ロイヤル・アスコット2009・4日目

ロイヤル・アスコットの4日目、ハイライトはもちろんコロネーション・ステークスですが、ヒルズ・ファミリーにとって忘れられない日になりました。
第1レースは伝統の2歳牝馬戦、アルバニー・ステークス(GⅢ、2歳牝、6ハロン)。22頭の多頭数が揃った混戦を断ったのは16対1の人気薄、ハバーイブ Habaayib 。11対8の1番人気リトル・ラングトリー Little Langtry が追い込んできましたが及ばず1馬身4分の1の2着。
3着は更に2馬身半差でセシル厩舎のチャチャメイデー Chachamaidee 。
勝馬の調教師はエド・ダンロップ、騎手はリチャード・ヒルズでした。
ここにもアメリカからウォード/ヴェラスケス・コンビのエーギアン Aegean が出走して注目されましたが、9着と期待を裏切っています。
第2レースはダービーと同じ距離で行われるキング・エドワード7世ステークス(GⅡ、3歳、1マイル4ハロン)。
12頭が出走し、新星サウス・イースター South Easter が7対2の本命に支持されましたが6着敗退。
勝ったのは古豪ヘンリー・セシルが調教するファーザー・タイム Father Time 。2着に4馬身差を付ける圧勝でした。
その2着はノセダ厩舎のユア・オールド・パル Your Old Pal 、3着は首差でオブライエン厩舎のブラック・ビアー・アイランド Black Bear Island 。
セシル師にとってこの勝利はロイヤル・アスコットの71勝目に当たります。一時衰退した感のあるセシル厩舎ですが、ここに来て盛り返しつつあります。感想を問われたセシル翁、100勝が目標さ、と報道陣を煙に巻いていました。
騎手はエディー・エイハーン。主戦のトム・クィーリーは同じセシル厩舎のネイティヴ・ルーラー Native Ruler を選択したため、幸運が巡ってきたのです。
そのネイティヴ・ルーラーは7着敗退。
勝ったファーザー・タイム、パッセージ・オブ・タイム Passage of Time の全弟に当たり、秋のセントレジャーを目指す由。
いよいよ第3レースは今アスコットで最も注目されるコロネーション・ステークス(GⅠ、3歳牝、1マイル)です。期待通り英仏愛3カ国の1000ギニー馬が激突、スリリングなレースになりました。10頭立て。
しかし結果は一方的、英1000ギニーを制したガナーティ Ghanaati が2着レッガーヌ Reggane に2馬身という決定的な差を付けて快勝しています。3着は更に2馬身4分の1でレインボウ・ヴュー Rainbow View 。
トラック・レコードというおまけ付です。
仏1000ギニーのエルーシヴ・ウェイブ Elusive Wave は4着、愛1000ギニーのアゲイン Again は7着。
愛ギニー2着のラハレーブ Lahaleeb が5着、英ギニー4着のハート・シェイプト Heart Shaped が6着と言ったところ。
ガナーティが1000ギニーに勝った時は20対1という大穴でしたが、今回は2対1の本命。クラシックがフロックではないことを見抜いていたブックメーカーの目は確かでした。
勝馬を調教するバリー・ヒルズ師、実は最近に喉頭癌が見つかり、一時は危なかったんですね。幸いにも手術は成功し、現場に復帰したばかり。父バリーの不在中、ガナーティを管理し調教してきたのが息子のチャーリーです。
騎乗した同じく息子のリチャード・ヒルズももちろん1000ギニーでも騎乗していましたが、この日の第1レースに続いてのダブル達成です。
ガナーティ Ghanaati とはアラビア語で「My Love」(我が愛)のこと。ヒルズ・ファミリーにとって真に相応しい名前じゃありませんか。
そのガナーティ、詳しくは1000ギニーや血統プロフィールで紹介しましたが、これで4戦無敗。かなりの大物かも知れません。2009年競馬界を牽引する名馬の1頭に加わってきた感じがします。
第4レースはハンデ戦。4歳上の1マイル2ハロンで行われるウルファートン・ハンディキャップ。
15頭立てを制したのは8対1のパーフェクト・ストライド Perfect Stride 。7対2で1番人気のストーン・オブ・スコーン Stone Of Scorn はどん尻15着の惨敗です。
2着に粘り込んだムーンクェイク Moonquake はデットーリの絶妙なペース。早めにマークしたムーア騎手の好判断で、僅かに末脚が勝るパーフェクト・ストライドの差し切り勝ちです。
スタウト/ムーア・コンビにとって今開催の2勝目。
第5レースは長距離のクィーンズ・ヴェイス(GⅢ、3歳、2マイル)。14頭が出走し、1番人気は4対1のドゥーシャン Dhushan 。
ドゥーシャンは12着惨敗で、優勝は7対1のホルベルグ Holberg 。2着は4馬身差でオブライエン厩舎のヤンキー・ドゥードゥル Yankee Doodle 、3着は4分の3馬身でゴドルフィンのイタリア・ダービー馬マスタリー Mastery の順。
このレースに強いマーク・ジョンストン師は、9年間で5勝を挙げたことになります。騎手はジョー・ファニング。
圧勝したホルベルグはセントレジャーでなく、長距離適正を活かしてカップレース路線を歩む予定。
2着ヤンキー・ドゥードゥルは未だ馬が若く、むしろ来年に期待したいというオブライエン師からのコメントが出ました。
3着マスタリーはクラシック馬でもあり、セントレジャーに向かいたい意向。
最終第6レースもハンデ戦。3歳上7ハロンのバッキンガム・パレス・ステークスは29頭立て。
ここも1番人気(13対2)のマシーブ Matheeb が4着に負け、12対1のジャイジャンティクス Giganticus が勝ちました。
この一日を祝福するかのように、バリー・ヒルズ調教師のダブル達成です。
しかも騎乗したのはヒルズ・ファミリーのもう一人の息子、マイケル・ヒルズ。
ヒルズ祝祭日の一日はこちらから。↓
http://gallery.sportinglife.com/Gallery_Detail/0,17732,13262_5389033,00.html

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