ディープインパクト 対 フランケル

昨日は、シャンティー競馬場でも秋のチャンピオン・シリーズに向けて3鞍のトライアルG戦が行われています。こちらも馬場は good 。

3鞍の内2鞍は夫々2歳牡馬、2歳牝馬のGⅢ戦で、何れも1マイル。ロンシャン改築の関係で偶々同日に開催されることになったトライアルです。
先ずシェーヌ賞 prix des Chene (GⅢ、2歳牡せん、1600メートル)は、本来ロンシャンで行われる一戦で、去年から開催時期が早められてジャン=リュック・ラガルデール賞(GⅠ)のトライアルとしての性格が強められました。出走馬は僅かに6頭、ドーヴィルの新馬戦(1500メートル)で2着入線ながら進路妨害で繰り上がり優勝となったアキヒロ Akihiro が17対10の1番人気。

2番人気(31対10)のハイ・アルファ High Alpha が逃げましたが、中団から伸びたアキヒロが期待に応えて抜け出し、ハイ・アルファを1馬身捉えて優勝。2番手の内を追走していた2番人気(31対10)のナショナル・ディフェンス National Defence が2馬身差で3着。
アンドレ・ファーブル厩舎、マクシム・グィヨン騎乗、ウェルザイマー兄弟所有のアキヒロは、これで変則的ながら2戦2勝。馬名から想像できるように、父がディープインパクトという日本産馬です。母バハーマ Baahama はこの次に行われるオマール賞で2着した馬で、来年の仏クラシックは日本のファンにも目が離せない1頭となりました。

次いでオマール賞 Prix d’Aumale (GⅢ、2歳牝、1600メートル)。こちらは1頭が取り消しての6頭立て。ドーヴィルの1マイル戦を3馬身差で圧勝したインヴィンシブル・クィーン Invincible Queen が8対5の1番人気。
そのインヴィンシブル・クィーンが逃げましたが、先行していた2番人気(12対5)のトゥーリフォー Toulifaut が外目を通って先頭に立ち、中団から伸びた4番人気(47対10)のノルマンデル Normandel に1馬身差を付けて優勝。やはり中団から追い上げた3番人気(14対5)のアシディアス・アレキサンダー Asidious Alexander が半馬身差で3着に入り、インヴィンシブル・クィーンはバテで4着に敗れました。

勝ったトゥーリフォーはジャン=クロード・ルジェ厩舎、イオリッツ・メンディザバル騎乗で、クレールフォンテンの1400メートル、ドーヴィルの1500メートル条件戦を何れも1番人気で2連勝してきた馬。無傷の3連勝でG戦勝馬となりましたが、父はあのフランケル Frankel 。この日行われた2歳馬のマイルG戦はディープインパクトとフランケルの期待馬が共に無敗で無時通過し、来年のクラシックを賑わすことになるでしょう。
凱旋門賞のマカヒキを応援に渡仏する皆さん、注目するのは凱旋門賞だけじゃありませんよ。ラガルデールのアキヒロ、マルセル・ブーサックのトゥーリフォーの走りもシッカリ目に焼き付けてくるように!!

昨日の最後はパン賞 Prix du Pin (GⅢ、3歳上、1400メートル)。これも本来はロンシャン秋の開幕戦で、フォレ賞(GⅠ)のトライアルと目される一戦。14頭の多頭数が揃い、短距離と言えば英国馬のジャロタ Jallota が14対5の1番人気。
逃げたのは最低人気(56対1)のヌーゾー・カナリアス Noozhoh Canarias 。これを内の2番手を追走していた本命ジャロタが抜け、後方から追い込む3番人気(37対10)のアタンデュ Attendu に1馬身4分の3差で人気に応えました。4分の3馬身差で4番人気(10対1)のカラール Karar が3着。

ジャロタはチャールズ・ヒルズ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗の5歳せん馬で、これが今期既に11戦目というタフが走っているような馬。ここ3戦だけ見ても、8月13日にニューバリー競馬場のハンガーフォード・ステークス(GⅡ)で5着、6日後の19日にはシティー・オブ・ヨーク・ステークス(GⅢ)で3着、更に1週後の28日にグッドウッドのシュープリーム・ステークス(GⅢ)が3着。2週間で3回も走ってきました。
今回も前走からは11日間隔での渡仏。せん馬とは言いながら、日本では有り得ないような激戦ぶりです。

 

 

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