真のスター、シー・ザ・スターズ
昨日の大一番、エクリプス・ステークスの結果が入ってきました。
先週のアイルランド・ダービーを激しい雨を理由に回避したシー・ザ・スターズ Sea The Stars 、翌週のサンダウン競馬場で行われるエクリプス・ステークス(GⅠ、3歳上、1マイル2ハロン)に出走してきました。同期の馬たちによる1マイル半の重馬場より、1マイル4分の1の良馬場での古馬との対決を選んだのです。
結果は大正解。この名馬の辞書には「敗戦」の文字はないようですね。
出走馬は10頭。3歳馬5頭に対し古馬5頭という図式です。3歳の代表はもちろん2000ギニー/ダービー2冠のシー・ザ・スターズと、二度の対戦で負けてはいるものの成長力が期待されるリップ・ヴァン・ウィンクル Rip Van Winkle 。
一方古馬陣は去年のセントレジャー馬でスタウト厩舎のコンデュイ Conduit が代表格ですが、若干見劣りするメンバーという印象です。
人気もこれを反映してシー・ザ・スターズが4対7という一本被りの様相。コンデュイが9対2、リップ・ヴァン・ウィンクルが11対2で続きます。三つ巴。
レースはラング・シャイニング Lang Shining とセット・セイル Set Sail の2頭のペースメーカー(前者はコンデュイの、後者はリップの)による激しい先行争いでスタート。主力馬は後方に待機します。
競馬になったのは、直線で早めに先頭に立ったシー・ザ・スターズを、マークしたリップ・ヴァン・ウィンクルが捉えようとした所まで。役者が違ったようです。
交わされる不安を全く感じさせず、シー・ザ・スターズがリップ・ヴァン・ウィンクルに1馬身差をキープして優勝。コンデュイも追い込んできましたが、3歳ペアに4馬身半及ばず3着。去年のイタリア・ダービー馬で日本人馬主のシーマ・ド・トリオンフ Cima De Triomphe 4着という結果でした。
3歳と古馬の実力差が歴然と出てしまいましたね。
2000ギニー→ダービー→エクリプスの3連勝は1989年のナシュワン以来。20世紀には4頭しか達成していない「真のスター」の称号です。
オックス調教師にとって勝馬の目標はアイリッシュ・チャンピオン。凱旋門賞の1番人気に上がっていますが、出走は微妙な段階のようです。
3週間後のキング・ジョージ、更に3週間後のヨークのインターナショナルもプランに上がっていますが、アイリッシュ・チャンピオンの前にどちらか1戦というローテーションになりそう。
騎乗したミック・キネーンはエクリプス4勝目。ムルタ騎手が騎乗停止中のためオブライエン厩舎のリップ・ヴァン・ウィンクルにはジミー・フォーチュンが騎乗、この馬はまだ若く、これからも成長が期待されるとのこと。オブライエン師も、今後もスターに挑戦し続けるという談話を発表しています。
前日に英国入りしたクリストファー・ツイ馬主、この日の暑さとレースのスリルに一時意識を失い、救急車が呼ばれたほど。幸いレース後の勝利馬誘導までには回復して事無きを得た、というエピソード付きでした。
さてこの日は第1レースにもパターン・レースが組まれていました。スプリント・ステークス(GⅢ、3歳上、5ハロン)。
2004年からパターン・レースに格上げされたもので、今年からエクリプス・ステークスの長年のスポンサーであるコラルがこのレースもスポンサーとなることになり、タイトルは「コラル・チャージ」となっています。
11頭立て。勝ったのは9対2、ギリシャから転戦してきたイアリソス Ialysos 。2着に半馬身差で1番人気(13対8)のトリプル・アスペクト Triple Aspect 、3着は首差でマスタ・プラスタ Masta Plasta が入線しました。
調教師はルカ・クマニ、騎手はクリストフ・ルメール、馬主はギリシャのマリノプーロス・ファミリーです。
このトリオ、次のハンデ戦にも勝ってこの日はダブル達成でした。
勝ったイアリソスはギリシャの無敵スプリンター、英国デビューの前々走も勝って「ギリシャの怪物」という綽名が付けられているんですね。
前走のアスコット、ゴールデン・ジュビリーは惨敗しましたが、これまで経験したことの無い芝の重馬場という敗因がハッキリしています。
これで英国3戦2勝。
さて土曜日はもう一つ、ヘイドック競馬場でランカシャー・オークス(GⅡ、3歳上牝、1マイル3ハロン200ヤード)が行われています。
1939年にマンチェスター競馬場で創設、1963年にマンチェスターが閉鎖されてからヘイドックに移行されたレース。
当初は3歳牝馬のみのGⅢでしたが、1991年に古馬にも解放、2004年からGⅡに格上げという経緯の一戦。
9頭立てを制したのは12対1の穴人気、5歳のバーシバ Barshiba でした。2着に3馬身4分の3差でフォールン・イン・ラヴ Fallen In Love 、3着に1馬身半差でスターファラ Starfala と1番人気(11対8)のハイ・ヒールド High Heeled が同着。
調教師はデヴィッド・エルスワース。去年まで1マイルを中心にパターン・レースで入着を繰り返していた馬ですが、オーナーが1マイル半でもう一年現役を続行させようと判断。これが見事に結果を出したようです。
騎乗したポール・ハナガン騎手は、去年のアンナ・パヴロヴァ Anna Pavlova に続いて連覇達成。
先週のアイルランド・ダービーを激しい雨を理由に回避したシー・ザ・スターズ Sea The Stars 、翌週のサンダウン競馬場で行われるエクリプス・ステークス(GⅠ、3歳上、1マイル2ハロン)に出走してきました。同期の馬たちによる1マイル半の重馬場より、1マイル4分の1の良馬場での古馬との対決を選んだのです。
結果は大正解。この名馬の辞書には「敗戦」の文字はないようですね。
出走馬は10頭。3歳馬5頭に対し古馬5頭という図式です。3歳の代表はもちろん2000ギニー/ダービー2冠のシー・ザ・スターズと、二度の対戦で負けてはいるものの成長力が期待されるリップ・ヴァン・ウィンクル Rip Van Winkle 。
一方古馬陣は去年のセントレジャー馬でスタウト厩舎のコンデュイ Conduit が代表格ですが、若干見劣りするメンバーという印象です。
人気もこれを反映してシー・ザ・スターズが4対7という一本被りの様相。コンデュイが9対2、リップ・ヴァン・ウィンクルが11対2で続きます。三つ巴。
レースはラング・シャイニング Lang Shining とセット・セイル Set Sail の2頭のペースメーカー(前者はコンデュイの、後者はリップの)による激しい先行争いでスタート。主力馬は後方に待機します。
競馬になったのは、直線で早めに先頭に立ったシー・ザ・スターズを、マークしたリップ・ヴァン・ウィンクルが捉えようとした所まで。役者が違ったようです。
交わされる不安を全く感じさせず、シー・ザ・スターズがリップ・ヴァン・ウィンクルに1馬身差をキープして優勝。コンデュイも追い込んできましたが、3歳ペアに4馬身半及ばず3着。去年のイタリア・ダービー馬で日本人馬主のシーマ・ド・トリオンフ Cima De Triomphe 4着という結果でした。
3歳と古馬の実力差が歴然と出てしまいましたね。
2000ギニー→ダービー→エクリプスの3連勝は1989年のナシュワン以来。20世紀には4頭しか達成していない「真のスター」の称号です。
オックス調教師にとって勝馬の目標はアイリッシュ・チャンピオン。凱旋門賞の1番人気に上がっていますが、出走は微妙な段階のようです。
3週間後のキング・ジョージ、更に3週間後のヨークのインターナショナルもプランに上がっていますが、アイリッシュ・チャンピオンの前にどちらか1戦というローテーションになりそう。
騎乗したミック・キネーンはエクリプス4勝目。ムルタ騎手が騎乗停止中のためオブライエン厩舎のリップ・ヴァン・ウィンクルにはジミー・フォーチュンが騎乗、この馬はまだ若く、これからも成長が期待されるとのこと。オブライエン師も、今後もスターに挑戦し続けるという談話を発表しています。
前日に英国入りしたクリストファー・ツイ馬主、この日の暑さとレースのスリルに一時意識を失い、救急車が呼ばれたほど。幸いレース後の勝利馬誘導までには回復して事無きを得た、というエピソード付きでした。
さてこの日は第1レースにもパターン・レースが組まれていました。スプリント・ステークス(GⅢ、3歳上、5ハロン)。
2004年からパターン・レースに格上げされたもので、今年からエクリプス・ステークスの長年のスポンサーであるコラルがこのレースもスポンサーとなることになり、タイトルは「コラル・チャージ」となっています。
11頭立て。勝ったのは9対2、ギリシャから転戦してきたイアリソス Ialysos 。2着に半馬身差で1番人気(13対8)のトリプル・アスペクト Triple Aspect 、3着は首差でマスタ・プラスタ Masta Plasta が入線しました。
調教師はルカ・クマニ、騎手はクリストフ・ルメール、馬主はギリシャのマリノプーロス・ファミリーです。
このトリオ、次のハンデ戦にも勝ってこの日はダブル達成でした。
勝ったイアリソスはギリシャの無敵スプリンター、英国デビューの前々走も勝って「ギリシャの怪物」という綽名が付けられているんですね。
前走のアスコット、ゴールデン・ジュビリーは惨敗しましたが、これまで経験したことの無い芝の重馬場という敗因がハッキリしています。
これで英国3戦2勝。
さて土曜日はもう一つ、ヘイドック競馬場でランカシャー・オークス(GⅡ、3歳上牝、1マイル3ハロン200ヤード)が行われています。
1939年にマンチェスター競馬場で創設、1963年にマンチェスターが閉鎖されてからヘイドックに移行されたレース。
当初は3歳牝馬のみのGⅢでしたが、1991年に古馬にも解放、2004年からGⅡに格上げという経緯の一戦。
9頭立てを制したのは12対1の穴人気、5歳のバーシバ Barshiba でした。2着に3馬身4分の3差でフォールン・イン・ラヴ Fallen In Love 、3着に1馬身半差でスターファラ Starfala と1番人気(11対8)のハイ・ヒールド High Heeled が同着。
調教師はデヴィッド・エルスワース。去年まで1マイルを中心にパターン・レースで入着を繰り返していた馬ですが、オーナーが1マイル半でもう一年現役を続行させようと判断。これが見事に結果を出したようです。
騎乗したポール・ハナガン騎手は、去年のアンナ・パヴロヴァ Anna Pavlova に続いて連覇達成。
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