチュラル・シナリー Natural Scenery 、グッドウッドリーのリリー・ラングトリー・ステークス(GⅢ)で2・3着したドゥブカ Dubka とメロディック・モーション Melodic Motion です。
果敢に逃げたのは、8番人気(25対1)の伏兵アリーサ Alyssa 。残り1ハロンで先行していた4番人気(11対2)のアルジャジーラ Aljezeera が逃げ馬を捉えて僅かに先頭に立ちましたが、一旦は交わされたかに見えたアリーサが二の脚を使って盛り返し、最後に後方から追い込む人気の一角メロディック・モーションをも凌いで半馬身差の逃げ切りサプライズ。2着争いはアルジャジーラとメロディック・モーションの同着となりました。
中団に付けていたドゥブカは6着、2番手を追走したナチュラル・シナリーも8着と敗退。勝ったアリーサ(パット・ダブス騎乗)と2着の1頭メロディック・モーション(オイジン・マーフィー騎乗)は共にレイフ・ベケット師が管理していますが、勝ったのは人気のない方でした。
ベケット師はこのレース、去年のシンプル・ヴァース Simple Verse に続く2連覇。アリーサは今年4歳で、昨シーズンをアスコットのリステッド戦勝利で締め括り、今期は2戦目の前走サンダウンのエッシャー・ステークス(2マイルのリステッド戦)で3着しており、G戦はこれが初勝利です。
サー・パーシー Sir Percy にガリレオ Galileo 牝馬と言う血統は如何にもステイヤーで、次はアスコットのロング・ディスタンス・カップ(GⅡ)と決まっているようです。オッズはレース前の25対1から20対1に上がりました。
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