アスコット・セプテンバー・ミーティング最終日

日記のタイトルの通り、昨日の日曜日はアスコット競馬場のセプテンバー・ミーティングの３日目、最終日のパターン・レース２鞍が行われました。

カンバーランド・ロッジ・ステークス(ＧⅢ、３歳上、１マイル４ハロン)は１番人気が強いレースで、去年のアスコット・ゴールド・カップ２着馬(勝馬はイェーツ Yeats)パトカイ Patkai が１年３か月ぶりに登場して本命になるはずでした。
しかしスタウト厩舎のパトカイはレース当日に出走取り消し、６頭立て。

替って１番人気(５対６)に支持されたのは、前走ケンプトン競馬場でセプテンバー・ステークス(ＧⅢ)を制したラーヒブ Laaheb 。既にパターン・レースを勝っているため３ポンドのペナルティーを背負っていましたが、ここは格の違いを見せ付けるだろうという予想です。

雨が叩きつける中、最後の４００メートルで逃げるウィスパリング・ギャラリー Whispering Gallery に並びかけたラーヒブの楽勝と思われましたが、ウィスパリング・ギャラリーの思わぬ粘り腰。
最後はほとんど２頭のマッチレース状態でゴールインし、結局ラーヒブがハナ差ウィスパリング・ギャラリーを抑えて本命馬の伝統を死守しました。
３着は１０馬身の大差が付いてモニター・クローズリー Monitor Closely の順。

勝ったラーヒブはマイケル・ジャーヴィス厩舎、リチャード・ヒルズ騎乗。
驚異的な粘りで２着に食い込んだウィスパリング・ギャラリーは、当初テッド・ダーカンが騎乗する予定でしたが、ダーカンは第２レースで落馬負傷、直前にキーレン・ファロンに乗り替っていました。

続いてダイアデム・ステークス(ＧⅡ、３歳上、６ハロン)。ここは馬場状態のために２頭が取り消して１１頭立て。フランスから遠征してきたアガ・カーンのダルガー Dalghar が９対４の１番人気に支持されていました。

そのダルガー、クリストフ・ルメールを鞍上に果敢に飛ばしましたが、トレードマークである自信満々の待機策を取ったリチャード・ヒューズ騎乗の２番人気(４対１)レディー・オブ・ザ・デザート Lady Of The Desert が測ったように抜け出し、本命馬に２馬身４分の１差を付けて楽勝しています。
更に３馬身４分の３差３着には、スプリントの常連キングスゲート・ネイティヴ Kingsgate Native 。

レディー・オブ・ザ・デザートはブライアン・ミーハン師の管理馬、前走ヘイドック競馬場でのベットフレッド・スプリント・カップ２着の実力を証明しました。
末脚を武器とする同馬にとって、今回はハイペースがピタリと壺に嵌った印象です。

ここにきてグッと調子を上げてきたレディー・オブ・ザ・デザートですが、今週末のアベイ・ド・ロンシャンはスケジュール的にキツ過ぎますし、ヨーロッパにはおいしいスプリント戦は残されていません。陣営の悩みはその点だけのようです。

さて日曜日はアイルランドのカラー競馬場でもパターン・レースが２鞍行われました。共に来年のクラシックを占う重要なステップ・レースです。

先ず牝馬によるパーク・ステークス(ＧⅢ、２歳牝、７ハロン)。１１頭立ての１番人気(１１対４)には、オブライエン/ムルタ・コンビのワイルド・ウインド Wild Wind が選ばれました。

レースは抜け出した３頭が横に並んでの叩き合いとなり、中央を通ったクリサンシマム Chrysanthemum が頭差抜け出しての優勝。２着本命のワイルド・ウインドと、３着バイブル・ベルト Bible Belt との着差も頭差でした。

デーヴィッド・ワッチマン厩舎、ウェイン・ローダン騎乗のクリサンシマムは、同じカラー競馬場のデビュー戦に勝って２戦２勝。１０００ギニー候補の１頭に名を挙げ、３３対１のオッズが付けられました。

最後はべレスフォード・ステークス(ＧⅡ、２歳、１マイル)。
７頭立てで行われ、ここは前走ナショナル・ステークス(ＧⅠ)２着の実績が買われ、カサメント Casamento が４対６の抜けた１番人気。

この人気を実証するように、カサメントは２着マワーケフ Mawaakef に４馬身差を付ける圧勝。更に２馬身４分の１差３着にオブライエン厩舎のロビン・フッド Robin Hood が逃げ粘っています。

同馬を調教するマイケル・ハルフォード師は、これまで調教したベストの馬と賞賛。
騎乗したパット・スマーレンは、カリカリし勝ちな同馬を２番手に付け、リラックスすることを覚えさせたレース内容に満足。

ブックメーカーもすぐさま反応して、２０００ギニーには１０対１のオッズが出されました。

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