ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル(26)

第114シーズンのプログラム、今回は2回目。

1956年1月26・27日 カーネギーホール
 ブクステフーデ=チャヴェツ/シャコンヌ ホ短調
 チャヴェツ/交響曲第3番(アメリカ初演)
 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番
 ビゼー/組曲「子供の遊戯」
 コダーイ/組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス(最初の2曲は、カルロス・チャヴェツの指揮)
  ピアノ/ジーナ・バッカウアー

1956年1月28日 カーネギーホール
 モーツァルト/歌劇「イドメネオ」組曲
 モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調K271a
 シューマン/交響曲第2番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ジョヴァンニ・バガロッティ

1956年1月29日 カーネギーホール
 ブクステフーデ=チャヴェツ/シャコンヌ ホ短調
 チャヴェツ/交響曲第3番
 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番
 ビゼー/組曲「子供の遊戯」
 コダーイ/組曲「ハーリ・ヤーノシュ」~間奏曲と皇帝の入場
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス(最初の2曲は、カルロス・チャヴェツの指揮)
  ピアノ/ジーナ・バッカウアー

1956年2月2・3日 カーネギーホール
 ショーソン/交響曲
 バーバー/メディアの瞑想と復讐の踊り(世界初演)
 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/マイケル・ラビン

1956年2月5日 カーネギーホール
 ショーソン/交響曲
 バーバー/メディアの瞑想と復讐の踊り
 ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
 シャブリエ/歌劇「いやいやながらの王様」~ポーランドの祭り
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ジョン・ブラウニング

1956年2月9・10日 カーネギーホール
 ハイドン/交響曲第103番
 ビゼー/組曲「子供の遊戯」
 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ヤッシャ・ハイフェッツ

1956年2月12日 カーネギーホール
 ハイドン/交響曲第103番
 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
 ワーグナー/歌劇「リエンツィ」序曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ヤッシャ・ハイフェッツ

1956年2月14日 ニュージャージー州ニューウォーク
 ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
 ショーソン/交響曲
 シューマン/交響曲第2番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1956年2月16・17日 カーネギーホール
 ショスタコーヴィチ/祝典序曲
 ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番
 ブロッホ/ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
 リスト/交響詩「前奏曲」
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ヴィトルド・マルクジンスキ
  チェロ/ラースロ・ヴァルガ

1956年2月19日 カーネギーホール
 ヴェルディ/歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
 ブロッホ/ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
 ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番
 バッハ=ミトロプーロス/幻想曲とフーガ ト短調
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ヴィトルド・マルクジンスキ
  チェロ/ラースロ・ヴァルガ

1956年2月23・24日 カーネギーホール
 バッハ=ミトロプーロス/幻想曲とフーガ ト短調
 キルヒナー/ピアノ協奏曲(世界初演)
 R.シュトラウス/アルプス交響曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/レオン・キルヒナー

1956年2月25日 カーネギーホール
 リスト/メフィスト・ワルツ
 プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
 リーバーマン/語り手と管弦楽のための「音楽」(アメリカ初演)
 コダーイ/組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/アイザック・スターン
  語り/ヴェラ・ゾリーナ

1956年2月26日 カーネギーホール
 グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
 プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
 リーバーマン/語り手と管弦楽のための「音楽」
 リスト/交響詩「前奏曲」
 リスト/メフィスト・ワルツ
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/アイザック・スターン
  語り/ヴェラ・ゾリーナ

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1月26日から3回登場したチャヴェツ Carlos Chavez (1899-1978) はメキシコ・シティーに生まれて同地に没したメキシコの作曲家兼指揮者。ここでは両方の立場でニューヨークにお目見えしましたが、1926年から1928年まではニューヨークに住んでいたこともあります。この間にコープランド、カウエル、ヴァレーズなどと親交を結んだことも有名。
交響曲は6曲ありますが、ここで演奏された第3交響曲はブージー・アンド・ホークス社からポケット・スコアも出ていたもの。交響曲第1番は「シンフォニア・インディア」、第2番は「シンフォニア・ド・アンティゴナ」として知られています。

2月2日に世界初演されたバーバー作品は、現在でもオーケストラ・レパートリーとして完全に定着しましたね。ミュンシュ/ボストン響による録音もありますし、スクロヴァチェフスキもN響の定期で取り上げていました。

2月23日に世界初演されたキルヒナー Leon Kirchner (1919- ) は、ニューヨークのブルックリンに生まれた作曲家。まだ健在、のはず。健在なら今年(2009年)90歳、ピアニストとしても腕の立つ人です。
以前にも紹介したような記憶がありますが、ベルクやシェーンベルクの語法で作曲しながらも12音技法は使っていません。ピアノ協奏曲は2曲ある由。

2月25日のリーバーマン Rolf Liebermann (1910-1999) についても既に紹介していると思いますが、チューリッヒに生まれてパリに没したスイスの作曲家。ハンブルクやパリの歌劇場で総監督を務めた経験もあり、演奏現場で活躍した現代音楽のチャンピオンでした。特にハンブルク時代は大活躍で、アイネム、ザール、メノッティ、ヘンツェ、ペンデレツキ、カーゲルなどの現代オペラの名作誕生に貢献しています。
もちろん自身も12音による歌劇を多作していますが、日本で観られるものはほとんどありません。
器楽作品では、ジャズバンドと管弦楽のための協奏曲をシュヒタ―とN響が取り上げたことがある程度。もっと頻繁に演奏されてよい作曲家ですね。

 

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