バファート師の独り舞台

12月9日、アメリカ競馬12月の第2週は、カリフォルニア州ロス・アラミトス競馬場の2歳GⅠ戦2鞍のみと言うシーズン末らしい静かな週末でした。

馬場は fast 、先に行われた牡馬によるロス・アラミトス・キャッシュコール・フューチュリティー Los Alamitos CashCall Futurity (GⅠ、2歳、8.5ハロン)は5頭立て。ボブ・バファート厩舎が送り出す2頭が人気を分け、前走BCジュヴェナイルで2着したソロミニ Solomini (8対5の2番人気)を抑えて1対2の1番人気に支持されたのは、10月28日にサンタ・アニタで2着に5馬身半差を付けてデビュー勝ちしたマッキンジー McKinzie の方でした。
3番人気(8対1)のランナウェイ・ゴースト Runaway Ghost が逃げ、3番手に付けたマッキンジーが第4コーナー手前で先頭に立ちましたが、4番手を進んだソロミニが外から、2頭の間を衝いて最後方で待機していた4番人気(17対1)のインスティルド・リガード Instilled Regard が追い込んで3頭の叩き合い。最後はソロミニが最内のマッキンジーに4分の3差を付けて先頭で入線し、真ん中で挟まれるような形になったインスティルド・リガードが頭差の3番手でした。直ぐに審議のランプが点灯し、結局は3着入線馬に接触する形で同馬の進路を妨害したとして、ソロミニは3着に降着。2番手のマッキンジーが1着に繰り上がって勝ちを拾いました。
マイク・スミスが騎乗したマッキンジーは、これで2戦2勝。母ランウェイ・モデル Runway Model はアルシバイアディーズ・ステークス(GⅠ)に勝ち、その年のBCジュヴェナイル・フィリーズ3着した馬で、母子ともにGⅠ戦勝馬となりました。

一方、牝馬のスターレット・ステークス Starlet S (GⅠ、2歳牝、8.5ハロン)も5頭立てになる予定でしたが、1頭が取り消して僅かに4頭立て。去年は後にケンタッキー・オークスを制することになるエイベル・タスマン Abel Tasman が制したレースで、ここもバファート厩舎のドリーム・トゥリー Dream Tree が2対5で圧倒的1番人気に支持されていました。
4番人気(9対1)イエスタデイズ・ニュース Yesterday’s News の逃げを2番手でマークしたドリーム・トゥリー、第4コーナーで外から並び掛け、直線ではムチを入れることなく前を捉えると、そのまま逃げ馬に3馬身4分の1差を付ける快勝でした。最後方(と言っても4番手)から伸びた2番人気(2対1)のピエディ・ビアンキ Piedi Bianchi が5馬身4分の1差で3着。
この日のGⅠ戦2鞍を総なめしたボブ・バファート厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のドリーム・トゥリーは、10月27日にサンタ・アニタでデビュー勝ちし、前走デル・マーのリステッド戦(デジ・アルナス・ステークス)にも連勝しており、これで無傷の3連勝で年を越すことになります。なお、ハリウッド時代から行われてきた二つの2歳GⅠ戦を同じ年に連勝したのは、1981年以来バファート師が初めてのこととなります。

 

 

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