アツモン指揮/N響のブラームス他
放送音楽
9月29日にNHKホールで行われたN響定期演奏会の放送。モーシェ・アツモンの指揮で、リヒャルト・シュトラウスのティル・オイレンシュピーゲル、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、いわゆるトルコ風。最後はブラームスの第1交響曲です。モーツァルトのソロはセルゲイ・クリーロフという若手男性ヴァイオリニスト。
この会は良かったですね。前回のプレヴィンと違ってアンサンブルもシッカリしているし、音楽に活気がありました。ただしプログラムは名曲路線で、面白いものじゃありません。
プレヴィンのときはヴィオラが右手に位置していたように思いましたが、この回はチェロが右端。N響は時々配置を変えるんでしょうか、それとも指揮者の指示?
フルートのトップがいつもと違って若い女性。何処かで見た顔なんですが、名前を思い出せません。家内が、有名なソリストよ、って言ってましたが、ゲストなんでしょうかね。それとも新入団なんでしょうか。
最初のシュトラウスは、アド・リブで加えることになっているホルン4本(5番から8番)とトランペット3本(4番から6番)は全て省略。お陰で死刑宣告の場面は迫力が不足してました。ライヴで聴くとどうなんでしょう。特に、弦の後追いにホルンが重ならないと火が消えたようになってしまいます。そこまで節約しなくてもいいのに。ホールはバカデカイんだから。
モーツァルトのソリスト、クリーロフという人は、きめ細かい演奏でモーツァルトを好演。
ブラームスは出だし、随分大人しかったですね。ティンパニは後からついて来る感じで、コントラバスからズンと入ってきます。第3楽章までは柔らかさが前面に出ていました。指揮者の要求なのか、オーケストラのスタイルなのかは分かりません。
それが第4楽章、特に序奏部が再現する辺りから俄然燃え始め、コーダではチェロやコントラバスの弦を擦る音がガリガリと聴こえてきます。こういう箇所になると、N響いいなぁ、と思いましたよ。ホント。
曲の頭からこういう気合が欲しいところですが、指揮者の意向なのか、前回も感じた帳尻合わせみたい。
アツモンは名古屋フィルの常任を務めていた人ですよね、確か。都響でも振っていたと思いますが、不思議に私のコンサート通いサイクルと波長が合わず、今回初めて見ました。はるか昔、どこかの音楽祭でウィーン・フィルとやったハイドンを聴いた覚えがあります。
1931年、ブダペスト生まれのハンガリーの指揮者、勉強はテル・アヴィヴですね。今回は誰かの代役だったようですが、中々堅実な、良い指揮者だと思います。名前先行のプレヴィンとは大違い。次はアツモン本人の選曲で聴いてみたいのですが・・・。
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