今日の1枚(101)

テスタメントが復刻したフルトヴェングラーのCD、今日が最後です。フルトヴェングラーというよりはピアニスト・エドウィン・フィッシャーに照準を当てたもの。SBT-1170 。

①ブラームス/ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
②フルトヴェングラー/交響的協奏曲ロ短調~第2楽章

フィッシャーのピアノ、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏。②は「今日の1枚(86)」と同じものですから繰り返しませんが、日本盤と違うのはデータが整っていること。

①1942年11月8日と9日、ベルリンのフィルハーモニーで行われたライヴ。ドイツ・ラジオ(RRG)が収録して、現在はゼンダー・フライエス・ベルリンのアーカイヴに納められている由。プロデューサーやエンジニア名はありません。

②1939年4月25日 ベルリンのフィルハーモニーでのスタジオ録音。プロデューサーは Walter Michael Berten 、エンジニアは Johannes Huebener とクレジットされています。
日本盤とは録音日時も違ってます。

①は1942年のライヴですから、鑑賞に堪えるギリギリのレヴェル。両巨匠の演奏スタイルを垣間見ることが出来る程度の音質です。
フルトヴェングラー演奏会記録集によると、このプログラムは11月8日から11日まで4日間演奏されています。
フロンメル/交響曲作品13(世界初演)
ブラームス/ピアノ協奏曲第2番(フィッシャー)
ワーグナー/トリスタンとイゾルデ~前奏曲と愛の死
というもの。11月10日だけはピアニストがヨハンネス・ボルクという人に代わったそうです。

いずれにしてもフィッシャーはフルトヴェングラーが最も信頼していたピアニスト、当盤の2曲の他にベートーヴェンの第5協奏曲のスタジオ録音が残されていますね。
テスタメント盤のブックレットはサンダースではなく Gerald Kingsly のものと Bryce Morrison の2編が収録されています。

キングスレーはフィッシャーの弟子で、師としてのフィッシャーを語ったもの。
フィッシャーは“原典版 Urtext は重要だけれど、作品に命を吹き込むのは作曲家の精神そのもの Urspirit だ” (ディヌ・リパッティの言葉)と諭したそうですが、その感じは第3楽章の中間部に最も良く表れていると思います。
もちろん第2楽章の繰り返しは実行。

参照楽譜
①オイレンブルク No.715

 

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