凱旋門賞2009

速報です。詳しい内容は明日の朝ゆっくり更新することにして、取り敢えず4着までの結果は、

1着 シー・ザ・スターズ
2着 ユームザイン
3着 カヴァリーマン
4着 コンデュイ

シー・ザ・スターズは道中の不利を克服して快勝。これは強い、世紀の名馬誕生の瞬間です。

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速報は、スポーティング・ライフのブログ実況中継を見て書いたもの。今年の凱旋門賞は、現地にいなくともハラハラ・ドキドキでしたね。ン十年振りに競馬で興奮してしまいました。

一夜明けて冷静に振り返れば、今年の凱旋門賞(GⅠ、3歳上、2400メートル)には19頭が出走してきました。メンバーや枠順などは前々日に書きましたから、そちらを参考にしてください。

私の競馬日記を逐一ご覧になれば、今年のメンバーはかなりレヴェルが高かったと断言できるでしょう。私の見た限りでは、少なくとも9頭に勝つチャンスがあったと思います。

それでもシー・ザ・スターズ Sea The Stars が4対5の圧倒的1番人気に支持されていたのは、如何にこの馬の強さがズバ抜けたものであるか、関係者がそう信じていたか、の表れだったでしょう。
往年の名騎手レスター・ピゴットも、“この馬はニジンスキー以降最高の名馬、凱旋門賞は間違いなく勝つだろう” と断言していたほどです。

それでもキーレン・ファロン騎手のように、“私の乗る馬(ユームザイン Youmzain )に勝てば認めるが、逆転は可能だ” という見解もあるにはありました。

レースはオブライエン軍団のペースメーカー、グランド・デュカル Grand Ducal の逃げで始まりました。最初シー・ザ・スターズはやや掛かり気味で、大ヴェテランのミック・キネーン騎手は馬群の中、それも内ラチ一杯に入れて馬を落ち着かせる作戦を取りました。
スタンドで見ていたファンは、終始馬群の中で抜け出せない本命馬にヤキモキしていたようですね。

しかし馬の瞬発力を確信しているキネーンは余裕たっぷり、直線で最内がポッカリ空いた瞬間を捉えると、シー・ザ・スターズは一気に末脚を爆発させ、瞬時に勝利を確定してしまいました。
何でも、僅か3歩で他馬を5馬身引き離したのだそうです。

シー・ザ・スターズという馬は、必要以上に着差を広げるタイプではありません。それでも2着に2馬身の差を付けたのは、キネーンに言わせれば、今シーズン最も楽な手応えで勝ったとのこと。
このメンバーで着差以上の大楽勝を演じたシー・ザ・スターズの強さは、計り知れないものがあるでしょう。

完敗の馬群から抜け出してきたのは、ファロンが自信満々で騎乗したユームザイン。何と3年連続で2着という珍しい記録を打ち立てました。
頭差でパリ大賞典の覇者、フランスのクラシック世代を代表するカヴァリーマン Cavarlyman が続き、更に頭差でコンデュイ Conduit が4着に飛び込みます。
コンデュイは去年のセントレジャー馬で、今年はキング・ジョージで頂点に立った名伯楽スタウト師が送り込んできた古馬のエース。4着は負けとは言え、堂々たる入着と評価すべきでしょう。

以下、5着ダー・レ・ミ Dar Re Mi 、6着フェイム・アンド・グローリー Fame And Glory 、7着はドイツ産馬のラ・ブーム La Boum と3歳牝馬の代表スタチェリータ Stacelita が同着。

凡走と思えるのは、ヴィジョン・デタ Vision D’eta の10着とゲッタウェイ Getaway の13着くらいのもの。
全部の着順を検証しても、今年の凱旋門賞のレヴェルの高さと、シー・ザ・スターズの強さが立証されていると言わざるを得ません。

シー・ザ・スターズはこれで今年GⅠレースに無傷の6連勝ですが、このあとブリーダーズ・カップに遠征するか否かは未定です。
馬自身はそろそろ冬支度に入っている様子ですから、無理して11月の競馬を使う必要はなさそう。
来年も現役を続けるか、種牡馬として引退するかについても、今後の検討に委ねられるでしょう。

記録的な側面に触れれば、2000ギニー、ダービー、凱旋門賞のハットトリックは、もちろんシー・ザ・スターズが史上初。

ジョン・オックス調教師にとって凱旋門賞は二度目。前回は2000年のシンダー Sinndar での優勝。

騎乗したミック・キネーンは、もしシー・ザ・スターズが出現しなければ既に引退していたはず。今年50歳になる大ヴェテランにとって、凱旋門賞は三度目の栄冠です。
(1989年のキャロル・ハウス Caroll House 、1999年のモンジュー Montjeu )

馬主クリストファー・ツイ氏は、サンフランシスコからパリ入り。凱旋門賞は二度目の観戦だそうです。
最初はもちろん1993年のこと。この年、シー・ザ・スターズの母であるアーバン・シー Urban Sea が凱旋門賞に勝つのを目撃。ツイ・ファミリーの原点は正に1993年10月のパリにあったと申せましょう。

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