プレヴィン/N響のラヴェル

放送音楽

ヨーロッパ競馬シーズンはあらかた終了したし、日が短くなって虫もあまり見なくなりました。私も歳で、寒い時は無理に外に出たくない。
ということで、冬場は少し暇になります。そうだ、折角BS放送を受信しているし、久し振りにテレビ音楽でも味わいましょうかね。と思い立って、録画予約機能を使って収録、週末の暇潰しにしようと思い立ったわけ。
聴いた以上は、記録のために何が書き残しておきましょう。ナマで聴く音楽とは違うので、感想というよりも、気が付いたことの記録。

NHK交響楽団の9月定期を見ました。このオーケストラの放送をまともに見るのは3年振りくらいでしょうか。アンドレ・プレヴィンの指揮で、オール・ラヴェル・プログラム。マ・メール・ロワ組曲、ピアノ協奏曲、ダフニスとクロエ全曲です。

驚いたことに、プレヴィンは椅子に座って指揮してます。マフラを巻いて出てきたのかと思ったら、燕尾服の襟が妙に光る生地で、高価な衣装、って感じでした。
1929年生まれですから今年78歳、スクロヴァチェフスキに比べれば随分老いぼれた様子。歩く姿を正視するのは、チョッと辛いですね。

この人、ベルリン生まれで、本来はアンドレアス・ルードヴィッヒ・プリヴィンという名前なんですってね。
レコード録音もある得意なレパートリーですから、手馴れたものでした。マ・メール・ロワは普通の組曲版、肩の力が完全に抜けた演奏。

協奏曲のソロはジャン・イヴ・ティボーデ。ハンサムでいかにもフランス人。

最後のダフニスは吃驚しました。合唱を使わないんですね。最近では珍しいことのように思います。この版は、昔、マゼールとクリーヴランド管のコンビが初来日した時に上野で聴いた覚えがありますけど、それ以来かな。

お陰で、全曲版スコアの最後に付録として付いている、練習番号83から92までのオーケストラのみアレンジが聴けました。レコードでは滅多に聴けない音。舞台裏、と指定のある金管も、そのまんま自分の席で吹きまくってました。
でもね、ここだけじゃなく、全曲演奏で合唱が入らないのは、何か物足りないなぁ。

沼尻/日本フィルの凝りに凝った演出に比べると、能が無い。もちろん夜明け、「舞台上で」と記されたピッコロとESクラも、夫々の定位置で吹き、何の工夫もなし。
久し振りに見たN響、大分メンバーが交代したようです。ホルン、オーボエ、ヴィオラのトップは初めて見る顔でした。
プレヴィンはスコアと首っ引き、ヤッパリ歳なのか、最後の5拍子の場面ではオーケストラを一度も見ませんでしたね。それでも破綻は無く、さすがN響、ということで客席も沸いてました。敬老コンサート。

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