香港はフランス対地元に

昨日の日曜日は、香港のシャー・ティン競馬場でフェスティヴァルが行われました。既に日本のメディアでも報道されていますから私が改めて書くこともありませんが、ま、記録のために若干触れておきましょう。

去年は日本からの参加馬が無いレースについては全く報道されていなかったようですが、今年は4レース全て結果も出ていますので、進歩と言えるでしょう。各マスコミさん、この調子で続けて下さいね。

例年通りGⅠレースは4鞍。順に行きましょう。全てスポンサーはキャセイ・パシフィック Cathay Pacific です。

香港ヴェイズ(GⅠ、3歳上、1マイル4ハロン)は13頭立て。凱旋門賞で3年連続2着というヴェテラン、ユ―ムザイン Youmzain の実力が断然というレースですが、道中の不利もあり、同馬にとっては最悪の結果(10着)になってしまいました。
そのまま引退かと思いきや、来年もドバイのシーマ・クラシックから始動してGⅠ路線を歩む由。古豪と言えど未だ6歳ですからね、8歳のカンパニーの例もありますし、まだまだ侮れない存在でしょう。

勝ったのはフランスから遠征してきたダルヤカナ Daryakana 。今年の凱旋門賞週間でロワイアリュー賞(GⅡ)に勝った無敗馬。ここも強烈な追い込みを大外一気に決めて、通算成績を5戦5勝としています。
2着は短頭差で1番人気に推されていた英国スタウト厩舎のスパニッシュ・ムーン Spanish Moon 、3着は首差で7歳の古豪カスバー・ブリス Kasbah Bliss の順。
日本から参加したジャガーメイル Jaguar Mail は去年僅差3着の雪辱を期しましたが、今年も4着の惜敗に終わっています。

ダルヤカナはアガ・カーンの所有馬、ロワイヤー=デュプレが管理する3歳牝馬。騎手は当初クリストフ・ルメールが予定されていましたが、日本で騎乗停止処分を受けたため急遽ジェラール・モッセに乗り替わっていました。
来年のGⅠ路線では、ダルヤカナの名前を度々聞くことになるでしょうねぇ~。

香港スプリント(GⅠ、3歳上、6ハロン)は14頭立て。例年地元馬が強いスプリント、今年も例外ではなく、1着から4着までを香港をベースに調教されている馬が独占しています。

勝ったのはセイクリッド・キングダム Sacred Kingdom 。半馬身差2着がBCターフスプリントを制したカリフォルニア・フラッグ California Flag 、更に4分の3馬身差でワン・ワールド One World が3着に入っています。
英国から唯一参加したトータル・ギャラリー Total Gallery は6着敗退。日本から参加した去年9着惨敗のローレルゲレイロ Laurel Guerreiro は今年もブービー、13着と振るいません。

セイクリッド・キングダムは一昨年のこのレースの覇者、2年振り2度目の優勝。調教師はシン・カン・ユ―という方、騎手はブレット・プレッブルの地元組です。
今年のロイヤル・アスコットにも挑戦しましたが、その時は5着でしたっけ。

香港マイル(GⅠ、3歳上、1マイル)は14頭立て。ここも地元馬が1着から4着までを独占し、何とグッド・バ・バ Good Ba Ba が香港競馬史に燦然と輝く3連覇を達成して大きな話題になりました。
2着はハッピー・ゼロ Happy Zero 、3着にフェロウシップ Fellowship 。
3頭で臨んだ英国勢は、スタウト厩舎のコンフロント Confront が6着、ゴドルフィンのアレクサンドロス Alexandros 7着、ジャーヴィス厩舎のプレッシング Pressing は去年のビデオテープでどん尻という散々な結果に終わっています。

グッド・バ・バ、去年と一昨年はアンドレアス・シュッツ師が調教していましたが、今年はデレク・クルーズ厩舎に移籍していました。クルーズ師はオーナーから打診を受けた時、冗談を言われているのかと勘違いしたほどの大型トレードだったようです。
同馬の2007年優勝はオリヴィエ・ドルーズ騎手が導いたものでしたが、去年はクリストフ・スミオンに乗り替わり、今年はまたドルーズが復帰しての勝利です。
ということはグッド・バ・バの3連覇、調教師と騎手の組み合わせは3度とも異なるという珍しい記録でもあるのですね。

香港カップ(GⅠ、3歳上、1マイル2ハロン)は10頭立て。エリザベス女王杯を逃げ切って大穴を開けたクイーンスプマンテ Queen Spumante が逃げましたが、柳の下に2匹目の泥鰌はいませんでした。

レース前に脚部不安があって出走を危ぶまれていた仏ダービー馬ヴィジョン・デ・タ Vision D’Etat が見事に差し切って優勝。2着は4分の3馬身差でコレクション Collection 、3着には更に2馬身半でプレスヴィス Presvis が続きます。
去年の覇者、イーグル・マウンテン Eagle Mountain は5着。

勝馬はもちろんフランスのエリック・リボー厩舎、騎手はオリヴィエ・ペリエのフランス組です。
ヴィジョン・デ・タは、ドバイ・ワールド・カップへの参加を予定しているとか。

以上の結果、今年の香港はフランス勢が2勝、地元勢2勝。騎手ではフランスのジョッキーが3勝、地元1勝ということで、フランスの大勝利という記録になりました。
英国はヴェイズの2着が最高、日本は同じくヴェイズの4着が最高。

個別の騎手という観点では、この開催でペリエは7勝目を記録し、これに次ぐモッセも6勝目を記録。ここでもフランスのジョッキーの優秀さが証明された形です。これは日本でも立証されています、よね。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください