パコ・ボーイの豪脚

昨日はニューバリー競馬場でロッキンジ・ステークス(GⅠ、4歳上、1マイル)が行われました。イギリスのレーシング・カレンダーでは、クラシック・レースを除けばシーズン最初のGⅠ戦となります。

ニューバリーの直線コースで行われるマイル戦、9頭が出走してきました。1番人気は前走サンダウン・マイルでシーズン初戦に快勝したパコ・ボーイ Paco Boy 、8対11と単勝2倍を切るオッズ。
2番人気は、これがシーズン初戦となるザシント Zacinto で7対2。過去の戦績から両馬の実力は拮抗しています。

レースを引っ張ったのはスティミュレーション Stimulation 。勝負所で各馬一斉に追い出しに掛かりますが、本命パコ・ボーイのリチャード・ヒューズは筋肉一つ動かさず馬なりのまま6番手辺り。

しかし一度ヒューズがゴーサインを出すと、反応は一瞬でした。豪脚と呼ぶに相応しい瞬発力で、先に先頭に立ったウークバ Ouqba に4分の3馬身差を付ける圧勝。これぞGⅠホースの脚と、観客を納得させました。
3着は更に3馬身半差でロード・シャナキル Lord Shanakill が飛び込み、以下パイプドリーマー Pipedreamer 、ザ・チェカ The Cheka の順。

2番人気のザシントは急速に脚を無くし、不可解なドン尻負け。最後は馬を止めるほどにバテていました。スタウト師もムーア騎手も敗因を見出せていないようです。

パコ・ボーイはリチャード・ハノン師の管理馬。観衆からの歓声に感極まった様子のハノン師は、これまで2000ギニーに勝ったモン・フィス Mon Fils を自分が調教したベストホースと呼んでいましたが、今やその称号をパコ・ボーイに与えています。何でもハノンさん、家中の壁という壁にパコ・ボーイの写真を飾っているのだとか。

これでパコ・ボーイが制したパターン・レースは8勝目となり、GⅠ制覇はフォレ賞、クィーン・アン・ステークスに続いて3勝目。当然ながら次走はロイヤル・アスコットのクイーン・アン。去年に続いて2連覇を目指します。

ハノン師は1993年にスイング・ロウ Swing Low でロッキンジに勝っていますが、ロッキンジがGⅠに格上げされたのは1995年からのこと。

また、今回の騎乗を「ウルトラ・クール」と評されたリチャード・ヒューズ騎手にとっては、これがロッキンジ初優勝となります。

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