久々のバデル・ファミリー

昨日は very soft のコンディションの中、ロンシャン競馬場でG戦2鞍が行われています。

コンデ賞 Prix de Conde (GⅢ、2歳、1800メートル)は7頭立て。前走シェーヌ賞(GⅢ)2着のエリプティック Elliptique の実績が勝り、イーヴンの1番人気に支持されていました。
英国から遠征した2騎の内の1頭、ダブル・ブラフ Double Bluff が逃げましたが、最後方に待機したエリプティックが期待通り直線で抜け出すと、2番人気(33対10)ディアーガン Diaghan に1馬身差を付けて優勝、半馬身差3着にも3番人気(43対10)サライ Salai が入り順当な結果に収まっています。英の2頭はダブル・ブラフがバテて6着、ライジング・プリーズ Rising Breeze もシンガリ負けと全く奮いませんでした。

エリプティックは、名門ロッシルド・ファミリー(英語読みならロスチャイルド)がオーナー/ブリーダー。管理するアンドレ・ファーブル師は、このレース7勝目で史上トップです。騎乗したマキシム・グィヨンは初勝利。
いきなりドーヴィルの条件ステークスでデビューして初勝利、2戦目に同じドーヴィルでリステッド戦に挑戦しましたが、エクトー Ectot の3着。そして前走シェーヌ賞でまたもエクトーに敗れて2着だった馬。この勝利でエクトーの評価が更に上がる結果となったことは間違いないでしょう。父はニュー・アプローチ New Approach 、来年の長距離クラシックを目指す1頭です。

もう一鞍がコンセイユ・ド・パリ賞 Prix du Conseil de Paris (GⅡ、3歳上、2400メートル)。凱旋門賞より古い歴史があり、秋の重要な長距離戦の一つでしたが、凱旋門賞が創設されてからは、その残念会のような位置付けに落ち着いてしまいました。
今年は凱旋門組の参戦は無く、1頭が取り消しての5頭立て。地方競馬で3連勝し、前走サン=クルーのリステッド戦でも2着に健闘したデュポンタル Dupontal が17対10の1番人気に支持されています。

スタートが良かったのは3番人気(29対10)のノース・キング Norse King 。しかし直ぐに先頭を奪い返したデュポンタルが逃げ切りを図ります。直線、一旦2番手に下げたノース・キングがスパートし、デュポンタルに2馬身半差を付けて快勝。首差でチルダ Childa が3着に入りました。
ノース・キングは条件戦を中心に堅実に走った来た4歳馬。前走サン=クルーのリステッド戦(2800メートル)にも勝って3連勝となりました。管理するのはミリアム・ボラック=バデル夫人で、鞍上は息子の若きアレクシス・バデルくん。

バデル夫人と言えば、1990年にエア・ド・リアン Air de Rien でサン・タラリ賞、1995年にはオールウェイズ・アーネスト Always Earnest でカドラン賞を、そして2000年にも再びサン・タラリ賞をレーヴ・ドスカー Reve d’Oscar で制した女流調教師。このGⅠ3鞍は、何れも夫であるアラン・バデルの騎乗で勝ちましたが、今回は息子に譲っての久々となるG戦勝利です。アランは現在は調教助手という肩書に身を引いているようですね。
このうちレーヴ・ドスカー(吉田勝巳氏の所有)はジャパン・カップ(7着)にも遠征してきましたから、年季の入った競馬ファンにもお馴染みでしょう。彼女は日本で繁殖入りし、阪神ジュヴェナイル・フィリーズのレーヴディソールを出しています。
ということで、久し振りにバデル・ファミリーが表舞台に登場したロンシャンです。

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