今期もチャンピオン? ゴールディコヴァ

さて日曜日のフランス編です。アイルランドと同様、GⅠ戦が二鞍。こちらは行われたレース順に回顧していきましょう。

最初はサン=タラリ賞(GⅠ、3歳牝、2000メートル)。仏オークス(ディアーヌ賞)に向けた最後の、そして最も重要なトライアルですね。去年勝ったスタチェリタ Stacelita はそのまま仏オークス馬になっていることからも、このレースの重要性は明らかでしょう。

9頭が出走してきましたが、6対5の1番人気に支持されたサラフィーナ Sarafina という新星が期待に応えています。
2着はこれまた日記初登場のデラックス Deluxe で半馬身差。3着は更に1馬身半差でヒバーイェブ Hibaayeb の順。

ゴドルフィンが英国から送り込んだヒバーイェブは1000ギニーで着外に終わっていましたが、ここではデットーリのスローペースでの逃げ作戦に応えて3着に粘り込んでいます。仏オークスに再度遠征して挑戦する望みを繋いだと言えましょうか。

ところでこのレースも勝馬が審議の対象になっています。サラフィーナが前が開かず、辛うじて抜け出す時に結果8着に終わったタ・ドゥボー・ジュー T’As D’Beaux Yeux (オリヴィエ・ペリエ騎乗)の進路に侵入したという廉。
今回は仏1000ギニーのような降着処分にはならず、入線通りで確定しました。フランスの審判の判定がぶれているのではないか、という批判も囁かれていました。

勝ったサラフィーナはクラシック常連のアガ・カーンの持ち馬。今月になってデビュー勝したばかりの2戦2勝という若馬です。
2着に入ったデラックスもまた、去年新馬勝して今シーズンも1戦1勝というキャリアの浅い牝馬。真に新鮮なトライアルだったと申せましょうか。

サラフィーナを管理するアラン・ロワイヤー=デュプレ師にとってはサン=タラリ賞4勝目。1989年のベヘーラ Behera 、1998年のザインタ Zainta 、2008年のベル・エ・セレーブル Belle et Celebre に続く快挙です。
このうちザインタがサン=タラリ/仏オークス・ダブルを達成していますが、サラフィーナが2度目のダブルを成し遂げるか。

騎乗したジェラール・モッセは、そのザインタに続く2度目の勝利です。

このデュプレ/モッセのコンビは仏オークスに4回も勝っていますし、デュプレ師はそれとは別にあのザルカヴァ Zarkava でも制していますから、クラシックで人気を集める1頭になることは間違いないでしょう。

続いてイスパハン賞(GⅠ、4歳上、1850メートル)。9頭立ての1番人気(13対10)は、今や世界の競馬界のアイドルと言える存在になったゴールディコヴァ Goldikova 。去年のこのレースでは7着に惨敗したのと、これがシーズン初戦というのが(去年もシーズン初戦で敗退)気掛かりなところ。

しかし今年は文句無し。しかもレース・レコード・タイムでの優勝が華を添えました。
2着はバイワード Byword が追い込み、3着に入ったヴィーナー・ワルツァー Wiener Waltzer は更に10馬身差が付くという圧勝劇です。
去年のサン=タラリ馬スタチェリタもシーズン初戦でしたが、最後方から4着に食い込むのがやっとでした。

これでゴールディコヴァはGⅠレース8勝目。去年はイスパハン凡走後GⅠに3連勝していますから、今年はそれを上回るスタートを切ったと言えましょう。
最後にバイワードに追い上げられたのはこのレースの1850メートルという微妙な距離故で、1マイルの路線では今年もヨーロッパ競馬の中心的存在であることに変わりはありません。

3着したヴィーナー・ワルツァー、名前から想像できるように、ドイツから遠征してきた独ダービー馬ですね。

ゴールディコヴァの次走はロイヤル・アスコットのクィーン・アン・ステークスになる由。

最後はアスコットのゴールド・カップに向けたトライアルとなるヴィコンテッス・ヴィジエ賞(GⅡ、4歳上、3100メートル)。
7頭が出走し、13対10の1番人気は、前走バルべヴィユ賞で2着して順調なシーズンを切った古豪8歳のカスバー・ブリス Kasbah Bliss 。

レースは、先のサン=タラリでも巧みに先行したデットーリがここでもカイト・ウッド Kite Wood で先手を打ち、ここではまんまと逃げ切ってしまいました。
2着に4分の3馬身で本命カスバー・ブリスが追い込み、3着は1馬身半差でブレク Blek の順。

勝ったカイト・ウッドはもともと去年のセントレジャーで2着したほどの実力馬。本来なら1番人気に推されてもおかしくない馬ですが、今回は14対5とやや不本意なオッズが付けられていたのは、これが英国以外での初レースだったから。初の海外遠征が不安視されていた格好です。

カイト・ウッドはゴドルフィンの馬ですから、調教師はサイード・スロール師で、ランフランコ・デットーリ騎乗。
1・2着馬は共にゴールド・カップを目指す予定。もちろん出走すれば人気を集めることは必至ですね。

3着に入ったブレクは、今シーズン連勝で3連勝がかかっていた馬。前走のバルべヴィユ賞ではカスバー・ブリスを破っていましたから、これもステイヤー路線の常連として注目されるでしょう。

以上、日曜日の結果報告でした。あぁ疲れた~。

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