又しても内枠、仏ダービー

日曜日に行われたフランス・ダービー、正しくはジョッケ・クラブ賞(GⅠ、3歳、2100メートル)の結果が入っています。
距離が2400メートルから300メートル短縮されて5年目になりますが、この変更には大いに疑問が残りますね。
確かに17頭の多頭数が集結することには貢献しているでしょうが、クラシック・レースに対する条件変更はすべきではないでしょう。レースの結果を見ると、「ダービー」としての権威が落ちてしまった感は免れません。
勝馬はル・アーヴル Le Havre 、今期絶好調のジャン=クロード・ルゲ調教師、クリストフ・ルメール騎手のコンビです。
馬場は雨と散水のために力の要る重馬場。中団から抜け出しての勝利で、2着フュイッセ Fuisse に1馬身半差、3着も同じく1馬身半でウェストファリア Westphalia の順。
勝馬の最終人気は119対10でした。1番人気(27対10)を集めた仏2000ギニー馬シルヴァー・フロスト Silver Frost はスタミナ不安が的中して6着に終わっています。
ル・アーヴルは4枠、2着は3枠と、又しても内枠スタートの馬が好成績を残す結果になりました。これも疑問ですね。クラシック・レースがこうも枠順に左右されて良いものでしょうか。
因みに上位8頭の内、枠順が一桁だったのは6頭です。外枠で上位に絡んだのは13番枠から3着したウェストファリアと15番枠で4着に追い込んだベヘシュタム Beheshtam だけ。
この辺を考慮に入れながら馬の実力を再計算しなければなりませんね。
ル・アーヴルは仏2000ギニー2着、ウェストファリアは3着でしたから、結果はある程度実力を反映しているとも言えるでしょう。
ル・アーヴルは小柄、成長著しい馬で、2000メートルを最も得意とする血統でもあります。
フュイッセは反対に大柄な馬で、先頭に立つのが速過ぎた感はあります。キャリアが浅いので、これからの活躍が期待されましょう。
その意味では最後方から4着に突っ込んできたベヘシュタムに大物感が漂います。無敗の記録はストップしましたが、まだ3戦、新馬戦が2400メートルだったように、距離伸びて更に実力が発揮できるタイプと見ました。
さてこの日は他にパターン・レースが二鞍行われています。
仏ダービーを制したルゲ/ルメールのコンビ、留まるところを知らず、この2戦も勝ってシャンティー競馬場を完全制圧してしまいました。
ロヨーモン賞(GⅢ、3歳牝、2400メートル)は7頭立て。スタート良く飛び出したルゲ/ルメールのケッチェ Quetsche が、イーヴンの1番人気に支持されたシャマキーヤ Shamakiya の追い込みを短首差しのいで優勝。3着は1馬身差でベック・アドレー Becqu Adoree 。
続くポール・ド・ムーサック賞(GⅢ、3歳、1600メートル)は2005年までラ・ジョンシェール賞として知られていたレース。
今年は10頭が出走し、22対10の1番人気に支持されたハンサム・マエストロ Handsome Maestro をゴール直前、ルゲ/ルメールのオワゾ・ド・フ Oiseau De Feu が短首差差し切っての優勝。3着は2馬身半で久々のオリザバ Orizaba という結果。
オワゾ・ド・フは、名前から連想されるとおり、ストラヴィンスキー Stravinsky の産駒です。
ロヨーモンといいムーサックといい、本命馬を短首差でルゲ/ルメール・コンビが破るという、ソックリなパターンが繰り返されたシャンティーです。

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