アルトゥール・ロジンスキ指揮ニューヨーク・フィル(10)

ニューヨーク・フィルの音楽監督としてのロジンスキのプログラム、今回が最終回です。
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1946年3月21・22日 カーネギーホール
 リャードフ/魔法にかけられた湖
 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
 プロコフィエフ/交響曲第5番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/アルトゥール・ルビンスタイン
1946年3月23日 カーネギーホール
 リャードフ/魔法にかけられた湖
 メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
 プロコフィエフ/交響曲第5番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/エンジェル・ライエス
1946年3月24日 カーネギーホール
 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
 プロコフィエフ/交響曲第5番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/アルトゥール・ルビンスタイン
1946年3月28・29日 カーネギーホール
 イベール/祝典序曲(アメリカ初演)
 フィテルベルク/管弦楽のための夜想曲(世界初演)
 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
 ショーソン/交響曲
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/ジノ・フランチェスカッティ
1946年3月30日 カーネギーホール
 ライオネル・バリモア/パルティータ
 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第1番
 ボロディン/歌劇「イーゴリ公」ダッタン人の踊り
 ショーソン/交響曲
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/ヒルデ・ソマー
1946年3月31日 カーネギーホール
 ライオネル・バリモア/パルティータ
 ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/ジノ・フランチェスカッティ
1946年4月3日 カーネギーホール
 ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
 グリューエンバーグ/ヴァイオリン協奏曲
 メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
 チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/ヤッシャ・ハイフェッツ
1946年4月4・5日 カーネギーホール
 グールド/弦楽合奏と管弦楽のためのスピリチュアル
 ドニゼッティ/歌劇「ラ・ファヴォリータ」~あゝ、私のフェルナンド
 スピリチュアル2曲
 マーラー/さすらう若人の歌
 スティル/管弦楽のための詩曲
 チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  コントラルト/マリアン・アンダーソン
1946年4月7日 カーネギーホール
 ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
 シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
 グールド/弦楽合奏と管弦楽のためのスピリチュアル
 ボロディン/歌劇「イーゴリ公」ダッタン人の踊り
 ショーソン/交響曲
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/カミラ・ウィックス
1946年4月11・12・14日 カーネギーホール
 バーナード・ロジャーズ/「フランクリン・デラノ・ルーズヴェルトの想い出に」(世界初演)
 ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
 ベートーヴェン/交響曲第9番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  独唱/ドロシー・カーステン、ナン・メリマン、ドナルド・デイム、トッド・ダンカン
  合唱/ウェストミンスター合唱団
1946年4月18日 カーネギーホール
 ガーシュイン/パリのアメリカ人
 ガーシュイン/ピアノ協奏曲へ調
 ガーシュイン/「ポーギーとべス」歌曲集
 ガーシュイン/ラプソディー・イン・ブルー
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/オスカー・レヴァント
  独唱/アン・ブラウン、トッド・ダンカン
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3月28目29日のフィテルベルク Grzegorz Fitelberg (1879-1953) は、ラトヴィアに生まれたポーランドの指揮者・ヴァイオリニスト・作曲家。ベルリンでシマノフスキ等と「若きポーランド」というグループを結成していました。
ワルシャワ・フィル、ウィーン、ペトログラード、モスクワなどのポストを歴任。2曲の交響曲やヴァイオリン協奏曲などを残しています。
3月30日に演奏されたバリモアという作曲家については良く判りません。ネットで検索すると有名な映画俳優に行き当たりますが、この人は作曲もしたという記録がありますから、あるいは彼の作品かも知れません。一応、参考まで。↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Lionel_Barrymore
4月3日にハイフェッツが弾いたグリューエンバーグ Louis Gruenberg (1884-1964) 。ハイフェッツはこの協奏曲を得意にして録音もしたはずですから、聴かれた方も多いでしょう。そもそもハイフェッツのために作曲された作品です。
グリューエンバーグはロシア生まれのアメリカの作曲家・ピアニスト。ピアニストとしてのデビューは1912年のベルリン・フィルだったと言いますから、相当な腕達者だったのでしょう。
作品にはジャズの影響が濃く、協奏曲の他には映画音楽が多いようです。メットで初演されたオペラ(The Emperor Jones)なども手掛けていますがね。交響曲も5曲ある由。
4月4日と5日にマリアン・アンダーソンが歌ったスピリチュアル(黒人霊歌)は、“Sometimes I Feel like a Motherless Child” と “Ride On, King King Jesus” の2曲でした。
4月11日に第9と共に演奏されて世界初演されたバーナード・ロジャーズ Bernard Rogers (1892-1968) は、ニューヨークに生まれてロチェスターで没したアメリカの作曲家。批評家としても活躍しました。
イーストマン音楽学校で学んだ人で、この人も交響曲を5曲残しています。

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