エルデーディQのメンデルスゾーン

昨日は晴海、第一生命ホールでSQW例会を聴いてきました。プログラムは以下のもの。

《メンデルスゾーン生誕200年を記念して》
メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第2番イ短調作品13
メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第4番ホ短調作品44-2
     ~休憩~
メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第6番へ短調作品80
 エルデーディ弦楽四重奏団(第1ヴァイオリン/蒲生克郷、第2ヴァイオリン/花崎淳生、ヴィオラ/桐山建志、チェロ/花崎薫)

SQWガレリア・シリーズ、前半はベートーヴェンとショスタコーヴィチという四重奏の王道を聴いてきましたが、後半は余り聴く機会の無い作品が続きます。ま、マニアックなファン向けの曲目ですが、これもまた室内楽ファンの楽しみではあります。
聴衆の少ない会が続きますが、存続の危機も感じつつ、出来るだけ長く続けて欲しいというのが正直な希望。

すっかりクリスマス一色に彩られたトリトンの施設も、特にイヴェントの無い日曜日はガラガラで閑古鳥が鳴いていました。

今年はメンデルスゾーン・イヤー。残り一カ月を切りましたが、振り返れば目ぼしい催しはほとんどありませんでしたね。各オーケストラも交響曲は取り上げたものの、肝心のエリアや聖パウロを取り上げた所は無く(全部把握しているわけではありませんが・・・)、室内楽の分野でも恐らく今回が最大のイヴェントだったように思います。

ということで、張り切っていましたね、エルデーディの諸君。冒頭の2番からしてかなり飛ばしていた感じ。
最近復興著しいメンデルスゾーンの弦楽四重奏を纏めて聴ける機会はそうあるものではなく、改めて天才の天才ぶりを堪能できました。

今回は偶数番号を纏めていますが、これはメンデルスゾーンの短調作品だけに絞ったという意味もあるでしょう。ほの暗い色調を端正な形式美に整えて行く作品の味わいには格別なものがあります。
その度に聴く者をゾクゾク・ワクワクさせる「精霊の音楽」。

私の感想では、メンデルスゾーンの最善の美質は交響曲ではなく弦楽四重奏にあるのでは、と思えるほど。夫々にニックネームでも付いていればもっと一般的に聴かれたでしょうに、などということを考えながら聴いていました。最後の6番など、月並みかも知れませんが「パセティック」とかね・・・。

簡潔なプログラム誌に書かれた曲目解説は、同団のヴィオリスト・桐山建志氏の手になるもの。桐山氏は知る人ぞ知るメンデルスゾーンの国際的権威。彼の書いた曲解は永久保存物です。

アンコールも2曲用意されていました。
例によって飄々たるリーダー・蒲生氏がサラッと告げる曲名は、最初が“作品44の1から第3楽章” 、続いて2曲目が“同じ作品44から、今度は3の第3楽章” 。

ということで、メンデルスゾーンをシャブリ尽くしたマチネーでした。

 

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