アルトゥール・ロジンスキ指揮ニューヨーク・フィル(12)

ロジンスキがニューヨーク・フィルを指揮したプログラム紹介、これが最終回です。
昨日も紹介したように、ロジンスキは1946-1947シーズンの途中で解雇され、シカゴ交響楽団に転出します。それ以後、ニューヨーク・フィルの指揮台に立つことは二度とありませんでした。
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1946年10月31日、11月1日 カーネギーホール
 ラロ/歌劇「イスの王様」序曲
 ビゼー/交響曲ハ長調
 ドビュッシー/歌劇「ペレアスとメリザンド」抜粋
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  独唱/ラウール・ジョバン、マギー・タイト
1946年11月3日 カーネギーホール
 ヴォルフ=フェラーリ/歌劇「スザンナの秘密」序曲
 ヴュータン/ヴァイオリン協奏曲第4番
 ビゼー/交響曲ハ長調
 フランク/交響曲二短調
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/マイケル・ローゼンカー
1946年11月7・8日 カーネギーホール
 メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」~序曲とスケルツォ
 サン=サーンス/チェロ協奏曲イ短調作品33
 コダーイ/「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
 ショスタコーヴィチ/交響曲第9番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  チェロ/レナード・ローズ
1946年11月9日 カーネギーホール
 メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」~序曲とスケルツォ
 ショパン/ピアノ協奏曲第2番
 コダーイ/「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
 ショスタコーヴィチ/交響曲第9番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/シルヴィア・ザレンバ
1946年11月10日 カーネギーホール
 ラロ/歌劇「イスの王様」序曲
 ショパン/ピアノ協奏曲第2番
 コダーイ/「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
 ショスタコーヴィチ/交響曲第9番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/シルヴィア・ザレンバ
1946年11月14・15日 カーネギーホール
 バーバー/フルート、オーボエ、トランペットと弦のための「カプリコーン協奏曲」
 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
 シューマン/交響曲第2番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/ミッシャ・エルマン
  フルート/ジョン・ウンマー
  オーボエ/ハロルド・ゴンバーグ
  トランペット/ウイリアム・ヴァッキアーノ
1946年11月17日 カーネギーホール
 ベートーヴェン/「アテネの廃墟」トルコ行進曲
 ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
 ベートーヴェン/交響曲第1番
 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/ミッシャ・エルマン
1946年11月19日 ブッシュネル・メモリアル・ホール
 ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
 シューマン/交響曲第2番
 ショスタコーヴィチ/交響曲第9番
 R.シュトラウス/歌劇「バラの騎士」ワルツ集
 ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」~徒弟たちの踊り、名歌手入場
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
1946年11月21目22日 カーネギーホール
 リムスキー=コルサコフ/歌劇「皇帝サルタン」組曲
 ハチャトゥリアン/ピアノ協奏曲
 チャイコフスキー/交響曲第5番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/ウイリアム・カペル
1946年11月24日 カーネギーホール
 ハチャトゥリアン/ピアノ協奏曲
 チャイコフスキー/交響曲第5番
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/ウイリアム・カペル
1946年11月28・29日 カーネギーホール
 ロッシーニ/歌劇「セミラーミデ」序曲
 モーツァルト/交響曲第40番
 ミヨー/チェロ協奏曲第2番(世界初演)
 ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  チェロ/エドムンド・クルツ
1946年11月30日、12月1日 カーネギーホール
 ロッシーニ/歌劇「セミラーミデ」序曲
 モーツァルト/ピアノ協奏曲変ロ長調K595
 リムスキー=コルサコフ/歌劇「皇帝サルタン」組曲
 ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ピアノ/アレック・テンプルトン
1946年12月7・8日 カーネギーホール
 チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」
 チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
 チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
 チャイコフスキー/スラヴ行進曲
  指揮/アルトゥール・ロジンスキ
  ヴァイオリン/ヨゼフ・フックス
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10月末と11月初めのドビュッシー「ペレアスとメリザンド」、ロジンスキが企画したオペラの演奏会形式上演の一つです。もちろん全曲ではありませんが、ニューヨーク・フィルでは珍しいプログラム。
11月28日が世界初演となるミヨー作品。ソロを弾いたクルツは有名な指揮者エフレム・クルツの弟です。そのエフレムは、このシーズンの3月にニューヨーク・フィルの指揮台に立っています。
以上でロジンスキ/ニューヨーク・フィルは終了。次に取り上げるとすればミトロプーロスですが、ロジンスキ以上に演奏回数が多い指揮者。余程覚悟しないと取り組めません。いずれ時間が出来たら、ということで・・・。
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1件の返信

  1. シゴルヒ より:

    初めまして!ロジンスキのNYP時代の演奏会記録、興味深く拝見しました。「春祭」でふっと昔読んだ本(山崎浩太郎氏か、三浦
    淳史氏か?)を思い出したのですが、あんまりジャドソン(NYPの
    マネージャーにして、当時のコロンビアの大ボス)からの横槍に
    ブチ切れたロジンスキが、たまたま演目に「春祭」があったのを
    いいことに怨念ぶちまけて振ったという(原因は、客演のミヨー
    らに対するギャラが少なかったこと・・・・らしい)エピソードがある
    ようです。一方、当のジャドソンは(半分”皮肉”でしょうが)
    「この曲の素晴らしさが初めてわかった」と絶賛したとか(苦笑)
    ・・・・そんな「春祭」、音が残っていたら聴いてみたいもの。
     ちなみに、私は輸入盤のCD-Rでこの演奏から7年後のフィレンツェでのライヴ録音を持っていますが、こちらも面白いですよ!

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