ヴァルト・ビューネ2007
放送音楽
ベルリン・フィル恒例の野外音楽会、ヴァルト・ビューネがBSハイビジョンで放送されました。土曜日夜9時からの帯番組らしく、冒頭に今月の予定が紹介されていました。へーぇ、こんな番組があるのか、って感じ。
土曜日の夜は、家内や子供達が毎週見ているテレビ番組があるそうで、10時までの1時間だけ宿六にもテレビ観戦のお許しが出た次第。
というわけで、前半だけ。番組の頭に堀内修という案内人が登場して、いかにもセレブ・マダム向けのクラシック鑑賞法を伝授、気持ち悪い~。
指揮はサイモン・ラトル。今年のテーマは“ラプソディー”ということで、狂詩曲による世界巡り風のプログラムでした。
最初はシャブリエの狂詩曲「スペイン」。次がディーリアスのイギリス狂詩曲、プリッグの定期市ですね。こういう曲が入るところがラトルなんでしょう。
3曲目はラフマニノフのパガニーニの主題によるラプソディー。ピアノはイギリスの名手、スティーヴン・ハフでした。
ベルリン・フィルですから流石ですね。このオケを見るのは久し振りですが、馴染みの顔も沢山あるものの、初めての人もいます。そりゃ、当然でしょう。ヴィオラの頭は清水直子さんが頑張ってましたし、ヴァイオリンの琴和ちゃんもシッカリやってます。
相変わらず巧いですし、ラトルも乗り乗りの様子。シャブリエなんて、随分思い切ったルバートかけてましたね。ただしスコア見てましたよ。
ただ、演奏会場が野外ですし所詮は放送ですから、ベルリン・フィルの音が云々、という所までは判りません。
NHKの収録に比べると、画面の切り替えが早いですね。パッパッ、とソロ奏者をアップで映し出します。チョッと煩いくらい。カメラも相当に使っているんでしょうね、お金かけてる。
それにしても観客が多い。全部無料なんでしょうか? 遥か後の人なんて聞こえるんですかね。演奏の途中でも人の出入りが盛んにあるし、落ち着いて音楽を聴く、という雰囲気じゃなさそう。それでも演奏が終わると凄い歓声で、口笛もピーピーと鳴り捲る。普段フィルハーモニーなどで聴く人とは人種が違うんでしょう。こういう中でクラシックを初体験してファンになる人も掴もう、という企画かな。
仮にこれを東京でやるとすれば、日比谷公園の野外音楽堂が直ぐ頭に浮かびます。あそこでN響が楽しい曲目でタダのコンサートをやる風景は、チョッと想像できませんな。
毎年5月の有楽町音楽祭も、こういうのどうかしら。上野公園でも出来るじゃん。でっかい何とかビジョンを使ったりして。まぁ、いろいろ煩い規則があって、ダメなんでしょね。指揮者やオーケストラだけじゃなく、社会全体が乗らなきゃ、実現はしない。
ハフが素晴らしいテクニックでラフマニノフを決め、客席総立ちの喝采に応えてアンコール。モンポウの「子供の情景」から「庭のおとめたち」が静かに演奏されたところで時間切れ。テレビの前から追い出されましたわ。
この後はドヴォルザークのスラヴ狂詩曲、ドビュッシーのクラリネットによる第1ラプソディー、エネスコのルーマニア狂詩曲1番が演奏されたらしいです。お決まりのアンコールは「ぺルリナー・ルフト」(ベルリンの風)なんでしょうけど。
よく似たプログラムが、来期の読売日響でも演奏されます。8月の名曲シリーズ、伊福部(日本)、リスト(ハンガリー)、エネスコ(ルーマニア)、ディーリアス(イギリス)、ラヴェル(スペイン)。
お祭り男のミッチー、赤坂でも大いに盛り上げようぜ!
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