オーロラ・アモローザ(愛の息吹)@ウィーン国立歌劇場

8日に再開されたウィーン国立歌劇場、シーズン最後の月となる6月は残念ながらオペラ上演は出来ませんが、ソーシャル・ディスタンス・ルールに則ってのリサイタルや室内楽の公演が行われます。
昨日9日は午後7時半から8時45分まで、ウィーン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーたちが総動員でモーツァルトのオペラからアリアや重唱曲を交えたコンサートで100人のウィーンっ子たちを喜ばせました。

コンサートのタイトルも「オーロラ・アモローザ」。「愛の息吹」とでもいった意味で、モーツァルトの歌から愛に因んだもの14曲が次々と披露されます。伴奏はハーフルト女史が弾くベーゼンドルファー。ステージは前日のクロイスベック・リサイタルと同じ。曲目と出演者は以下の面々でした。

モーツァルト/「皇帝ティートの慈悲」~私は行くが君は平和に (スヴェトリーナ・ストヤノヴァ)
モーツァルト/「ドン・ジョヴァンニ」~恋人を慰めて (シャホウ・ジンシュ)
モーツァルト/「ドン・ジョヴァンニ」~カタログの歌 (パク・ヨンミン)
モーツァルト/「ドン・ジョヴァンニ」~ドン・ジョヴァンニのセレナード (ラファエル・フィンガーロス) マンドリン伴奏ヴォルフガング・バンクル
モーツァルト/「イドメネオ」~恐れないで、愛する人よ (マルガリータ・グリツコヴァ)
モーツァルト/「フィガロの結婚」~訴訟に勝っただと (サミュエル・ハッセルホーン)
モーツァルト/「魔笛」~五重唱「フム、フム、フム」(フィオナ・ジョプソン、ステファニー・ハウツィール、ゾルヤーナ・クシュプラー、イエルク・シュナイダー、ラファエル・フィンガーロス)
モーツァルト/「魔笛」~復讐の心は地獄の様に燃え (ディアナ・ヌルムカメソヴァ)
モーツァルト/「魔笛」~パ・パ・パ (イレアナ・トンカ、ラファエル・フィンガーロス)
モーツァルト/「コジ・ファン・トゥッテ」~岩の様に動かず (オルガ・べズメルトナ)
モーツァルト/「コジ・ファン・トゥッテ」~男が、兵隊が (アンドレア・キャロル)
モーツァルト/「コジ・ファン・トゥッテ」~風は穏やかに (オルガ・べズメルトナ、マーガレット・プランマー、ペーター・ケルナー)
モーツァルト/「コジ・ファン・トゥッテ」~いとしい人の愛のそよ風は (ジョッシュ・ラヴェル)
モーツァルト/「コジ・ファン・トゥッテ」~六重唱「麗しのデスピーナちゃんに」 (オルガ・べズメルトナ、レーチェル・フランケル、シミナ・イヴァン、ジョッシュ・ラヴェル、ラファエル・フィンガーロス、ヴォルフガング・バンクル)
 ピアノ/アンネマリー・ハーフルト Annemarie Herfurth

総勢15人のアンサンブル歌手たちでしょうか、これだけ集まると壮観ですね。
歌はどれもお馴染みのものですが、バンクルがマンドリン伴奏を披露したのは軽い驚き。歌手だけではない側面も見せてくれました。また、魔笛のフム・フム・フムというパパゲーノのパートは、フィンガーロスがマスクを装着して歌い出し、客席の笑いを誘います。今までになかった習慣を直ぐに取り入れてユーモアに変える辺り、大人の対応にも感服。

最後は全員でカーテンコールに応えましたが、ソーシャル・ディスタンスを守って互いの間隔を大きく開け、舞台狭しと並ぶ光景もまた壮観。
なお、現時点でこのコンサートはオッタヴァ・テレビでは見ることが出来ないようです。私は直接ウィーンのホームページから入って鑑賞しました。パソコンだけでなくスマホからもアクセス出来ました。

なお同じ趣向のコンサートは、このあと18日にフランス作品、21日にはドイツ作品、24日にもスラヴ作品とテーマを決めながら開催されることになっています。

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