サラトガ、デル・マー共に3日連続の最終週

早いもので、サラトガとデル・マーの夏競馬も今週が最終週となります。月曜日がレーバー・デイの祭日のため、3日間連続開催。その初日、9月2日はサラトガとデル・マー、仲良く2歳牝馬のGⅠ戦が行われました。

先にサラトガ競馬場からのレポート。この日は4鞍のG戦が組まれ、最初は芝コースのサラナック・ステークス Saranac S (芝GⅢ、3歳、9ハロン)です。firm の馬場に1頭が取り消して8頭立て。前走サラトガのナショナル・ミュージアム・オブ・レーシング・ホール・オブ・フェイム・ステークス(芝GⅡ)を含めて4戦無敗のブリックス・アンド・モーター Bricks and Mortar が2対1の1番人気。
レースは5番人気(6対1)のヴードゥー・ソング Voodoo Song が後続に4馬身の差を付けて逃げ、直線も粘ってリードを保ちます。そこに前半5番手で控えていた2番人気(3対1)のヨシダ Yoshida が外から猛然と追い込んで差は一気に詰まりましたが、ゴール板では首差ヴードゥー・ソングが逃げ粘っていました。2番手でマークしていた本命ブリックス・アンド・モーターが半馬身差の3着。
リンダ・ライス厩舎、ホセ・レズカノ騎乗のヴードゥー・ソングは、今夏サラトガの上がり馬で、G戦は初勝利。クレイミング戦、アローワンス戦にも2連勝し、これで破竹の4連勝となりました。一夏にサラトガで4連勝したのは1952年以来の快挙だそうです。

続いては今サラトガ、2歳牝馬の総決算となるスピナウェイ・ステークス Spinaway S (GⅠ、2歳牝、7ハロン)。勝馬にはBCジュヴェナイル・フィリーズへの優先出走権が与えられます。fast のメインコースに出走馬は僅かに5頭。サラトガ・デビューで2着以下を11馬身も離して圧勝したセパレーションオブパワーズ Separaionofpowers が3対5の断然1番人気。
スタートから人気のセパレーションオブパワーズと2番人気(2対1)のピュア・シルヴァー Pure Silver が激しくハナを争い、これを3番手で追走していた3番人気(5対1)のレディー・イヴァンカ Lady Ivanka が外から纏めて交わすと、後方2番手から内ラチ沿いに抜けた4番人気(12対1)のマヤ・マリブー Maya Malibu に4分の3馬身差を付ける逆転劇となりました。2馬身半差でセパレーションオブパワーズが何とか3着。
ルディー・ロドリゲス厩舎、イラッド・オルティス騎乗のレディー・イヴァンカは、本命馬と同様に8月9日にサラトガでデビュー勝ち。その時の着差は8馬身で、これで2戦2勝。BCの権利は得ましたが、実際にBCに駒を進めるかどうかは、現時点では未定だそうです。

そしてウッドワード・ステークス Woodward S (GⅠ、3歳上、9ハロン)。こちらも5頭立てと頭数は少なく、GⅠ戦3勝の実力馬ガン・ランナー Gun Runner が1対5の圧倒的な1番人気。
3番人気(6対1)ネオリシック Neolithic の逃げを2番手でマークしたガン・ランナー、第4コーナーで外から逃げ馬を交わすと、後の興味はどれだけの差を付けて勝つかのみ。実際、3番手を進んだ2番人気(7対2)のラリー・クライ Rally Cry に10馬身4分の1の大差を付けていました。逃げたネオリシックが1馬身4分の1差で3着。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のガン・ランナーは、チャーチル・ダウンズのスティーヴン・フォスター、サラトガのホイットニーに続くGⅠ戦3連覇。その前のドバイ・ワールド・カップではアロゲート Arrogate の2着でしたが、その後アロゲートは2連敗しており、今年のBCに最も近づいたのがガン・ランナーじゃないでしょうか。女傑ソングバード Songbird は引退し、今年の3歳牡馬は低レヴェル。陣営はBCクラシックへの直行を宣言しました。

サラトガの最後はグレンズ・フォールズ・ハンデキャップ Glens Falls H (芝GⅢ、3歳上牝、11ハロン)。9頭立てのここは、今期フランスからアメリカに転厩し、前走マッチメーカー・ステークス(芝GⅢ)で2着したウォー・フラッグ War Flag が5対2の1番人気。
4番人気(7対1)のグレートフル Grateful がスローペースに落として逃げ、直線も粘ってあわや逃げ切るかに見えましたが、3番手を追走していた2番人気(7対2)のハーモナイズ Harmonize が直線で外からジワジワと差を詰め、ゴール前で首の上げ下げを首差で制して優勝。後方3番手から追い込んだ本命ウォー・フラッグは1馬身半差の3着に終わりました。
ウイリアム・モット厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のハーモナイズは、去年のデル・マー・オークス(芝GⅠ)の勝馬。勝鞍はそれ以来となりますが、前走ダイアナ・ステークス(芝GⅠ)で4着、前々走ジャスト・ア・ゲイム・ステークス(芝GⅠ)でも4着と掲示板には乗っていました。今期は5戦目での初勝利です。

一方のデル・マー競馬場はG戦2鞍。こちらも2歳牝馬の総決算としてデル・マー・デビュタント・ステークス Del Mar Debutant S (GⅠ、2歳牝、7ハロン)が行われ、fast の馬場に1頭が取り消して7頭立て。2戦2勝で前走ソレント・ステークス(GⅡ)を制したスペクテイター Spectator が参戦していましたが、2対1の2番人気。G戦勝ち馬を抑えて9対5の1番人気に支持されたのは、7月19日に1番人気でデル・マーの新馬戦に勝っていたジャスト・ア・スミッジ Hust a Smidge 。
逃げたのは4番人気(5対1)のムーンシャイン・メモリーズ Moonshine Memories で、3番手追走の本命馬、4番手を進んだスペクテイターを尻目に堂々の逃げ切り勝ち。5番手を進んだ6番人気(18対1)の伏兵ピーイーディー・ビアンチ Piedi Bianchi が半馬身差の2着に詰め寄り、スペクテイターが5馬身4分の1差で3着。人気のジャスト・ア・スミッジは5着敗退に終わりました。
サイモン・キャラガン厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のムーンシャイン・メモリーズは、クールモア・グループが所有する馬で、8月19日にデル・マーで新馬勝ちしたばかり。これで2戦2勝となります。

三連休初日最後のG戦は、ジョン・C・メイビー・ステークス John C. Mabee S (芝GⅡ、3歳上牝、9ハロン)。firm の馬場に13頭と頭数が揃い、前走8月5日にデル・マーでイエロー・リボン・ハンデ(芝GⅡ)を制したカンボディア Cambodia が5対2の1番人気。
1番枠を利して7番人気(14対1)のヒルハウス・ハイ Hillhouse High が逃げましたが、6番手でジックリ仕掛けを待った本命カンボディアが馬場の中央を通って突き抜けると、前半8番手から思い切って内を衝いて抜け出した僅差2番人気(5対2)のグッドイヤーフォーロージズ Goodyearforroses に4分の3馬身差を付けて快勝、多頭数ながらも順当な結果に収まりました。後方3番手から追い込んだ6番人気(13対1)のマダム・ストライプス Madame Stripes が1馬身4分の3馬身差の3着。
トーマス・プロクター厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のカンボディアは、前走に続くG戦2連勝で、通算でもG戦3勝目となる5歳馬。芝中距離の古馬牝馬部門では、末脚の切れでトップ・クラスでしょう。

 

 

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