3カ国の2歳戦

昨日の土曜日は、英愛仏3国で2歳馬のパターン・レースが行われました。他にもいくつか共通点がありましたが、順次取り上げていきましょう。

先ずはイギリス、サンダウン競馬場のソラリオ・ステークス(GⅢ、2歳、7ハロン16ヤード)から。
1984年にはオー・ソー・シャープ Oh So Sharp が、2007年にはレイヴンズ・パス Raven’s Pass が勝っている、翌年のクラシックに繋がる重要な一戦です。

今年は2頭が取り消し、6頭立てで争われました。6対5の1番人気は、ニューマーケットの同じ距離(7ハロン)でデビュー勝したばかりのネイティヴ・カーン Native Khan です。

レースはステントリアン Stentorian の逃げで始まりましたが、最後方に待機し、内を衝いて伸びた本命ネイティヴ・カーンが期待に応えました。
半馬身差2着にハノン厩舎の無敗馬メジャリング・タイム Measuring Time が続き、更に半馬身差3着がサリー・スター Surrey Star の順。

ネイティヴ・カーンはエド・ダンロップが調教する芦毛馬。エディー・エイハーンが騎乗していました。
これで2戦2勝となった同馬、今後はGⅠ路線を歩む予定。フランス産馬ということもあって、グラン・クリテリウムも視野に入れている由です。
来年の2000ギニーに25対1から33対1のオッズが出されました。

ダンロップ調教師、エイハーン騎手にとって共にソラリオ・ステークス初勝利となります。

次はアイルランド、カラー競馬場のフューチュリティー・ステークス(GⅡ、2歳、7ハロン)に行きましょう。
こちらも将来のクラシック馬を輩出してきた歴史ある一戦で、過去の勝馬には1999年のジャイアンツ・コーズウェイ Giant’s Causeway 、2007年はニュー・アプローチ New Approach 、そして去年のケープ・ブランコ Cape Blanco が登場します。

今年は7頭立て。例によってオブライエン厩舎が4頭を出走させてきましたが、1番人気は同じ距離、同じコース(カラーの7ハロン)でデビュー勝したパスフォーク Pathfork でした。

オブライエン軍団のペースメーカー、ルドルフ・ヴァレンチノ Rudolf Valentino が逃げましたが、これをピタリと2番手でマークした本命パスフォークがゴール前2ハロンで軽やかに抜け出すと、そのまま2着グロール・ナ・マラ Glor Na Mara に1馬身半差を付ける快勝です。
更に2馬身半差3着にオブライエン厩舎の筆頭格サミュエル・モース Samuel Morse の順。
ここは1・2番人気による決着でした。

パスフォークは、女流調教師ジェシカ・ハリントンの管理馬。フラン・ベリーの騎乗。
この馬も2戦2勝。内容の良さが買われて、来年の2000ギニーに12対1のオッズが出されました。現時点での3番人気です。
2着に入ったグロール・ナ・マラは、未勝利馬ながら出走した3戦は全てパターン・レース。前走のGⅠ戦(フェニックス・ステークス)で2着していますから、フューチュリティーの好内容が評価されたのでしょう。

ハリントン調教師、ベリー騎手にとって共にフューチュリティー・ステークス初勝利。

最後はフランスのカルヴァドス賞(GⅢ、2歳牝、1400メートル)。一昨年の勝馬は翌年の仏1000ギニーを制したエルーシヴ・ウェイヴ Elusive Wave という、これまたクラシックに繋がるレースです。

今年は英国からの参戦2頭を含めて6頭立て。9対10の1番人気に支持されたのは、英国組の1頭でスイート・ソレラ・ステークス(GⅢ)で2着したチャップル=ハイアム厩舎のクライング・ライトニング Crying Lightning 。

しかしここは小波乱。3番人気(4対1)のマムビア Mambia が逃げ切ってしまいました。1馬身半差2着にミス・フィフティー Miss Fifty 、更に1馬身半差3着に英国(シャノン厩舎)のもう1頭、フォーク・ハンドルズ Fork Handles の順。
本命クライング・ライトニングは、2番手に付けながら伸びを欠き4着敗退です。陣営からはフケ(発情)の可能性が指摘されました。

マムビアはジョエル・ボアナール厩舎、デイヴィー・ボニラの騎乗。
3戦目で初勝利を挙げてから、これで4連勝となります。前走はヴィシー競馬場のリステッド戦で、パターン・レースは初制覇。当然ながらマルセル・ブーサック賞を目指すことになるでしょう。

マムビアは日本にも多少関連があります。同馬の父は、現在、静内スタリオン・ステーションで供用されているアルデバラン Aldebaran なのですね。マムビアの今後に要注目。

ボアナール調教師、ボニラ騎手にとって共にカルヴァドス賞初勝利。昨日3カ国で行われた、いずれも7ハロンの距離での2歳戦に共通する結果でもありました。

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