2000ギニー、大荒れの予感

明日は桜花賞、いよいよ日本はクラシック・シーズンに突入しました。英国のクラシックも来月の初めに迫ってきましたが、昨日の10日、フランスとイギリスのギニー戦線を占う重要なトライアルが行われています。
フランスのメゾン=ラフィット競馬場。牡馬によるジェベル賞と牝馬のためのアンプルーダンス賞。
まずジェベル賞(リステッド、3歳牡馬、1400メートル)はリステッド・レースながら、ギニーへの重要なトライアルとして歴史を刻んでいます。1400メートルはクラシックより200メートル短いとは言え、直線コースで行われるためにニューマーケットへのステップとして最適なのです。
今年は7頭が顔を揃えましたが、断然視されていたのがナーコース Naaqoos 。去年のジャン=リュック・ラガルデール賞(グラン・クリテリウム)を逃げ切った馬ですね。
調教するヘッド師も、“今年の冬は寒かったけれど、馬は順調。ここをステップにしてニューマーケット遠征だ”と豪語していましたから、2対9の圧倒的な人気。この時点で英2000ギニーの2番人気に支持されている馬です。
ところが判らぬもの。快調に逃げたナーコースの脚が止まり、追走したル・アーヴル Le Havre の差し切り勝ち。
頭差とは言え、ナーコースの2着は期待を大きく裏切る結果に・・・。ガックリ来たヘッドさん、ニューマーケットは白紙と宣言する始末です。
3着は2馬身差でディアブルサイド Diableside という馬。
各ブックメーカーはナーコースのオッズを一気に下げました。現在の1番人気はオブライエン厩舎のマスタークラフツマン Mastercraftsman ですが、マスタークラフツマン自身はグラン・クリテリウムでナーコースの4着に敗退しているのです。
勝ったル・アーヴルは2歳時3戦2勝。唯一の敗戦は不良馬場のクリテリウム・インターナショナルの7着ですからほとんど参考にならず、評価以上の実力馬かも知れません。
調教師はジャン=クロード・ルゲ、このレース4勝目です。騎乗したのはクリストフ・ルメールで2勝目。
陣営では、ニューマーケットではなく、フランスの2000ギニー(プール・デッセ・デ・プーラーン)を目指す由。
ルゲ/ルメールのコンビ、何と続くアンプルーダンス賞(GⅢ、3歳牝、1400メートル)も勝ってダブル達成です。
アンプルーダンス賞は去年ナタゴラが勝った(これもルメール騎乗)レースと言えば手っ取り早いでしょう。
このトライアルも去年まではリステッドだったのですが、今年からGⅢに格上げです。ジェベル賞は何故パターン・レースに上がらないのでしょうか。
今年は7頭立て、5対4の本命に支持されたエルーシヴ・ウェイブ Elusive Wave の楽勝です。この馬は去年のマルセル・ブーサック賞でプロポーショナル Proportional の2着に食い込んだ馬ですから、順当な結果です。
2着は2馬身でアントル・ドゥーゾー Entre Deux Eaux 、3着は更に2馬身半でオンリー・グリーン Only Green 。
エルーシヴ・ウェイブは英国には遠征せず、フランスの1000ギニーから仏オークスに向かう予定。
1000ギニーには影響が無さそうな結果です。
ということで、今年の2000ギニー、2番人気ナーコースの凡走、これに負けたマスタークラフツマンは本当に強いのかという疑問にも繋がる結果に。
来週のニューマーケットのトライアル戦でよほど強い勝ち方をする馬でも出ない限り、どうやら本命不在の大混戦という予感がしてきました。

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