グッドウッド2009・初日
昨日、グッドウッド競馬場のフェスト、グローリアス・グッドウッドが開幕しました。土曜日までの5日間、毎日のようにパターン・レースを含む熱戦が繰り広げられます。
メインは何と言っても二日目、つまり今日行われるサセックス・ステークスですが、先ずは初日の結果から。
初日はベットフェア Betfair がスポンサーになっていますので、全て「ベットフェア」という冠が付きます。
ゴードン・ステークス(GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)は1902年創設のセントレジャーに向けたトライアルと位置付けされるレース。
当初登録から1頭取り消しが出て9頭立てで行われました。
ここは11対4の1番人気に支持されたハービンジャー Harbinger が順当に勝っています。2着は1馬身4分の3でファイアベット Firebet 、3着に首差でアーバン・ポエト Urban Poet 。
ハービンジャーは、この所話題の中心になっているスタウト厩舎所属、ライアン・ムーア騎乗のお馴染みコンビ。奥手タイプに滅法相性の良いスタウト師、このレースも9年間で4勝目という強さで、去年の覇者コンデュイがセントレジャーを制し、ブリーダーズ・カップから先日のキング・ジョージで脚光を浴びたのは生々しい記憶ですね。
当然ながらハービンジャーにもセントレジャー制覇の期待がかかります。実際、ブックメーカーによっては3対1の1番人気に上げてきました。
しかしスタウト師はあくまでも慎重。この馬の血統面から判断して、現時点ではレジャー向きとは考えていないようです。
(父ダンシリ Dansili がマイラー、という点が問題なのでしょうか)
師によれば、ハービンジャーはずぶいタイプで調教では動かず、春は筋肉にトラブルがあって調教も思うようには進まなかった由。
取り敢えずヨークのヴォルティジュールの結果を見てから最終判断、と考えているとのことです。
ハービンジャーが順当にレジャーに勝てば、長年勝てなかった最後のクラシックの2連覇ということになります。要注目。
ベットフェア・カップ(GⅡ、3歳上、7ハロン)はもろにスポンサーの名を冠したレース。そもそもは2000年にレノックス・ステークス(GⅢ)として創設されたレースですが、2003年からGⅡに格上げされています。
出走馬8頭で争われましたが、人気はジュライ・カップの2・3着馬であるメイン・エイム Main Aim (6対5の1番人気)と南アフリカのジェイ・ジェイ・ザ・ジェット・プレーン J J The Jet Plane 。
レースも人気2頭の先行争いで始まりましたが、両馬とも最後は急激にバテて、夫々8着、7着と大惨敗。
混戦を制したのは2000ギニー(9着)以来という久々の3歳馬フィンヤーン Finjaan でした。
2着は半馬身でバルサザールズ・ギフト Balthazaar’s Gift 、3着は1馬身でリーガル・パレード Regal Parade の順。
フィンヤーンの調教師はマーカス・トレゴーニング。実はトレゴーニング厩舎は春先に微熱を伴うウイルスの蔓延で苦慮。6週間にも及ぶ開店休業状態が続いていたのです。フィンヤーンが2000ギニーのあと休養を余儀なくされたのもそのため。
本格的に再始動したのはついこの間で、フィンヤーンの勝利は厩舎にとって今シーズン漸く3勝目のこと。これからの巻き返しに力が入ります。
フィンヤーン自身、この前勝ったのは去年のグローリアス・グッドウッドでのモールコム・ステークスでのこと。縁起の良いグッドウッドではありましょう。
騎乗したタッド・オシェアー Tadhg O’Shea 騎手にとってもラッキー。
フィンヤーンの主戦騎手であるリチャード・ヒルズが、より順調なウークバー Ouqba を選択したため、オシェアーくんにお鉢が回ってきたのです。
荒れたベットフェアー・カップではありましたが、色々なドラマを孕んだ一戦でもありました。
最後はモールコム・ステークス(GⅢ、2歳、5ハロン)。上記フィンヤーンが去年勝ったレースですね。
1829年創設という伝統あるレース。1932年からは牝馬に限定されていましたが、1981年以降は牡馬・せん馬にも再び解放されて今日に至っています。
モールコムは日本にも大いに関係が深いレースで、1920年代の勝馬が数多く日本に種牡馬として輸入され、日本のサラブレッド生産の黎明期に大きく貢献しているのです。
即ち、1924年の勝馬はプライオリー・パーク Priory Park 、翌1925年がレヴュー・オーダー Review Order 、更に1926年のシアン・モア Shian Mor は我々が忘れてはならない大種牡馬。そして1929年のダイオライト Diolite 。
これらのモールコム勝馬の日本での業績を詳しく紹介する余裕はありませんが、日本とも深い係わりのあったレースだ、ということは記憶しておいて欲しいと思います。
さて今年は11頭が出走。10対11の1番人気を集めたムシュー・シュヴァリエ Monsieur Chevalier が順当に勝ちました。
2着は1馬身4分の1でミスター・マナナン Mister Manannan 、3着に1馬身差でアーチャーズ・ロード Archers Road 。
ムシュー・シュヴァリエは前走ニューバリーのスーパー・スプリントをチラッと紹介しましたが、これで7戦6勝という堅実な成績。
しかし勝ち方は順当というには程遠いものでした。スタートに失敗、ここで他馬に8馬身ほど遅れを取ってしまいます。騎乗したリチャード・ヒューズは慌てず騒がず、ウルトラクールの騎乗でムシュー・シュヴァリエを誘導、巧みに馬群を縫って抜け出した脚はクラスが違う瞬発力。
正に後方一気の差し足でした。
調教師はリチャード・ハノン。
メインは何と言っても二日目、つまり今日行われるサセックス・ステークスですが、先ずは初日の結果から。
初日はベットフェア Betfair がスポンサーになっていますので、全て「ベットフェア」という冠が付きます。
ゴードン・ステークス(GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)は1902年創設のセントレジャーに向けたトライアルと位置付けされるレース。
当初登録から1頭取り消しが出て9頭立てで行われました。
ここは11対4の1番人気に支持されたハービンジャー Harbinger が順当に勝っています。2着は1馬身4分の3でファイアベット Firebet 、3着に首差でアーバン・ポエト Urban Poet 。
ハービンジャーは、この所話題の中心になっているスタウト厩舎所属、ライアン・ムーア騎乗のお馴染みコンビ。奥手タイプに滅法相性の良いスタウト師、このレースも9年間で4勝目という強さで、去年の覇者コンデュイがセントレジャーを制し、ブリーダーズ・カップから先日のキング・ジョージで脚光を浴びたのは生々しい記憶ですね。
当然ながらハービンジャーにもセントレジャー制覇の期待がかかります。実際、ブックメーカーによっては3対1の1番人気に上げてきました。
しかしスタウト師はあくまでも慎重。この馬の血統面から判断して、現時点ではレジャー向きとは考えていないようです。
(父ダンシリ Dansili がマイラー、という点が問題なのでしょうか)
師によれば、ハービンジャーはずぶいタイプで調教では動かず、春は筋肉にトラブルがあって調教も思うようには進まなかった由。
取り敢えずヨークのヴォルティジュールの結果を見てから最終判断、と考えているとのことです。
ハービンジャーが順当にレジャーに勝てば、長年勝てなかった最後のクラシックの2連覇ということになります。要注目。
ベットフェア・カップ(GⅡ、3歳上、7ハロン)はもろにスポンサーの名を冠したレース。そもそもは2000年にレノックス・ステークス(GⅢ)として創設されたレースですが、2003年からGⅡに格上げされています。
出走馬8頭で争われましたが、人気はジュライ・カップの2・3着馬であるメイン・エイム Main Aim (6対5の1番人気)と南アフリカのジェイ・ジェイ・ザ・ジェット・プレーン J J The Jet Plane 。
レースも人気2頭の先行争いで始まりましたが、両馬とも最後は急激にバテて、夫々8着、7着と大惨敗。
混戦を制したのは2000ギニー(9着)以来という久々の3歳馬フィンヤーン Finjaan でした。
2着は半馬身でバルサザールズ・ギフト Balthazaar’s Gift 、3着は1馬身でリーガル・パレード Regal Parade の順。
フィンヤーンの調教師はマーカス・トレゴーニング。実はトレゴーニング厩舎は春先に微熱を伴うウイルスの蔓延で苦慮。6週間にも及ぶ開店休業状態が続いていたのです。フィンヤーンが2000ギニーのあと休養を余儀なくされたのもそのため。
本格的に再始動したのはついこの間で、フィンヤーンの勝利は厩舎にとって今シーズン漸く3勝目のこと。これからの巻き返しに力が入ります。
フィンヤーン自身、この前勝ったのは去年のグローリアス・グッドウッドでのモールコム・ステークスでのこと。縁起の良いグッドウッドではありましょう。
騎乗したタッド・オシェアー Tadhg O’Shea 騎手にとってもラッキー。
フィンヤーンの主戦騎手であるリチャード・ヒルズが、より順調なウークバー Ouqba を選択したため、オシェアーくんにお鉢が回ってきたのです。
荒れたベットフェアー・カップではありましたが、色々なドラマを孕んだ一戦でもありました。
最後はモールコム・ステークス(GⅢ、2歳、5ハロン)。上記フィンヤーンが去年勝ったレースですね。
1829年創設という伝統あるレース。1932年からは牝馬に限定されていましたが、1981年以降は牡馬・せん馬にも再び解放されて今日に至っています。
モールコムは日本にも大いに関係が深いレースで、1920年代の勝馬が数多く日本に種牡馬として輸入され、日本のサラブレッド生産の黎明期に大きく貢献しているのです。
即ち、1924年の勝馬はプライオリー・パーク Priory Park 、翌1925年がレヴュー・オーダー Review Order 、更に1926年のシアン・モア Shian Mor は我々が忘れてはならない大種牡馬。そして1929年のダイオライト Diolite 。
これらのモールコム勝馬の日本での業績を詳しく紹介する余裕はありませんが、日本とも深い係わりのあったレースだ、ということは記憶しておいて欲しいと思います。
さて今年は11頭が出走。10対11の1番人気を集めたムシュー・シュヴァリエ Monsieur Chevalier が順当に勝ちました。
2着は1馬身4分の1でミスター・マナナン Mister Manannan 、3着に1馬身差でアーチャーズ・ロード Archers Road 。
ムシュー・シュヴァリエは前走ニューバリーのスーパー・スプリントをチラッと紹介しましたが、これで7戦6勝という堅実な成績。
しかし勝ち方は順当というには程遠いものでした。スタートに失敗、ここで他馬に8馬身ほど遅れを取ってしまいます。騎乗したリチャード・ヒューズは慌てず騒がず、ウルトラクールの騎乗でムシュー・シュヴァリエを誘導、巧みに馬群を縫って抜け出した脚はクラスが違う瞬発力。
正に後方一気の差し足でした。
調教師はリチャード・ハノン。
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