9月30日のアメリカ競馬(1)ベルモント編

これから9月最後のアメリカ競馬をレポートしていきますが、何しろ4つの競馬場でG戦14鞍、GⅠ戦だけでも8レースと言う盛り沢山ですから、ここは競馬場毎に纏めて記事をアップすることにしましょう。
数が多いので詳細は避け、簡単に結果と事実だけの報告になりますので悪しからず。

ということで、最初はベルモント・パーク競馬場から4鞍。GⅠ戦は3鞍組まれていました。いつもの通りレース順に行きます。先ず短距離のヴォスバー・ステークス Vosburgh S (GⅠ、3歳上、6ハロン)。勝馬にはBCスプリントへの優先出走権が与えられるレースで、good の馬場に7頭立て。前走アルフレッド・G・ヴァンダービルト・ステークス(GⅠ)を制したエル・ディール El Deal が6対5の1番人気。
本命エル・ディールがスタートから先手を取って逃げ切りを図りましたが、2番手でマークしていた4番人気(9対2)のタカフル Takaful 、4番手追走の3番人気(4対1)ストールウォーキン・デュード Stalwalkin’ Dude と3頭の争いとなり、最後はタカフルがエル・ディールを1馬身捻じ伏せるようにしての優勝。ストールウォーキン・デュードが半馬身差の3着でした。4着以下は9馬身以上の大差。
キアラン・マクローリン厩舎、ホセ・オルティス騎乗のタカフルは、これがG戦初勝利となる3歳馬で、いきなりのGⅠタイトル獲得です。夏のサラトガで急成長し、2走前のアローワンス戦に勝つと、前走アレン・ジャーケンス・ステークス(GⅠ)で2着。もちんBCスプリントで頂点を目指すことになるでしょう。

ニューヨークの二つ目は、チョッと一服感のあるピルグリム・ステークス Pilgrim S (芝GⅢ、2歳、8.5ハロン)。芝の2歳戦ということでキャリアの浅い8頭が出走し、9月10日にベルモントでデビュー勝ちしたばかりのヴォーティング・コントロール Voting Control が6対5の1番人気。
6番人気(15対1)のルッキング・レディー Looking Ready ゛逃げ、ヴォーティング・コントロールは6番手から。2番手でマークしていた3番人気(5対1)のショーク Seabhac が逃げ馬を捉えると、追い上げるヴォーティング・コントロールを半馬身抑えての優勝。4番手を進んだ2番人気(2対1)のモラード Moraud が首差で3着に入っています。
勝ったショークは読み方の難しい馬ですが(つい、シーバックと読みたくなる)、アナウンサーの実況を何度聞いても「ショーク」と聞こえます(馬名の意味も現時点では不明)。トッド・プレッチャー厩舎、ルイス・サエズ騎乗で、これが3戦目での初勝利でG戦ももちろん初勝利という馬。サラトガのデビュー戦が2着、前走未勝利で臨んだウイズ・アンティシペイション・ステークス(芝GⅢ)では4着でした。これからも馬名に注意したい1頭です。

次は古馬牝馬によるGⅠ戦のベルデイム・ステークス Beldame S (GⅠ、3歳上牝、9ハロン)。7頭が出走し、前走アラバマ・ステークス(GⅠ)を制したイレート Elate が1対5と圧倒的な1番人気。
5番人気(10対1)ビショップス・ポンド Bishop’s Pond の逃げを3番手で待機した大本命、一旦は3番人気(8対1)エスケンフォーマネー Eskenformoney を先に行かして4番手に下げましたが、直線ではインコースを割る様に抜け出すと、2番手マークの2番人気(7対1)マネーズオンシャルロット Money’soncharlotte に何と8馬身4分の1差を付けて人気通りの圧勝で期待に応えました。ハナ差でエスケンフォーマネーが3着。
ウイリアム・モット厩舎、ホセ・オルティス騎乗のイレートは、前々走のコーチング・クラブ・アメリカン・オークス(GⅠ)でも2着。3戦続けたGⅠ戦で2・1・1着となり、今回は古馬を一蹴して3歳牝馬のレヴェルの高さを証明して見せました。

最後はジョー・ヒルシュ・ターフ・クラシック Joe Hirsch Turf Classic (芝GⅠ、3歳上、12ハロン)。これも勝馬にはBCターフの優先出走権が与えられるとあって、11頭立てとアメリカの芝戦としては多頭数。前走ソード・ダンサー・ステークス(芝GⅠ)を制したサドラーズ・ジョイ Sadler’s Joy が7対2で僅差の1番人気。
10番人気(147対1)の伏兵コンヴァージ Converge が逃げ、サドラーズ・ジョイは最後方からの競馬。2番手に付けた4番人気(5対1)のビーチ・パトロール Beach Patrol が第3コーナーで逃げ馬を捉えると、5番手から伸びる6番人気(8対1)のファンシフル・エンジェル Fanciful Angel を5馬身突き放しての圧勝でBCターフへの優先出走権を獲得しました。3番手を進んだ僅差2番人気(7対2)のオスカー・パフォーマンス Oscar Performance がハナ差で3着を確保し、サドラーズ・ジョイは大外から追い込むも4着に終わっています。
チャド・ブラウン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のビーチ・パトロールは、前走アーリントン・ミリオン(芝GⅠ)の勝馬で、これでGⅠ戦2連勝となります。もちろんBCターフではアメリカ代表の1頭でしょう。

 

 

 

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2件のフィードバック

  1. アットリーニ より:

    大変なレポート、お疲れ様でございます。
    本日はいよいよ凱旋門賞ですね♪

    さて、ピルグリムSの勝ち馬seabhacですが、血統を見ると母がカーリンホークという馬ですので、ホークつまり鷹という意味だと思います。

    以前シアシャアブーというG1牝馬が欧州にいたのですが、やはり読み方がわかりませんでした。
    その後アイルランド語か何かで「勝利の」何とかという意味であることを知りました。
    その際にショーワックアブー、「勝利の鷹」という名前の馬もいることもついでに知りました。

    そのショーワックというのがseabhacというスペルで鷹ではなかったかと思います。
    間違っていたらすません。

  2. メリーウイロウ より:

    アットリーニ様

    ブログの投稿方法を変更して不具合が生じたり、書くことが多過ぎたりと自分で書いた記事を見直す余裕も無く、コメントが遅れました。
    ご指摘の Seabhac ですが、確かにゲール語(アイルランド語)で「鷹」の意味だそうで、読みも「ショーク」なのだそうですね。
    尤も外国馬の馬名を何と読むかに余り拘ることもないようで、例えば同じ馬でもイギリスとフランスでは読み方が違う場合も多く見受けられます。実際に私が経験した例でも、ダービー馬Grundy は英国では「グランディー」、フランスでは「グルンディー」と呼んでいたことを思い出しました。
    あくまでもアルファベットの綴りが馬名なので、無理にカタカナ表記する必要はないと思います。それもあって私は記事の中ではカタカナ馬名の後には本来のアルファベットで表記するようにしています。
    それでもゲール語は流石に読み方が難しく、例に挙げられたシアシャブーはモイグレア・スタッドに勝ったSaoirse Abu のことですね。早速2007年のレースホースに掲載されているエッセイを読み直しましたが、馬名の読み方についても意味についても一言も触れていませんでした。あくまでもSaoirse Abu で通しています。
    アイルランドのボルジャー厩舎にはオーナーの関係がゲール語馬名の馬が多いので、毎年これには悩まされてきました。私もかなりいい加減な人間ですから、間違った表記も多いことと思います。
    今後ともご指導よろしくお願いいたします。

    メリーウイロウ

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