2012ドンカスター・セントレジャー開催2日目

今週の英国は、愈々3冠レースの最後を飾るセントレジャーが行われます。クラシックの行われる土曜日を頂点に、水曜日からドンカスターのセントレジャー・ミーティングが始まりました。
初日はパターン・レースが無いためレポートはありませんが、昨日の2日目には2鞍のG戦が行われています。馬場状態は good 、所により good to soft 。

この開催のG戦は全部で8鞍、その内GⅠはセントレジャーのみ。残る7鞍の内6レースがGⅡと大部分を占めますが、開催最初のパターン・レースは、唯一のGⅢ戦となるセプター・ステークス Sceptre S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。
日本中央競馬会がスポンサーとなる冠レースですが、京都のエリザベス女王杯当日に組まれているドンカスター・ステークスと姉妹レースになっている一戦ですね。
出走馬は18頭と多頭数。3対1の1番人気に支持されたセンタリル Sentaril は前走ヨークのサマー・ステークス(GⅢ)で7着に敗れていましたが、距離が6ハロンと短いのが敗因との判断。7ハロンでは前々走ロイヤル・アスコットのジャージー・ステークス(GⅢ)で2着しており、ここは適距離での中心と評価されていたようです。

レースはスタンド側のラチ沿いにセンタリルが逃げ、これを3番人気(9対1)のガミラーティ Gamilati が追走、他の16頭が馬場中央に一団という珍しい展開。センタリルは次第に進路を中央に変えますが、最後は脚を失くして5着と失速してしまいます。優勝は、前半最後方で待機した22対1(12番人気)の伏兵サンデー・タイムス Sunday Times 。2着ガミラーティを鮮やかに1馬身差し切っていました。半馬身差でヴァレンチャ Valencha が3着。
管理するピーター・チャップル=ハイアム師、騎乗したジェイミー・スペンサー共にこのレースは初制覇。サンデー・タイムスは2歳時にチーヴリー・パーク・ステークス(GⅠ)で2着した馬ですが、今年の1000ギニーを使ったために馬が消耗。休養明けの前走ウォーリック競馬場でも惨敗していたため、人気を落としていました。1マイルはステイ出来ず、7ハロンがベスト。ただ7ハロンには今後も適当なレースが無く、シーズンの終わりには引退する可能性が高いようです。

続いては牝馬のセントレジャーとして知られるパーク・ヒル・ステークス Park Hill S (GⅡ、3歳上牝、1マイル6ハロン132ヤード)。セントレジャーと同じ距離、創設以来3歳牝馬限定で行われてきましたが、1991年に古馬にも開放された一戦。セントレジャーと共通するのは距離だけとなってしまいました。
9頭が出走、出走馬中2頭しかいない古馬の一角ワイルド・ココ Wild Coco が7対4の1番人気に支持されていました。今年の3歳牝馬がやや低レヴェルであることの象徴かも知れません。3歳馬では女王陛下の所有馬でサー・マイケル・スタウト師が管理するエスティメイト Estimate に期待が集まり、7対2の2番人気で続きます。

レースはスタウト厩舎のペースメーカーを務めるモンシャク Monshak の逃げ、ワイルド・ココは後方2番手に待機します。直線、3番手を進んだエスティメイトが先頭に立って流れ込みを図りますが、最後はジワジワと差を詰めたワイルド・ココのスタミナが勝り、1馬身4分の1差で差し切っての優勝。これも後方から追い上げたヘイゼル・レイヴリー Hazel Lavery が短頭差でエスティメイトを捉えて2着。

ワイルド・ココはドイツ産、ドイツのゲステュート・レットゲンが所有する4歳馬ながら、管理するのはサー・ヘンリー・セシル。オーナーが活躍の舞台を世界に求めて選択したのがセシル師でした。師としてもドイツ馬を預かるのは初めてと思われます。
3歳時にはセントレジャーへの出走も計画していたほどの逸材でしたが、期待したより成長が緩やか。4歳の今期、前走グッドウッドでのリリー・ラングトリー・ステークス(GⅢ)優勝がシーズン・デビュー。G戦2連勝で国際舞台も視野に入ってきました。
セシル師にとってはこのレース6勝目。騎乗したトム・クィーリー騎手にとっては初勝利となります。

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