2017シャンティー競馬の祭典、土曜日のG戦5鞍

凱旋門賞が愈々10月1日に迫ってきましたが、この週末のシャンティー競馬場は競馬の祭典。日曜日のGⅠ戦6連発に対し、昨日の土曜日はG戦5鞍、GⅠ戦1レースに対し、残る4鞍がGⅡ戦と言う豪華版です。ただこの日はニューマーケットで2歳馬の重要なレースがあり、例えばオブライエン厩舎はこの日、1頭の参加もありません。ムーアはニューマーケット、デットーリはシャンティーと別れての腕比べとなりました。

この日の馬場は、第1レースが good to soft で行われたあと、第2レースからは soft に悪化。金曜日の夜に雨が降ったことも影響していました。
その第1レース、唯一 good to soft (日本なら稍重から重ということ)で行われたのがショドネー賞 Prix Chaudenay (GⅡ、3歳、3000メートル)。9頭の若きステイヤーが出走し、前走リュテース賞(GⅢ)に勝って3連勝中のダルブザン Darbuzan が6対5の1番人気。

本命が勝ったリュテース賞で2着だった5番人気(98対10)のモンレアル Monreal が逃げてペースを落とし、ダルブザンは中団。直線、2番手に付けていたエリザベス女王の馬にデットーリが騎乗する2番人気(17対5)のコール・トゥー・マインド Call To Mind が先頭に立って場内を沸かせましたが、掛かり気味に3番手で抑えていた3番人気(53対10)のアイス・ブリーズ Ice Breeze が内ラチぎりぎりを衝いて抜け、コール・トゥー・マインドを短首差競り落として優勝。中団から伸びたダルブザンは半馬身差の3着に終わりました。

パスカル・ベイリー厩舎、ヴィンセント・シャミノー騎乗のアイス・ブリーズは、今春オカール賞(GⅡ)に優勝し、パリ大賞典は4着。前走ニエル賞(GⅢ)ではクラックスマン Cracksman の4着となり、これが二つ目のG戦勝利となります。パリ大賞典と前走の敗因は重馬場ということで、この日の馬場を克服したということは、サトノダイヤモンドにとっては期待が持てる結果だったかもしれません。ステイヤーとしての素質を活かし、来年はアスコットのゴールド・カップを計画しているようです。

続いては第2レースのロワイヤリュー賞 Prix de Royallieu (GⅡ、3歳上牝、2400メートル)。このレースから馬場は soft となります。1頭が取り消して7頭立て。去年の勝馬で、今期はこれが未だ漸く2戦目というザ・ジュリエット・ローズ The Juliet Rose が7対5の1番人気。前走ドーヴィルのポモヌ賞(GⅡ)が休み明けの4着、叩かれた変わり身に期待が集まっていました。

そのザ・ジュリエット・ローズがスタートから先頭に立っての逃げ作戦。重の長距離ということで前残りの競馬となり、本命馬が3番手追走の2番人気(17対10)リッスン・イン Listen In の猛追を短首差抑えて堂々の逃げ切り勝ちで2連覇を達成しました。やはり2番手を進んでいた3番人気(54対10)のカイトサーフ Kitesurf が頭差の3着で、接戦ながら人気通りの結果になっています。

ニコラス・クレメント厩舎、ステファン・パスキエ騎乗のザ・ジュリエット・ローズ、去年はこのロワイヤリュー賞でシーズンを締め括りましたが、今期は未だ2戦。次はアスコットのブリティッシュ・チャンピオン・フィリーズ・アンド・メア・ステークスで念願のGⅠ奪取に挑みます。

この日のGⅡ戦第3弾は、ドラー賞 Prix Dollar (GⅡ、3歳上、2000メートル)。英国から3頭が遠征しての8頭立てとなりましたが、前走ニエル賞でクラックスマンの2着だったアヴィリウス Avilius が13対5の1番人気。その時破ったアイス・ブリーズが二つ前のショドネー賞に勝っているのですから、人気も当然でしょう。
逃げたのは、英国勢の1頭で2番人気(37対10)のロビン・オブ・ナヴァン Robin Of Navan 。これを2番手でマークしていた4番人気(43対10)のガーリンガリ Garlingari が、中団のインコースから伸びた最低人気(59対1)のサブウェイ・ダンサー Subway Dancer に短首差で優勝するという波乱となりました。本命馬と同じく後方に待機していた3番人気(4対1)のサルーエン Salouen が1馬身4分の1差で3着に入り、アヴィリウスは6着敗退です。

勝ったガーリンガリは当欄の常連、コリーヌ・バランド=バルブ女史が管理し、ロワイヤリューに続いてステファン・パスキエが騎乗した6歳せん馬。前走ラ・クープ・ド・メゾン=ラフィット(GⅢ)に続くG戦2連勝で、未だ衰えを知りません。
コリーヌ女史が管理するせん馬で、競走馬生命が長かったと言えば、あのシリュス・ド・ゼーグル Cirrus des Aigles 。先輩シリュスに続いてアスコットのチャンピオン・ステークスという選択肢もありますが、招待があれば香港に向かいたいとのことでした。

そして、この日唯一のGⅠ戦となるカドラン賞 Prix du Cadran (GⅠ、4歳上、4100メートル)。当初7頭が登録していましたが、馬場が悪化したのを見て良馬場条件のビッグ・オレンジ Big Orange が取り消し。レース前は2頭のマッチレースと見られていましたが、結局は1頭だけ残った近年フランスを代表する名ステイヤーのヴァジラバド Vazirabad が1対5と圧倒的な大本命に祭り上げられていました。

一昨年のカドラン賞勝馬で3番人気(84対10)のミル・エ・ミル Mille Et Mille が、スローペースに落としての逃げ。前半は最後方に控えていたヴァジラバドが徐々に進出し、一旦は伸びきれないのではと言う場面があったものの、最後は逃げ馬をキッチリ半馬身捉えて人気を証明しました。先行した4番人気(133対10)のトリップ・トゥー・ロードス Trip To Rhodos が3着に入りましたが、2着馬からは7馬身の大差でした。
アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のヴァジラバドは、お馴染みアガ・カーン所有の5歳馬で、カドラン賞は去年2着でした。昨シーズンはこのあと仏セントレジャーに勝って同レース2連覇を果たし、今期は初戦2着のあとG戦ばかり4連勝。もちろん次走を予定している仏セントレジャー3連覇を目指すことになります。

土曜日の最後はダニエル・ウイルデンシュタイン賞 Prix Daniel Wildenstein (GⅡ、3歳上、1600メートル)。9頭が出走し、ここも前年の覇者ターリーフ Taareef が7対10の断然1番人気。
最低人気(38対1)ロイヤル・ジュリアス Royal Julius の逃げを後方3頭の中で慌てず待機したターリーフ、数脚を炸裂させると、3番手を進んだ4番人気(84対10)のブセラ Buthela に1馬身4分の1差を付けて2連覇達成です。中団から伸びた6番人気(145対10)のヌーア・アル・ハワ Noor Al Hawa が4分の3馬身差で3着。

ジャン=クロード・ルジェ厩舎、カドランに続いてクリストフ・スミオンが騎乗したターリーフは、前走ムーラン・ド・ロンシャン賞(GⅠ)の2着馬で、前々走ドーヴィルのジャック・ル・マロワ賞(GⅠ)は5着。今期はベルトラン・ド・ブレイユ賞(GⅢ)とメッシドール賞(GⅢ)に連勝しており、GⅡにランクを下げれば文句のない実力差を見せ付けた印象です。

以上、凱旋門賞前日のG戦は、5鞍とも既にG戦に勝っている馬が実力を如何なく発揮しており、馬場が重ということもあって紛れの少ない結果となっています。果たして日曜日はどうなるでしょうか。

 

 

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