強者弱者(54)

議会の噂

 議会の噂も若き人々の耳には全く興なきが如し。社会的事実と交渉なき政党の私怨私闘、利害一致して相争ふ可き理由なき政府と政党との八百長角力、議会は宛たる一個の猿芝居に似たり。(明治四十二年)

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政治の不毛は100年前も現在も同じ。これは明治42年の文章ですが、平成21年にも通用する批判だと思います。国民はそっちのけで政党間の私怨私闘に明け暮れるばかり、正に猿芝居と言わざるを得ません。

因みに明治42年の内閣は第2次桂内閣で、総理は桂太郎。外務大臣に小村寿太郎、内務大臣が平田東助、大蔵大臣は総理が兼務していました。
この内閣は1908年7月14日から1911年8月30日まで続いていますから、比較的長命な内閣だったのですね。

明治42年(1909年)と言えば、伊藤博文が暗殺された年。国産レコードの生産が開始され、三越少年音楽隊が結成された年でもあります。
夏目漱石の「三四郎」、永井荷風の「ふらんす物語」が発刊間もなく発禁となり、竹久夢二の夢二画集が話題になったのもこの年で、流行ったのはハイカラ節だそうな。

 

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