9月30日のアメリカ競馬(3)サンタ・アニタ編

9月30日のアメリカ競馬、漸く最後のサンタ・アニタ競馬場に辿り着きました。フランスは今週が本番ですが、アメリカは1か月後の11月第1週がBC本番。ということで、この日組まれたG戦5鞍は全てGⅠ戦、全部が勝馬にBCへの優先出走権が与えられるということで、本来ならもう少し詳しく書きたいところですが、今日は朝から競馬レポートに掛かりきり。ここでも簡単な結果に終始しますので勘弁してください。レース順に行きます。なお馬場は、ダートコースが fast 、芝コースは firm で行われています。

第一弾は ゼニヤッタ・ステークス Zenyatta S (GⅠ、3歳上牝、8.5ハロン)。2頭が取り消してしまい4頭立て。復活をかけたパラダイス・ウッズ Paradise Woods が1対2の断トツ1番人気に支持されていました。
その大本命、ここで負けるわけにはいかないとばかりにスタートから主導権を握ると、そのまま3番手追走の2番人気(イーヴン)フェイスフリー Faithhfully に5馬身4分の1の大差を付けて逃げ切りました。2番手を進んだ3番人気(8対1)のモータウン・レディー Motown Lady が何と13馬身4分の1という大差での3着。
リチャード・マンデラ厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のパラダイス・ウッズは、サンタ・アニタ・オークス以来となる二つ目のGⅠ制覇。ケンタッキー・オークス11着と大敗し、次の前走トーリー・パインズ・ステークス(GⅢ)はまさかの6着に敗れていました。これでBCディスタッフに弾みが付くでしょう。

続いてはBCジュヴェナイル・フィリーズの出走権をかけたシャンデリア・ステークス Chandelier S (GⅠ、2歳牝、8.5ハロン)。8頭が出走してきましたが、何故か9対5の1番人気に推されたのはデル・マーで新馬勝ちしたばかりのアルアリング・スター Alluring Star 。
そのアルアリング・スターがスタートから先手を取って逃げ切りを図りましたが、2番手に付けた2番人気(2対1)のムーンシャイン・メモリーズ Moonshine Memories が第コーナーの手前で本命の逃げを外から捉えると、そのまま2馬身4分の3差を付けて貫録を見せ付けました。3番手を進んだ3番人気(3対1)のピエディ・ビアンキ Piedi Bianchi がそのまま首差の3着。
サイモン・キャラガン厩舎、前のレースに続いてフラヴィアン・プラットが騎乗したムーンシャイン・メモリーズは、前走デル・マー・デビュタントに続くGⅠ戦2連勝で、目下3戦無敗。文句なく2歳牝馬チャンピオンとしてBCに臨むことになります。

そして2歳牡馬による、BCジュヴェナイルのトライアルとなるフロントランナー・ステークス FronRunner S (GⅠ、2歳、8.5ハロン)。ここは9頭立てで、デル・マー・フューチュリティーの覇者ボルト・ドロ Bolt D’Oro が4対5で断然の1番人気。
8番人気(72対1)テイク・ジ・ワン・オー・ワン Take The One O One の逃げを2番手でマークしたボルト・ドロ、第4コーナーでこれを捉えると後は独走。5番手から進出した3番人気(3対1)のソロミニ Solomini に7馬身4分の3差を付けて圧倒的な強さを見せ付けました。逃げたテイク・ジ・ワン・オー・ワンが粘って2馬身半差の3着。
ミック・ルイス厩舎、コーリー・ナカタニ騎乗のボルト・ドロは、シャンデリアのムーンシャイン・メモリーズと同様にGⅠ戦2連勝で、ここまで3戦無敗。BCも圧勝して来年のダービー候補に上がってくるかが見所になりそうです。

芝コースのGⅠ戦、ロデオ・ドライヴ・ステークス Rodeo Drive S (芝GⅠ、3歳上牝、10ハロン)は1頭が取り消して9頭立て。前走ジョン・C・メイビー・ステークス(芝GⅡ)で2着したグッドイヤーフォーロージズ Goodyearforroses が6対5の1番人気に支持されていました。
逃げたのは5番人気(12対1)のゴールディー・エスポニー Goldy Espony 、これを2番手でマークした2番人気(2対1)のアヴェンジ Avenge が第3コーナーの手前で早くも捉えると、逃げ粘るゴールディー・エスポニーに4分の3馬身差を付けて優勝。4番手から伸びた4番人気(11対1)のレスポンシブルフォーラヴ Responsibleforlove がハナ差で3着に食い込み、人気のグッドイヤーフォーロージズは3番手を進むも8着大敗に終わりました。
リチャード・マンデラ厩舎、この日GⅠ戦ハット・トリックとなるフラヴィアン・プラットが騎乗したアヴェンジは、このレース去年に続いての2連覇。勝鞍はそれ以来で、去年のBCフィリー・アンド・メア・ターフは3着。今期はゲイムリー・ステークス(芝GⅠ)3着、イエロー・リボン・ハンデ(芝GⅡ)6着と続き、今期3戦目での初勝利となりました。もちろん去年3着の雪辱を期してBCに挑むでしょう。

最後のBCトライアルGⅠ戦は、オウサム・アゲン・ステークス Awesome Again S (GⅠ、3歳上、9ハロン)。もちろんBCクラシックを目指す馬たちのトライアルで、1頭が取り消しての7頭立てとなり、今期サンタ・アニタのゴールド・カップ(GⅠ)から始動して前走一般ステークスを経て2連勝中のキューピッド Cupid が6対5の1番人気。
逃げたのは4番人気(8対1)のミッドナイト・ストーム Midnight Storm でしたが、4番手で待機した2番人気(3対1)のムブターヒジ Mubtaahij が直線で外から並び掛けると、そのまま1馬身半差を付けて快勝。離れた最後方から追い込んだ最低人気(25対1)のウイン・ザ・スペース Win the Space が意外や頭差の3着に食い込み、3番手に付けていた人気のキューピッドは更に半馬身差の4着に終わりました。
ボブ・バファート厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のムブターヒジは、2015年のUAEダービー以来の勝鞍となる5歳馬。3歳時はケンタッキー・ダービー8着、ベルモント・ステークス4着の成績を残し、去年のドバイ・ワールド・カップは2着でした。今年もドバイに遠征しましたが、ワールド・カップは4着。今回はそれ以来の休み明けで、突然の様にBCクラシックの候補に上がってきたという印象でしょう。

 

 

 

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