沼尻竜典、最後のマエストロ・サロン

昨日、東京国際フォーラムで行われている日本フィルの企画「マエストロ・サロン」に参加しました。
会場の都合ということで、今回はいつものガラス棟ではなくホールD1。飲食禁止スペースなので茶菓の提供はありません。従って会費も500円均一。
今回のマエストロは5月定期を振る沼尻竜典。相変わらず歯に衣着せぬ発言、痛烈な皮肉をソフトな表現に包む込む話術は、この人独特の個性でしょう。
しかし語られる内容は正論そのもの。特に冒頭の近況報告では、沼尻の優れた洞察力と毅然たるポリシーが貫かれていて、クラシック音楽ファンならずとも一度は聴いておくべきものと思慮します。
“50年後には、ベートーヴェンもブラームスも日本か中国でしか聴けなくなる、ということが欧米では本気に議論されています” 私もその通りだと考えていますね。
本編のマーラー、リヒャルト・シュトラウスの作品解説も、改めて彼の譜読みの深さに感服。特にアルプス交響曲については私も認識を改めなければなりませんな。
その沼尻トークも今回が最終回でしょう。沼尻と日本フィルが取り組んできた後期ロマン派ドイツ音楽の世界も今回がラスト。マエストロが日本フィルの指揮台に立つことは暫くなくなります。
本定期は、両者にとって惜別の意味を籠めたコンサートになります。
マエストロ沼尻との別れを惜しんで、サロン終了後にサインを求める長い列が出来ていました。
http://japanphil-21.music.coocan.jp/ms0905/ms0905index.html

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