仙台フィル・第247回定期
ふらふらっと仙台に行ってきました。土日に行われる青葉祭を見ること、じゃなくて私の場合は仙台フィルを聴くことが目的です。
意外ながら仙台は初体験で、季節は正に青葉の候。ケヤキの緑眩しい仙台です。広上の「わが祖国」全曲というのは記憶にもなく、東北新幹線に乗る価値はあるでしょう。
≪スメタナ/連作交響詩「わが祖国」(全曲)≫
スメタナ/交響詩「高い城」
スメタナ/交響詩「モルダウ」
スメタナ/交響詩「シャールカ」
~休憩~
スメタナ/交響詩「ボヘミアの森と草原より」
スメタナ/交響詩「ターボル」
スメタナ/交響詩「ブラニーク」
指揮/広上淳一
コンサートマスター/伝田正秀
客演首席チェロ/長谷部一郎
今年は5月になっても冷気が南下する異常気象。5月も中旬と言うのに仙台は寒かったですね。日中の最高気温が14度ほどで、コンサートが行われた金曜の夜(5月14日)はもっと冷えていました。
昼過ぎに仙台入りし、先ずは伊達政宗を表敬訪問します。瑞鳳殿と仙台城跡を「るーぷる仙台」でサクッと回り、時間を見計らって地下鉄に乗り換え、旭ヶ丘駅へ。
何しろ初仙台ですから、もちろん演奏会場の仙台市青年文化センターも初めての場所です。
このホールは仙台駅からはやや離れていて、地下鉄で10分ほど、仙台から6つ目の駅で降りて徒歩2分。ほとんど駅前ですね。
ホールの前は台原森林公園が広がっており、如何にも杜の都・仙台という感じじゃありませんか。
ホールそのものはシューボックスと言うか、縦長で天井は高く、1階席しかありません。座席の列はアルファベット順になっていて、私の席はP列のほぼ真ん中。後ろから数えた方が早い位置ですが、比較的凝縮した空間のため、聴こえてくる音圧はかなりのものがあります。
天井は高いものの、2階以上の席が無いせいか、響は固め。音響の空気感が乏しく、聴き疲れしたのが正直な印象です。この感じは今回の定期だけに限ったことではないでしょう。会場周囲の環境が素晴らしいだけに、やや残念に思いました。
仙台フィルの定期は2日間開催で、初日の金曜日は見た目8割程度の入りでしょうか。いや、もう少し埋まっていたかな。平日の7時ということで、遅れてきた人の途中(モルダウの前)入場を待つような場面もありました。土曜日はどうなんでしょうね。
演奏は如何にも広上らしいB型タイプ。ほかの誰とも違うヴィヴィッドなスメタナを披露しました。「モルダウ」の婚礼の踊り、「ボヘミアの森と草原より」の祝宴の踊りなどの弾む音楽や、「シャールカ」と「ブラニーク」の壮大な盛り上げなど、やはり仙台に足を運んで良かったと思います。
仙台ではあまり馴染無いプログラムと想像されましたが、客席は大いに沸いていましたね。熱心なクラシック・ファンが定着している印象。
折角の仙台ですから、この日は仙台駅に戻って駅前の旅宿に一泊。翌日は天候も回復したので、広瀬川を中心に自然散策を満喫してきました。
ここは虫たちも目覚めたばかりのようで、仙台市博物館の庭ではベニシジミ、ツマキチョウ、スジグロチョウなどを見かけます。
交通公園に面した広瀬川遊歩道ではウグイスが鳴いていて、東京とは違って人を恐れず、堂々と姿を見せて鳴いているのも愛嬌がありますな。
瑞鳳殿ではヤエザクラが咲き揃い、シャガが満開。東京とは季節が一ヶ月遅れていることを体感してきました。
仙台で聴く「わが祖国」、どうしても高い城=仙台城、モルダウ=広瀬川、森と草原=台原森林、ブラニーク=青葉山と連想に羽が生えるのは自然なこと。行く先々で昨日聴いたばかりのスメタナが耳を掠めます。
旅先で聴く音楽の情趣でしょう。
お、牛タンも美味かったしね・・・。
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